2017 . 11 . 15

おとなしい雰囲気の女性が明るく可愛く!

術前の印象ではおとなしそうな雰囲気でしたが、聴いてみると別に地味な女性ではないようです。でも見た目の印象って大事ですよね。目元が寂しい。開瞼が小さく、眉を挙げているから眼瞼の面積が広く、ぼてっとして弱々しい眠そうな目元です。手術後には、間違いなく明るくパッチリとした目元を作り上げました。

症例は、21歳、女性。先天性一重瞼。1年前に他院で埋没法重瞼術を受けたが緩んだ。開瞼時には前頭筋が収縮して眉毛を挙げている。診察所見はLF、Levator Function=挙筋筋力(挙筋滑動距離):12mmと正常下限。眼裂横径(一重瞼者の平均25mm):25mmと平均的。角膜中心間距離(平均60mm):58mmと眼球は近いのに、内眼角間距離(一重瞼者の平均35mm):36mmと離れている。これは蒙古襞の拘縮が強く被さっているからです。眼瞼下垂を治して二重瞼にすると、蒙古襞がこのままでは、縦横のバランスが狂います。蒙古襞の拘縮が眼瞼下垂症を助長している。フェニレフリンテスト陽性で筋力は下限であり、先天性筋性眼瞼下垂症も伴う。一重瞼であるから、先天性皮膚性眼瞼下垂症ですから、重瞼術も必要です。

予めデザインプランを立てます。前回のラインは7mm高と間違いはないが、皮膚は長年眉毛を挙げてきたので伸びているから、最低限2.5mmは切除を要する。挙筋はフェニレフリンテストに反応するのでLT(眼瞼結膜側から挙筋群をくくる。)で可能。吊り目なので目頭は横向きにしたい。一重瞼の標準的な蒙古襞を、二重瞼の標準的な蒙古襞に変える必要があるため、定型的な一辺4mm60度のZ-形成法による目頭切開が適応と考えた。

まずは術前と術直後と術後1週間の画像を提示します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

下には術後1週間の抜糸時と術後3週間の眼瞼部画像です。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERAさらに術後6週間を経ました。

見事に開瞼が向上しました。重瞼もくっきりしてきれいです。目の窓の間隔も自然になりました。術後3週間での診察時には目がキラキラしていながら笑顔が明るい。目が大きくなると表情が豊かになります。

下に左右眼瞼の近接画像を提示します。左から術前、術直後、術後1週間、3週間です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

下は術後6週間です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

肥厚性瘢痕は肥厚はありませんが、硬結はあります。発赤はありませんが、やや白く風合いがつるっとします。

ところで目頭の下に縦に4㎜の創跡がありますよね。そして、その内側の蒙古襞の残りものと外側の下眼瞼の瞼縁方向とは僅かに段差になっています。あたかも蒙古襞が残存しているかの様です。その通り!。我国に於いては一重瞼の遺伝子と二重瞼の遺伝子は混血していますから、蒙古襞の程度にも個体差があります。ただし一重瞼の人の平均的な蒙古襞と二重瞼の人の平均的な蒙古襞は被さり程度で約1.5㎜の差があります。だから一重瞼を二重瞼にする重瞼術+眼瞼下垂手術をするならば、同時に蒙古襞を最低1.5㎜はどけなければ自然な形態にならないと考えられます。ですが逆に蒙古襞を無くす手術ではありません。古モンゴロイドと新モンゴロイドの混血した日本人の遺伝子なら蒙古襞は程度に差がありながら必ず存在します。遺伝子の濃さが程度に差を付けているだけです。だから、二重瞼でも蒙古襞がちょっとあるのが日本人にあり得る自然な二重瞼の形態です。私は二重瞼ですが涙湖が半分隠れています。鏡で見たら上記画像と同程度で形態も似ています。別にモデルにしている訳ではないのですが、その程度が自然にある形態なので、その様に出来たのでしょう。その上で説明を加えると、術後6週間は創跡の拘縮がまだ有る時期です。だから、段差が見えるのです。段差は蒙古襞が強調されて見えますが数週間後には段差が少なくなり、丁度良い二重瞼に普通にあり得る程度の蒙古襞に出来上がります。

もう一度術直後から翌日、術後1週間と術後3週間と経過を追ってみます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA左は術後6週間です。

「48時間がヤマです。」と私は毎回言いますが、翌日や翌々日の方が腫脹が亢進して内出血も増加します。また翌々日は腫脹は亢進していますから、開瞼は不足に見えます。逆に術後1週間ではオーバーに開いて映っています。術後3週間で丁度良い開きです。術後6週間では優しい目元に写って戴きました。腫脹問うのダウンタイムはクリアーしましたが、創跡が見えなくなるまでは3か月を要する様です。今後も画像提示します。若年者は治りも早い。最近若年者ばかり画像提示しているので、これが若年者の標準的経過であるのが解りますよね。それにしても綺麗な自然な目元です。

目元は顔の印象の約50%を左右します。実は明るい患者さんの印象に合っていると見て取れます。次回3か月目をお楽しみに!