2018 . 6 . 13

眼瞼手術で、子供っぽさから大人顔に!

この数ヶ月は眼瞼の症例提示が多かった様ですが数えてみるとやはり口周りの方が多かった様です。ところがこの数週間は眼瞼手術の経過観察の画像が多くなりました。日程的な巡り合わせです。術前から、デザイン画、術直後、術後1週間の画像では変化は判るけれど、切開手術ではまだダウンタイム中です。完成は3か月としています。このところその時期の画像を載せたブログを沢山書きましたから、それを見てラインする患者さんが引っ切り無しです。今回も見事な結果で魅せています。

症例は、32歳女性。先天性一重瞼。アイプチしても二重にはならない。LF, Levator Function,挙筋筋力または滑動距離:瞼縁が閉瞼から最上方視まで動く距離は13mmと正常下限。皮膚は第一眼位(顔面正立位で正面視時)で瞼縁に被さり、見かけ上のMRD(瞼縁から角膜中心の距離)=2.5mmと開瞼不足。代償的に前頭筋が収縮して眉を挙げて目を開いている。つまり皮膚性眼瞼下垂に挙筋成長不足による筋性眼瞼下垂が併存している。

角膜中心間距離=眼球の位置(平均値60):58mmと眼球は離れていないのに、眼裂横径(二重まぶたでは平均26.5mm):24mm、内眼角間距離(二重まぶたでは平均33mm):37mmと目の間は離れ横が小さい。つまり一重瞼で眼瞼下垂に伴う、典型的な蒙古襞の拘縮が併存していて水かき状です。この形態は開瞼機能の阻害要因になっています。

デザインは中間のライン=座位で中央で瞼縁から5mm高。眉を挙げ続けているので皮膚が伸びているため幅3mm切除を要します。蒙古襞は一重瞼の平均を二重瞼の平均に変えるために3mm寄せる為にいつもの様に一辺4mm60度のZ-形成を行います。術前の画像が上記の形態と機能を表しています。

IMG_1002術前は前頭筋収縮で眉が大きく挙がっています。

上記のデザインは上図の開閉瞼画像で判ります。下にZ−形成法の模式図。

DSC_0077左眼瞼部の小さなデザインを紙上で説明します。上左画と同じに患者さんの左眼瞼の目頭部の蒙古襞の稜線にに4mmのab線、下眼瞼にbd線、上眼瞼の切開幅の頭にac線をデザインしました。二つの正三角形を弁状に観音開きに持ち上げて上右図の如く入れ替えると、abがa’b’に、cdがc’d’になります。計算上a4mmのabがa’b’は√3≒1.73倍つまり約7mmになります。同時に約7mmのcdが1/√3となり4mmになります。蒙古襞の拘縮(突っ張り)が伸びて突っ張りがなくなり、蒙古襞の横方向の被さりも3mm減り、皮膚は表と裏にあるので1.5m)退きます。両側で3mmです。しかも目頭の角度も上左図の如く、下向きのabdが上方移動し横向きになります。目頭の位置が変わります。

下の術後画像を見ると!。術直後と術後1週間の画像を並べます。

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術直後は既に腫脹と内出血ですごいですが、見て下さい!。紙上の幾何学的な理論通りの変化をしています。目頭の位置が上方移動して、横向きになり、蒙古襞の突っ張りが解消した結果眼瞼もよく開いていますし重瞼もくっきりしています。画像上の計測値で、眼裂横径は片側約1.5㎜、両側で約3㎜拡大した結果、内眼角間は34mmと二重瞼の標準値となりました。蒙古襞の皮膚の稜線に沿った延長距離は測れませんが、術前の蒙古襞は下眼瞼に付着して弧状に眼瞼に突っ張っているのに対して、距離が延長すると丸くなります。その結果目頭の下向きから横向きになりました。下の近接像を見るとよく判ります。

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術後3週間で写真を戴きました。

IMG_1474IMG_1473IMG_2173左図は術後6週間です。なーんかパッチリ度が上がりました。アイメイクを綺麗にして来られたからかも知れません。睫毛エクステンションもされました。カラコンも効いています。撮影時には随意的に開瞼をして下さったのかも知れませんが、眼瞼の手術の結果として自信が付いて、装うことの楽しさも増したのでしょう。当方と致しましても、副次的効果(副作用ではありません.)ですから嬉しい限りです。敢えて考察すれば、術前は子供っぽかったと書いた目元が大人っぽくなり、その上に綺麗に見せる内面的変化をもたらしたと考えられます。外面性が内面性に影響する好症例と言えます。

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近接画像で術前と術後3週間と術後6週間を比較してみるとよく判ります。眼瞼縁と眉の位置に注目して下さい。術前の距離が術後3週間では経過が落ち着いていて半分以下に、つまり前頭筋を使わずに目を開いています。私が「眉の位置!」と言い募るので挙げないで映ってくれたのでしょう。でも、表情として眉は少し挙がっていた方が優しい印象だし、明るい。術後6週間では意識してか自信が着いたのか目を大きく開く動作で写って下さいました。

何回も書きましたが、一重瞼は先天性異常です。そして東アジアには一重瞼が蔓延しました。日本人は二重瞼の遺伝子を持つ南方系(いわゆる縄文人系)と、一重瞼の遺伝子を持つモンゴル系(いわゆる弥生人系)が混ざっていますから二重瞼の人と一重瞼の人が約半数ずつ存在します。

そして蒙古襞は一重瞼の遺伝子と同座にあると言われています。日本人は二元説と言って二重瞼の縄文系と一重瞼の弥生系が混ざっているので、二重瞼の人でも被さりと拘縮は軽いなりに蒙古襞があります。蒙古襞がないと日本民族ではないと言えます。でも、一重瞼の人と二重瞼の人は明らかに平均値な差があります。その差は3mmですから、重瞼術をする際には一辺4mm60度のZ-形成法で治す方が自然な形態を作れます。蒙古襞の拘縮は開瞼機能の阻害要因にもなっていますから、眼瞼下垂手術に併施すると効果が倍増します。

結果はまだ完成ではありません。腫脹軽快には最低2週間かかりました。内出血も一度起きると吸収に2週間かかりました。開瞼過剰が落ち着くのにも2週間程度は掛かりました。目頭の開きすぎは糸のためでありますから、抜糸後軽快してきました。それに目頭部はケロイドもどき=肥厚性瘢痕が起きやすく、その時期は術後3週間です。本症例では軽度ですが、術後6週間までは増悪する可能性があります。そして術後6週間で診ると、少なくとも悪化していませんでした。もう軽快へ向かっています。こうなれば、アイメイクをして何も無かったかの様に社会復帰が可能です。診察時には楽しそうに魅せて下さり、可愛く装ってニコニコして帰りました。

術後3ヶ月の「完成!」を楽しみにしましょう!。本年6月からは術後経過の画像と説明を1シリーズのブログに足して行って更新することにしました。下記の説明を、経過ごとに書き加えると読むのが鬱陶しくなるからです。ですから下に術後3ヶ月の画像を追加します。

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カラコンしないで(術後6週間は装用)目を見開いて写りました。所謂ビックリ目です。そうしてくださいました。実は丁度良く開いています。術後3ヶ月の画像を見れば判ります。目頭の位置と形も二重瞼の自然な形態です。

今回眼瞼の手術の画像なのに斜位像が撮られていました。結果的に視線が下方を向くので開きすぎていない画像が得られました。

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とにかく、目がパッチリ開いて、アイメイクも綺麗に引いて、子供顔から大人目になりました。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。