先日、ネット上の広告規制が成立しました。これまではインターネット上に医療機関が載せる情報はユーザーが選んで視るものだから、非特定者を相手にしていないし、広告費が掛かっていないとの建前から、広告と見做さないことになっていました。ところがバナー誘導を始めとしてインターネット上に広告的なやり口が横行してきて、しかも画像の改ざんや修正、症例の選択が見られる様になってきたから、これでは患者さんがだまされていることになります。普遍性がなく且つ証明不能な内容、つまり最高とか誰々も絶賛とか書いて、誘引行為といって患者さんを自らの下へ呼び込むためのページがチェーン店系で多く見られます。それに美容医療は誰もが元来同じ顔ではないからどんな治療も誰でもに一様に適応するのではないので、逆に言えば誰にでも効くものなんか無いので、美容医療に広告はふさわしくないと考えられます。
規制の内容は詳しい説明のない写真だけや、患者さんの主観的な体験談などは禁止されます。何回も書いてきましたが、チェーン店には形成外科出身の技術が高い医師が少ないため、広告で患者さんを誘導するしかないし、しかもこう結果の症例だけ選んで掲載し、場合によっては画像修正を加えています。また、医師が書いていないので、症例ごとの詳しい医学的な説明など出来ません。私達は予め契約した症例の記事をすべて、担当医師が詳しい説明を添えて記載しています。但し詳しすぎて読むのが面倒との意見が患者さんからよく聞かれますが、それでも書き続けます。
だから本症例の様に修正手術に到った場合も掲載します。真面目に書いています。恥も外分もなく載せることで症例を選択していない証明です。だからむしろ、たまにはお直しの症例を載せないといけないと考えています。もちろんたまにしかありません。
数か月前に切開法の眼瞼下垂手術と重瞼術に目頭切開=蒙古襞の拘縮解除術を併施した患者さんです。 ある日突然こうなりました。
あわてて埋没法を追加しました。
術直後の近接画像は疲れているのか?痛いのか?開いてくれません。下に術後1週間の画像。
ちゃんと挙がりましたが、やや強く入っています。緩みを計算してのことです。
さらに1週間経て術後2週間です。
まだ少し広いです。まだ強く引き込まれていますが、かなり対称化してきました。少なくとも左のラインはクッキリしています。じゃあ右は?、なんてことは考えないでおきます。人目には目立つ異常感は与えないと思います。
今回さらに2週間経て
完成を宣しました。ちなみに目頭の傷跡はメイクしていればまったく判りません。
重瞼術および眼瞼下垂手術(黒目整形)の切開法を目頭切開=蒙古襞の拘縮解除術をZ-形成法で施行した患者さんですが、切開法の重瞼術が浅くなったり外れたりするのは久し振りで稀です。いつも切開法のブログ提示を載せてますが、切開法は外れない筈です。尚、切開して止めないでも重瞼になると間違った認識を持ち続けている医者が未だにいます。特にチェーン店系での手術の後に来院されます。たまにそこからやり直しに来ます。
二重瞼は眼瞼挙筋の挙上力が皮膚にも伝達する構造です。埋没法は糸で繋いで伝達しますが、糸は皮膚の裏に引っ掛かっているだけなので抜けてしまうことがあります。私は外れた人に切開法をして確認した症例を沢山経験しましたが、決して糸が切れたりほどけたりはしていません。外れるということです。 切開法では挙筋と皮膚の間に瘢痕を作って伝達させるのですが、瘢痕が出来上がるのに最低3か月は掛かります。だから最初に糸で繋いでそこに瘢痕が出来るのを待ちます。
以前は私も結び方が今と違い、ほどけることがありましたが、現在結び方を改良し、コマ結びにしてからはほどけません。但し長さが合っていないと緩み落ちます。 本症例はたぶん繋ぐ糸の長さが長かったのでたわんだのでしょう。その証拠に浅くてもラインはあります。だから瘢痕が出来上がる前にずるずる落ちてきたのだと考えられます。
とにかく埋没法で繋いで今からでも瘢痕が形成されるのを期待しましょう。 だからもう何回か見ていきます。今後とも【瘢痕が出来上がる3か月】までは経過を診ていきたいと思います。