最近症例がいっそう増えています。口元の手術を毎日しています。他の眼瞼や鼻の手術やリフトの手術は糸だけでも入りません。当院は手術時間を３時間４５分しか設定出来ないので、白唇部短縮術＋口角挙上術は日に一例しか受けられません。対して白唇部短縮術単独は日に二例出来ます。こうして週に７例の口元の手術をした事もあります。その中でも特に結果が可愛い症例です。実はどの症例も可愛くして、どの症例も悦びますが、本症例は特に悦んでいました。
そして今回は時間と費用の関係で他院での目頭切開の修正術をその２週間後に行ないました。これからは全顔面を提示して、口元と眼瞼の経過を同時進行で見ていきましょう。
症例は３４歳、女性。本年６月に来院。眼瞼の相談から入った。１０年前他医(実は大学形成外科医局の同期生)で目頭切開と切開重瞼術を受けた。重瞼が広いためその後他院で狭くした。襞のツッパリが縦に残る。目頭が下向きで襞が縦にある。一辺４ｍｍのＺで治せると考えた。９月に再来。やはり目頭の造られた様な(患者さんは整形っぽいと言う)縦の襞は目立つ。ただし内眼角間が離れていないので一辺３ｍｍのＺ形成が適応と考えた。内眼角間３１㎜、眼裂横径２９㎜、角膜中心間５８㎜と距離は無いが、蒙古襞のツッパリは目立つ。目頭が下向きで吊り目の形態になっている。こちらの問題は患者さんにとって懸案となっていた。
話しが口周りに移りました。外鼻は軟骨移植で高く鼻スジが通っている。昨年下顎Ｖ字切除し下顎は短くなった。その結果上口唇の人中部白唇長２１ｍｍが目立つ様になった。
ここからは先行する口周り治療の為の診察です。上顔面(生え際〜眉下)８０㎜：中顔面(眉下〜鼻下)５７㎜：下顔面(鼻下〜頤尖)６７㎜と下顔面が長い。下顔面の中で上口唇(白唇＋赤唇)２８㎜：下口唇(赤唇〜頤尖)３９㎜で黄金分割比の５：８に合わせると上が４㎜長い。６ｍｍ切除し、口輪筋を折り畳んで確実に外反させたい。人中と弓もなだらかなので縫合時に両側の人中部をずらして１ｍｍ寄せる。口角は３２：４５なので４５度６ｍｍ挙げたい。
９月に再来し確認。やはり目頭の蒙古襞は目立つが迷っている。上口唇は６ｍｍ切除し、人中とCupidの弓を強調する為に寄せる幅を１．２５ｍｍに増やした。
１１月に入って上口唇短縮術単独で行なう事となりました。口角は下がり具合を診て考えましょう。余り下がらないのでは無いかとも予想した。
その後他院での目頭切開の修正術も施行したいと訴えられ、それならこれからは全顔面提示を承諾された。検討(計算)の結果一辺３．５ｍｍのＺ形成なら可能と考えました。
まずは上口唇短縮術の術前と術直後の各方向の画像から載せます。
ご覧の様に術前から口角を挙げる表情が上手です。だから口角挙上術は見合わせました。ただし手術直後は口角挙上筋群にも、麻酔が効いていて挙げられませんから、相対的に下がっています。
下に近接画像。
創は丁寧に縫合しました。
下には左から、術前の右側面像、左斜位像。術直後の側面像、斜位像。
一目見て長く、歯槽骨が両サイドまで前突している為に上白唇全体がモッコリ膨らんでいたのが、短縮するとすっきりする典型例です。さらに口角を挙げる癖はいいのですが、横にも引くので、赤唇縁の弓型がなだらかになってしまっていました。
人中稜の縫合時に上の辺の真下の下の辺より１．２５㎜外側の点を掬って真皮縫合しますと、人中部の幅が両側で２．５㎜狭くなりその結果弓も急峻になります。この技は誰もに適応な訳ではなく、診察とシミュレーションの結果での診断によりデザインする事が重要です。今のところ、他院でこの方法を駆使して作った症例は診た事がありませんし、ネットで紹介もされていません。間違いなく私のオリジナルです。
でも、人中と弓の形成術を行なった症例の結果は見事です。赤唇縁がはっきりして唇のセクシー度満点です。人中も狭く、深くなってしかもハの時になり白唇らしさが強調されます。この何年間も、いろいろな美人の口唇を視て来て気が付いたのですが、唇らしい方が綺麗で表情が豊かです。唇ナンバーワンのI.S.さんもこの様な特徴を魅せています。だからこの手術法を勧めると、皆さん乗って来ます。日常的に女性の顔を観察している私(電車の中や車に乗っていても歩行者に見とれる危ない人)だから見出した方法です。前は目元ばかり観ていたのに、今は口元ばかり見つめます。街中で、人の口元を見つめてばかりいる変な人は私ですが、お許しを！
まだ術直後の画像までです。表情はまだ回復しません。鼻も引っ張られています。口は閉じません。でも必ず、元に復します。その点は口元の手術のベテラン医(単独医で最多症例の口元の手術をして来たと思います。)の私には疑う余地もありません。次回術後１週間の抜糸直後には変遷しているでしょう。お楽しみに！
そして術後１週間で抜糸しました。いつもの如く引っ掻いてしまうので、傷の周囲が赤くなってしまいます。腫脹はかなり軽減しています。弓のカーブも明瞭化してきました。
側面と斜位像でも可愛い口元が見られます。
実はこの時：上白唇短縮術から１週間ですが、目頭切開を希望しました。そしてこのブログを全顔面提示に変える契約になりました。それでは全顔面像を提示します。でも口元手術の術前と術直後の全顔面画像は一枚しかなかったので下に並べます。
まずは今回の目頭切開の術前と術直後
右に術前の眼瞼部
術前の内眼角間は３１ｍｍです。
下には切開後縫合前の開閉近接画像
使いまわしの図の右側と上の右眼瞼は同じ線です。
右は術直後の眼瞼部
理論的に術後の内眼角間は２８ｍになりますが、約１ｍｍ戻り丸くなります。皆さんはこれまでの症例を見れば間違いないと知っていますよね。近接画像で術前と術直後を比べましょう。
術前の目頭は縦に襞を作られていて、どう見ても変！。本当に作られています。患者さんは「整形顔！」と捉えていました。だってそう作られていますから。Z-形成法以外の目頭切開術式は間違いです。ところがサイズの問題として、本症例は内眼角間が３１ｍｍですから寄せる量を最低限にしました。ですが、手術直後は下の皮弁が糸で横に引かれて目頭が尖ります。徐々に丸くなりますし、サイズも離れます。
ある人は虫みたいと言いましたし、本症例患者も尖がっているのを気にしました。もちろん眼の窓の形が吊り目からアーモンド形になりました。いかにも作られた縦の蒙古襞が自然ににあり得る斜めの蒙古襞になりました。
と言っていたら、術後の経過画像を戴けました。今度は「宝塚っぽい！？」と云われました。診ましょう。
手術後４日でだいぶ変わりました。目頭が鋭角的だったのが丸くなり始めました。
私は「宝塚っぽい。」と言われて答えました。「アアっ、あのメイクの感じですね。」後で考えましたが、宝塚は女性が男性の役をするので、男っぽく見せる為に目頭を塗っているのですね。美男子は女性より顔との比率的に眼裂横径が大きく、内眼角間が近いのです。
まだまだ変遷しますから、次回は術後１週間をお楽しみに！
毎回診るごとに目頭の鋭角が丸くなってきています。
内眼角間を計ると、３１ｍｍで変わりません。今回の手術デザインは１０年前に作成された蒙古襞の縦の拘縮を無くす手術です。これがセーケーぽかったのです。内眼角間距離は蒙古襞が無い場合は目頭の涙湖(赤肉)の距離を測ります。蒙古襞があり涙湖が隠れている場合には、蒙古襞の再内点間を計ります。本症例の術前は蒙古襞が涙湖の先端を隠していて距離は３１ｍｍでしたが、術後蒙古襞の被さりが取れても丁度涙湖が露出しただけなので距離は変わりません。ただ蒙古襞の縦の拘縮と被さりが無くなっただけです。ただしＺ－形成の傷跡が目頭の内側にあり、まだ赤い線なのであたかもここが目頭に見えています。だからあたかも宝塚メイクをしたかの様に見えるのです。傷跡は白くなります。しかも重瞼線の延長線上に一致していますから、これは宝塚メイクに見えなくなります。時間の問題です。
下には口周り手術後約１か月です。傷跡の赤さが減ってきました。幅はありません。
側面像と斜位像は可愛いです。
下には口周り手術後約１．５か月と眼瞼(目頭)手術後１か月の画像。
目頭の形は尖がっていなくなってきましたが、傷痕の拘縮が起きている時期なのでまだ直線的で角があります。必ず丸くなっていくのはこれまでの症例を診て行けば自明です。少なくとも縦に蒙古襞もどきのツッパリがあるより綺麗でセーケーっぽくないでしょ？
目頭の経過は意外と長いので次回をお楽しみに。口周りもまだまだ傷跡が目立たなくなります。
目頭切開は落ち着きました。
術前には目頭部に前回の手術で形成された蒙古襞様の縦のツッパリが診られましたが、今回の手術で自然な形になりました。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
口唇手術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2～４週間程度かかります。・手術後２週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、２週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後１週間（抜糸まで）は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。眼瞼手術の施術のリスク・副作用について：・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、２週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後１週間（抜糸まで）は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
本年６月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は２８万円＋消費税。目頭切開手術は眼瞼下垂手術の効果もあるのですが、現時点では保険診療は適用されません。２８万円＋消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として今回は前顔面提示ですから、４０％オフです。
