このブログを見てきた皆さんなら、お気づきになっているでしょう。昨年6月からブログの内容は手術日の画像に経過中の画像を積み重ねていって更新しています。そして術後3か月の際にはそれをコピペして3か月の期間を魅せています。そうするといい経過と治せるポイントも提示できるから読者のみなさんにも参考価値が高いと思います。今回は経過良好ですが、今後の治療も継続していきたい患者さんです。顔面の容貌はバランスが重要ですから、終わらないのです。それに、年齢を重ねるとまた修正したくなります。こう看ていくと、私が依存症にさせているような懸念を持たれるかも知れませんが、そうではありません。患者さんの全人格と特性,Talentを高めるために私はコンサルテーションをして、治療をしているのです。
本症例は、一目見て適応だと判るでしょう。美容医療に於いては、数字的にどうこう以前に見た目での診察は重要です。私も来院した患者さんを計る前に「ナゲェーっすねえ!。」と言ってしまうことがあります。もちろん即座に計って告げます。そして私が「任せて下さい。傷跡は日本一目立たなくなる様に丁寧に縫合しますよ!。」と言えば、患者さんも立ち直ってニコニコして「お願いします。」とか、「だから沢山縮めて欲しい。」とか訴えます。私は「原則5mm以下にしましょう。傷跡が拡がらないで目立たなく保てるだけでなく、拡がればその分後戻りする訳ですからね。」と言って薦めます。《丁寧に!》が鍵です。
その際口角挙上術を二次的にするなら、時間的に予定を立てやすく、また専念できるのでより丁寧になるのかというとそうとも言い切れません。私は美しい形態的を作り上げるすることしか目的としません。あくまでもひとつひとつステップを踏んで経過をみながら進めていきたいという、患者さんの希望に沿います。もちろん口唇の形態、位置は個体差が大きく、人中部主体の白唇短縮術だけでそんなにもっとも無くはないか、やっぱり口角挙上術を併施した方がいいかは、術前のシミュレーションで見て判断します。今回の症例はどうでしょう?。画像を見ていって、どくしゃの皆さんで評価して下さい。
症例は26歳女性。昨年7月に来院。白唇長18mm。歯牙と咬合は矯正終了。ガミーは治す予定。口角は挙げたい。鼻翼は幅39mmあるので、縮小したい希望。結局白唇部は検討不足となり、再来を待つこととした。9月に再来。歯牙口側矯正の予定を立てたので、白唇部は短縮可能と考えた。鼻翼は鼻尖と同時にしたい希望(相対的に鼻尖が大きくなるとみっとも無い時期が出来る)。口角挙上術をすると、最低術後3週間は歯科治療が受けられないので見合わせたい。
サイズを計るまでもなく上白唇が長く、しかも画像で見られる様にE-ラインは口が出ていないのに、歯牙の位置からして閉じる際に上口唇が被さるからもったり感(膨隆感)が強いタイプ。上口唇を短くすれば可愛くなるに決まっている口周りであるのは間違いないと考えました。
術直前に、手術プランをもう一度話し合いました。無理しないで4mm切除。当然に外反=C-カールは作りたい。人中と弓もはっきりして口元の表情を豊かにしたい症例。鼻柱基部を縫合する際に、白唇を両側1mmずつ寄せて人中を深く、Cupid’s bow 赤唇縁の弓(山)の形をはっきりさせようと一致しました。
今回はまず、各方向の術前術直後の画像を比べる為に並べます。
正面像では短縮効果は明らかです。術後の口唇は可愛いです。もちろん口は閉じませんし、鼻翼はおっぴろがっています。必ず元の位置に戻っていきます。
白唇が内反から外反になって、それに人中がはっきりして、赤唇の弓もらしくなりました。
近接画像でデザインを診ましょう。鼻の孔の底にはNostril sillと言う土手状の膨らみがあります。これがあるから鼻の孔の底は見えないのです。鼻の孔の中は粘膜なので、黒く見えますが、土手の向こう側は隠れて半円は見えません。だからもし土手を切除すると、鼻の孔の底全部が丸見えになりみっともないのです。だから、私は切除線のデザインを鼻孔内に迂回しません。それに、どうせ鼻翼の周囲と鼻柱の下の創はあるのですから。要は丁寧に縫合すれば目立たなくなります。この部分はビジネスクリニックと違います。
上には、左から術前の右側面、左斜位。術直後の右側面、左斜位。直後でもそりゃあ可愛くなっています。口元の手術は切除すると明らかな改善が為されるので、喜ばれます。
そして術後1週間で抜糸しました。
いつものことで、抜糸時に引っ掻いてしまうので、傷の線が赤くなります。
すっきりしました。傷跡はまだ目立ちます。口は閉じます。鼻はまだ引っ張られていますが、半分戻りました。でも経過が早い症例です。
術後1か月で診せてもらいました。
鼻の位置はかなり戻ってきました。口も隙間が減りました。そんなに力を入れないでもいいそうです。頤が前にあるので、下口唇を挙げても梅干しになりません。
今回まずい事が起きたそうです。1週間ほど前に左鼻翼の横を誰かに引っ張られたそうで、出血もしたそうです。
診ると痂疲が付着して,血痂も付いている。除去すると、真皮縫合らしき突起を触れるようになった。でも引っ張っても取れない。
診察時ダーモスコープで見ると、真皮縫合らしき糸が見えました。でも今取ると傷跡が拡がるので撮らないで置いた方が良いと考えました。真皮縫合糸は吸収糸で約3か月でいなくなりますから、様子診ることにしました。凹凸も解消するでしょう。
こうして術後3か月がやって参りました。糸の露出はありません。術前の画像と比較しましょう。
上左が術前、上右が術後3か月。まず正面像を比較しましょう。鼻の下は白唇です。すっきりしました。C-カールも出来ました。人中は溝ですが、下方は人中窩と言って深く、そのあたりだけが残りますからきれいです。弓は綺麗です。赤唇が露出して可愛いでしょ?。術前と現時点で、鼻の位置は幅は変わりませんが、鼻翼と鼻柱の高さの関係は術前から鼻唇角が喰いこんでいたのが気になります。ちなみに傷跡はまだ赤い線で一部に幅が見られます。肥厚は軽度で気になりませんが、もう少し待ってステロイドの局注を検討します。
近接像で左から、術前デザイン、術直後、術後3か月の順。鼻翼幅はちゃんと戻ります。高さも変わりません。見て判るようにデザインの分すっきりしました。ところで口角は前より少し下がりましたが、患者さんは挙げる癖があるので見えません。
上の列に術前の右側面、左斜位。術直後の右側面、左斜位。下の列は左から、術後3か月の右側面、左斜位、右斜位、左側面の順。
やはり撮影時は下口唇を挙げて口を閉じます。したがって前突の歯牙にかぶせる為に下口唇が前に出ます。でも長い白唇が前歯に被さる為にモッコリと前突しているよりずっと綺麗で、締まりがあります。その様な訳で締まりがあるから口角も下がって見えないのです。
当初より鼻柱が上にあります。プロテーシスか耳介軟骨3枚重ね(一枚約1mm×3=3mm)が適応です。これは白唇短縮術後3か月経たので可能です。鼻尖や鼻翼の修正はまだ先になります。Gummy Smileはこれから検討するそうです。
ところで傷跡の発赤は指摘されないそうです。軽いメイクで隠せるのです。わずかに肥厚性瘢痕は見えます・・。リザベン内服は面倒です。もう一か月後に診せてくれることになりました。その際ステロイドの局所注射を検討します。その際にまたいろいろな計画を立てましょう!。つまりこの板は続きます。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
手術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明を加えなければなりません。今回予め載せます。上口唇短縮術は28万円+消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。