目頭の蒙古襞の狗縮解除の為のZ−形成術が、流行り始めました。最近手術の名称を目頭切開と言わずに目頭(Z)形成術と呼んでいます。私が最多症例の口周りの手術を誇る美容形成外科医として、SNS上で評判を得ていると同時に、目頭切開の分野でも画像提示して来たら、Z−形成術の優位性が患者さんに於いてにわかに認識されて来たのでしょう。最近口周りと同時にする患者さんも発生しています。時間的に可能です。また目頭形成の適応症例は我国には多いからでしょう。
とはいっても手術の適応とデザインは、症例をよく診察して正しい診断の下に行ないます。その上で通常はZ−形成法を行ないます。もちろんデザインのサイズは計測の下に決めます。東アジア人のほとんど、日本人のの中の大多数は蒙古襞を持っています。最近遺伝学で判った事ですが、日本人の大多数は30代前までに天皇家と繫がっているそうです。彼等渡来系弥生人が蒙古襞の遺伝子をシベリヤからモンゴル(蒙古)、朝鮮半島を経て輸入したと考えられています。だから日本人は皆、大なり小なり蒙古襞を持っています。ただし日本人は蒙古を経ないで来た南方系と北東アジア人の混血ですから、蒙古襞遺伝子の薄い人は蒙古襞が軽いのです。つまり程度に差があります。
蒙古襞の程度とは、診断基準があります。一重瞼の遺伝子はモンゴル系ですから蒙古襞の遺伝子と同座にあります。ですから一重瞼の人の蒙古襞と二重瞼の人の蒙古襞の程度は差があります。その根拠は内眼角間(目頭の間)距離に平均値で3㎜の差があるからです。私は少なくとも20年前から、眼瞼の診療に来院した患者ささんに限らず、ほとんどの患者さんの内眼角間:眼裂横径:角膜中心間距離を測って来ました。そして統計的に蒙古襞の程度を数字的に見出しました。尚目が離れているか近いかで内眼角間距離が変わるので、眼球の距離を角膜中心間距離で計り更正しています。
上に書いた様に内眼角間距離で3㎜の差が蒙古襞の被さりです。二重瞼にするならまたは二重瞼の人では3㎜寄せた方が形態的バランスが自然になります。そして蒙古襞は被さりが狗縮(突っ張り)を起こします。だから理論的にZ−形成術が適切です。決して切り取ってはいけません。皆さん非形成外科医に騙されないで下さい。外人顔にしたくて沢山切り取る症例は否定はしませんが、もちろん不自然な目元になります。
本症例は先天性に所謂奥二重です。奥二重とは、第一眼位でギリギリ瞼縁が露出している状態です。末広型の二重をこう呼ぶのではありません。ただし奥二重で蒙古襞が強く突っ張っていると不自然な形態です。
症例は21歳女性。内眼角間35mmだが蒙古襞の拘縮は強く、縦に突っ張っている。眼裂内で内外の白目(眼球結膜)の露出する面積が圧倒的に外が多く寄り目状態に見える。吊り目っぽいのはよいとしても小児に見えて不自然。数字的に一辺4mmのZー形成術のの適応と考えられる。
画像を診ましょう。下に術前の眼瞼部。
術前のデザインを開閉で上右図は近接してみましたが、上の辺しか見えません。
いつもの図です。左側の線画が上右図の左眼瞼(向かって右)に書いてあります。ac辺が見えます。ab辺は良く見れば蒙古襞の稜線にあります。bd辺は蒙古襞が下眼瞼に付着している点から外側に向かって書いてあります。本症例では一辺4mmです。
術直後の画像です。直後は引っ張られています。上の右の線画が左眼瞼(向かって右)の創です。近接像でもう一度説明します。
下に近接画像の術前と術直後。
目頭だけの手術でも腫脹(腫れ)は生じますから、二重が狭くなって見えます。上の近接画像の左眼瞼(右図)の創が線画の右図と同じです。a’c’辺は目頭の角の上の創線、c’d’辺は目頭の角のしたの創線で開くと引っ張られて斜めになります。これが目頭狗縮解除の効果です。d’b’辺は下眼瞼にある創線です。白くなれば見えません。
一辺4㎜でデザインすると線画にある4㎜のab辺は7㎜a’b’の距離になり狗縮(突っ張り)が伸びます。そして7㎜の距離のcdは蒙古襞の被さり分で4㎜のc’d’辺になり3㎜被さりが減ります。蒙古襞は皮膚が表と裏にあるので理論上3÷2=1.5㎜目頭が動きます。実物の画像でその様な形態的変化が見られます。測ってみるとデザイン通りの計算通りの計測値の変化が確かめられますが、ならば画像にメジャーを当てて撮れば証明出来たのにね!。
下には術後1週間で抜糸直後。
抜糸後はメイクで隠せます。そもそも残した蒙古襞に隠れて目頭部の傷跡は見えなくなります。この手術法は蒙古襞を完全切除する手術法ではなく、蒙古襞の狗縮を和らげる手術ですから、蒙古襞は半分程度残ります。上に書いた様に日本では蒙古襞が無いと日本人と見られません。日本人の顔には不自然に見えます。あくまでも平均的な二重瞼の人の蒙古襞にするだけです。
術後1ヶ月です。
目頭の形は自然です。傷跡はもっと目立たなくなります。重瞼はどうしましょう。今後経過観察中に相談していきます。
術後3ヶ月で画像を頂きました。私は診察できなかったので、患者さんのコメントはいただいていません。も一度来院されるそうです。
よく開いていますが重瞼とのバランスはどうでしょう?。だから申し訳ないですがもう一度診察したいと思います。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。