2016 . 6 . 17

先日のJAASで実演手術させてもらった症例の患者さんに提示をお願いしました。リフトの症例

JAASでのライブ手術の症例患者さんの提示を承諾いただきました。当日の流れを追って載せます。

まずは午前中に講義というか手術の説明をします。みなさんご存知のことと思いますが、今回は池田先生が急病のため私が代演することとなったので、これまでの症例の準備等も間に合わなくて、講演での症例供覧は2例しかありませんでしたし、詳しい学術的考察も用意できませんでしたので、15分だけでした。

_DSC4605

_DSC4646_DSC4744

まずは手術前と手術直後の画像を並べます。効果はいかがでしょう。

_DSC4638_DSC4687

午後にクリニックに移動し、デザインから始めます。今回はこめかみを1センチ幅切除するリフト。同時にJ-コグを挿入し、さらに鼻唇溝の外側の超音波脂肪吸引を加えます。

_DSC4690_DSC4703

上左図はペンでの切開線のマーキング中。私は右手にペンを、左手にルーラー(ただの金属性定規)を持っていますが、ほとんどどの手術でも、こうしてDesign;デザインします。ちなみにデザインというと笑う患者さんがいますが、人間相手でもデザインです。英和辞典を診てください。designとは、計画、作図いろいろな訳があります。余計なことですが、陰謀という意味もあるようです。手術は違います。上右図で切開から開始しました。後は剥離して縫合して、スレッド(J-コグ)を挿入します。

 

_DSC4709超音波脂肪吸引中です。

_DSC4646_DSC4744

再び、術前術直後の比較像ですが、はっきり挙がった効果が見られるわけではないのですが、良く見ると鼻唇溝(法令線とは、人相学の用語です。)の角度が変わっています。術後には鼻唇溝が拡がっています。鼻唇溝がすぼまっているとやつれて見えるのです。拡がっていると笑っているように見え明るくなります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして、1週間後に抜糸した際にJowl Liftを追加するを提案しておきました。ライブ手術の際には、こめかみを引き上げて、鼻唇溝を挙げたのですが、患者さんとしてはやはり、下顎のラインもきれいにしたい希望がふつふつと湧いてきたのです。

Jowlとは、下顎のラインの垂れ下がりを言います。普通の英語です。USAの美容外科ではJowl Liftはよく載っています。英和辞典を引くと、(動物の)頬の下のあごのたるみと訳されています。’動物の’は余計なのですが、’豚の’が典型とも書いてある辞書もあります。私はブルドッグと言えば判りやすいので、時折り使います。Jowl Liftは耳の前に引き上げるしかないのです。そう、よく患者さんが診察室で鏡を見て「こうしたいのよ!」と自己シミュレーションしてみせるやつです。でも耳の前でフェイスリフトしてもJowlは遠いので後戻りします。今回の3Dリフトは、直接糸がJowlにかかるのでよく挙がります。上の画像で見ると、マリオネットラインの影がほとんど消えていますよね。

本症例も、できれば経過をお見せしていきたいのですが、それより年単位のJAASでのフォローアップに参加協力して頂けると勉強になると思います。