何回も書いてきましたが、(フェイス) リフト, Face Lift 手術は部位を分けて施行しております。【Face Lift】を訳すと、【顔 持ち上げる】ですが、顔を持ち上げても意味がない?!。顔は部分的に、皮膚や軟部組織が伸展して弛み、重力により支点から下垂します。支点は頭蓋骨に付着している部位ですから落っこちませんよね。また表情筋は覚醒時に正立している際に、トーヌス(精気のある顔を保つ)を持って緊張して、重力に抗っています。加齢で表情筋も弱って重力に敗けます。骨へ皮膚を吊る支持靭帯も伸びます。ですからリフト手術は、顔の一部を頭蓋骨に向かって持ち上げます。従って支点を探します。すると表情も精気を取り戻します。張りが醸し出されます。
上からまず、前額部は、頭皮が頭蓋骨を帽子のように覆っていますから密着しています。頭皮の下の帽状腱膜(=頭蓋骨を帽子のように覆う筋と腱)は硬いので支点になります。ちなみに前額部の皮膚と前頭筋は、眼窩骨上縁に支持靭帯で付着していますから剥がします。逆に頬前, Malar部は下眼窩縁を支点として使えます。これがMid Face Lift ですが、侵入路が難しく、汎用されません。
サイドに回って、こめかみ部は後上方が頭皮ですから、支点になり得ますが、側頭筋々膜も支点として使えます。側頭筋は頭蓋骨にオリジン, Oliginal(起始=骨に着いた支点)があり、表情筋ではなく咀嚼筋(噛むための筋)ですから、生きている限りあまり弱まらないので支点になります。深筋膜と浅筋膜に包まれていますが、これが硬いので支点として使えます。
次は下顎の上下です。下顎縁の上がJowlです。Jowlは前下方に落ちていき、マリオネットラインの外側には下顎骨に付着する靭帯がありますから(いわゆるマリオネットライン)、その後ろに弛みが溜まります。持ち上げる際の支点は耳介(外耳道)軟骨の周囲や頬骨弓が使えます。そして下顎縁の下は頸部です。ここを斜め上に引き上げたら、耳介後部の後頭骨が支点に使えます。だから、ネックリフトは、結構しっかり挙げられます。
詳しく説明したのは、リフト手術は、部位ごとに支点を使い分ければ、持ち上げる部位ごとに効果が得られるということです。上の説明に沿って、もう一度上から説明すると、前額リフトは眉毛を上げて眼瞼を開大させたり、皺を取るなど目的が多様です。こめかみリフトは、剥離腔の長さと方向を変えることで、眼瞼外部やMalarが挙上され、Jowl方向までもある程度挙げられます。耳前部から耳後部への切開はMACS Lift, Minimal Access Cranial Suspension Lift と称します。剥離はJowl まで皮下で剥離します。耳後部の切開線の長さは頸部も目標にするかにより使い分けます。ちなみに頤下の二重顎には、MACS Liftは効きませんが、頤切開での脂肪切除が使われます。ただし支点は見出せません。下顎骨に向かって圧迫すれば挙上効果はあります。
いつも強調してますが、重要な手技は剥離です。剥離層は使い分けますが、どの場合でも、【皮下】でも【広範囲】なら充分な効果が得られます。【皮下広範囲リフト】は見事な結果を得られます。ビジネス的な、チェーン店系で”直美”連中が施行する”なんちゃってリフト”は、ほとんど全く剥離しないから、効果が得られないばかりか、もちろんすぐ後戻りします。でも患者さんは手術中を観られないし、ネット上の症例広告では、中長期的経過を提示していないから、患者さんは騙されてそういう所に行ってしまう訳ですね・・。逆に私は、ブログに中長期経過を載せています。だから信頼されるのですかね・・?。
こうして、部位ごとに挙げたい部位があり、支点も使い分けます。ですからリフト手術に於いて部位を分けて施行しても、組み合わせれば顔面の下垂した部位をそれぞれに挙げられ、結果的に顔をトータルにリフトできます。じゃあ一遍に全部手術すれば良いじゃないかと云われそうです。やっている美容形成外科医も数名います。ですが、12時間近くの一日仕事となります。従って何百万円単位の高額となります。私の4歳先輩のUt.先生に聴いたら、月に1〜2例しか手術していません。当たり前です。集中力が持ちません。ちなみに私は、この20年間は、最高4時間半までしか手術したことありません。その結果体力と集中力が保つので、目と頭と手が効いている時間内に手術出来て、良好な結果が得られます。幸いにして、今回の症例の患者さんはよく理解していて、何回かに分けて手術する計画を立てていって下さいます。部位ごとに丁寧に手術して、トータルに素敵なアンチエイジング効果を、造り上げたい思います。
症例は50歳女性。ブログを覧て来院されました。早速リフトアップをして下さいと仰います。私直ちに顔を見つめて、各部位を評価しました。
Malarは両側頬骨隆起間の幅が133㎜と顔が小さい人よりは若干大きい程度でも、ゴルゴ線が見えます。頬骨隆起の位置も外眼角の斜め下と低い。それはアジア人の特徴で、顔が弛んで落ちた象徴の一つです。とにかく挙げたら若返ります。
他に前額部やJowl に点いて、また次には頤付近に対しても検討していますが、今回こめかみリフトを先行する事となりました。目尻を挙げたくはないので、1Vectorで頬骨隆起部まで剥離してのゴルゴ線にも挙上力が働く様に手術しましょうとなりました。
画像は術前とデザインから術直後、術後経過を載せていきます。左側の手術中画像を後段に載せますが、観たい読者だけご覧下さい。
上図は術前、右はデザイン後です。頬骨隆起の高さに注目。
上下列に術前の側面図。赤い線は自分で引っ掻いた跡です。デザインですが、切開は眉尻の真後ろから生え際に沿って3㎝です。頬骨隆起部まで剥離範囲を点画しました。
上下列の斜位像も観て下さい。頬骨隆起の位置が低いのが判ります。
下列は術直後と翌日。
正面像ではすでに腫脹が診られます。上右図は翌日です。通常48時間までは腫脹が亢進しますが割と軽度です。
上下には術直後の4方向。切開縫合創には血液が付着していますが、固まらない様にしたいです。
下列には手術翌日の4方向。
意外と腫脹が亢進していません。
下列には手術後1週間と2週間の図群。
上左図の1週間では、まだ腫脹が強いですが、上右図の術後2週間ではだいぶ軽快してきました。効果ですが、頬骨隆起部の位置が挙がっています。顔面が卵形になりました。ゴルゴ線は浅く短くなりました。両側頬骨勘幅が大きい人はMalarの面が広くFlatなために線が深いのですが、線は消えはしなくても目立たなくなりました。
上下列の側面図では、丸くなったMalarが上方にあります。
上下列の斜位像では頬骨隆起部の位置が高くなって若々しいですね。
ここから下が術中画像です。
側面から手術していますから、まず両側の手術部位のデザインを観ましょう。
左側だけ術中画像を逐一撮りました。上左図は皮膚&皮下脂肪を切開後。上右図は創縁を止血後。
直ちに皮下剥離します。と言っても浅い皮下脂肪層の裏側です。点画で囲んだ範囲を同層で剥離して、上右図は中に筋鉤を入れて持ち上げて観ながら、止血前。
止血後に、上の画像では暗くてフォーカスが合わないので、無影灯を消してフラッシュを炊いて、撮り直しました。出血部はありません。続いて切除へ。上右図は引く方向をマーキングしました。
鑷子(ピンセット)で創縁のマーキング方向に引きながら、メジャーを裏側に差し込んでミリ数を決めます。15㎜としました。上右図では、無影灯を消していては、見にくいので撮り直しました。
今度は皮膚の上にメジャーを載せて創縁から15㎜に当てます。上右図は皮膚上にマーキング。
その線で切開を入れます。続いてその点をキースーチャー, key suture(仮縫合)。続けて切除線を書いたのですが、撮り損ねました。
上左図は、両側分の切除した皮膚&浅皮下脂肪です。上右図は切除した後。
切除部を二層縫合しました。約3.5㎝の創を真皮縫合が12針でピッタリ合わせた後に皮膚上は連続縫合しました。上左図が左側、上右図が右側です。
翌日は血痂を拭き取れば、もう後出血はしていません。
術後1週間で抜糸しました。糸の痕はありますが消えるでしょう。
術後2週間では桃色の線となりました。創縁の幅はゼロです。白くなれば見えなくなります。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の提示です。こめかみリフトはPRP込みで45万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。





























































