本症例と近傍の症例は、私が夏休みを取ったために術後2週間は掲示しませんでした。ごめんなさい。だから逆に術前から術直後。その後の変遷を一気に掲載します。術後早期の経時的変化の理解に役立つでしょう。本ブログは広告ではありますが、読者の皆さんに手術後の経過を追って見せて、典型例や、何らかの原因での術後経過のバリエーションも知って置いてもらいたいからです。
本症例は、患者さんが乗り気で、いろいろな点で理解も深く、「森川先生にしてもらえて幸せです!」とか持ち上げてれる女性です。「日本一上手な先生だと評判ですから嬉しいです。」とも言います。ありがたいお言葉です。
こうしてブログ上で、画像を掲示的に掲載し見事な最終結果を載せてきました。細かく詳しく説明して、精密なバリエーションにも対応して、個々の患者さんにあった手術を見せてきたからでしょう。約半数の症例はモニターでブログ掲載されています。
でも実は、ただ上手な訳ではありません。ひたすら丁寧なのです。これが本来美容形成外科医の取るべき姿勢です。その姿勢とは真面目に時間をかけて診察も手術も手を抜かないことです。医療はほとんどブラックボックスですから、縫合手術で真皮縫合を少なくしても、Dog ear修正をしなくて済むように切開の長さを短くしても患者さんは知り得ません。
特に、短時間で終わる方が上手そうに見えても、中長期的結果は低劣です。富士山型にされたり、傷跡の幅が出たり、鼻の中が見える様になったりとひどいものです。数ヶ月後に気附く頃には文句を言ってもうやむやにされるそうです。Sクリニックで上口唇の手術を受けて数ヶ月後に後戻りして、私を訪ねて当院にかかる患者さんの多くが、その様に私に述べます。実は私、Sクリニックの医師にその話を聴いたんです。
症例は32歳女性。いきなり肌の診察から入りました。顔の話に行くと、下顔面の大きさが気になるそう。でも下顎ラインの骨は大きくない。二重あごは頤があり隠れている。頤の両サイドにわずかに緩みがある。Neck Liftの適応ではあり、戻りが少ないことを説明しておいた。
8年前O美容外科で白唇短縮術を受けた。アヒル口を求めたら結果的に富士山型になった。現在人中部で16㎜。鼻翼下に余白が残る。みたところ人中部を多めに取られた模様です。人中部3㎜。鼻翼下5㎜切除のデザインを予定してシミュレーションしてみると良さそうな形が予想された。
顔面横部品を計測すると、内眼角間37㎜:鼻翼幅37㎜:口唇幅48㎜で、計算上も富士山型を解消するためにも、口角は45度方向に6㎜引き上げる予定とした。静脈麻酔を希望された。
術直前に診察し再確認します。人中部3.5㎜切除と鼻翼下5.5㎜に切除追加したい。もちろん富士山型を解消したいからです。人中部は幅広で浅く、Cupidの弓はカーブははっきりしているが幅が広い。口唇結節が少ないつまりアヒルっぽくない。人中部の縫合時に両側で1㎜ずつ寄せて明瞭化するプランとした。
まずは術前と術直後の画像を方向別に並べます。
上に正面像の術前と術直後。鼻は一度両側と下に引かれます。必ず元の位置に復します。
上に近接像の術前、デザイン後、術直後。デザイン通りに変化します。
右斜位像と左側面像の術前と術直後。静脈麻酔だと手術直後にはすでに腫脹が強くなります。白唇が極度に外反しています。赤唇まで腫脹で厚くなりすぎています。
下には術後1週間での部分抜糸後の画像です。
激しい腫脹をていしましたが、1週間で50%程度間で軽減しています。形も見えてきます。静脈麻酔だと術中の出血が少ないため術後の内出血も少ないです。
形ですが、富士山型の解消程度はまだこれからです。何より口角の位置が可愛く、笑顔に見えます。人中は深く狭くなりました。Cupidの弓も頂点間が狭くなり唇らしくなりました。上赤唇中央の膨らみ=口唇結節は前にだけでなく下にも出来ます。
まだ腫脹が残りますから、白唇は前傾が強く、赤唇が出過ぎています。ダウンタイム中です。でもE-ラインが口より前にあるので、品があります。
今回は術後1週間迄の画像提示でした。実は本症例は2度目の切除ですから、鼻翼の付け根の傷が長くなり、Dog Earが起きる可能性があるため、皮膚縫合(外縫い)でつじつまあわせをしました。したがって鼻翼横の糸だけ抜糸しないで残しました。でも糸は透明だから見えないでしょう?。実は上に書いた様に私は夏休みを頂いていたので他の医師に抜糸してもらいましたのですが、ちゃんと残したのか心配になり何人かのスタッフに聞き回りました。多分術後2週間で私にかかることになっているそうです。ということはその節にも画像を戴けます。お楽しみに!
術後2週間で鼻翼の横の抜糸をしました。
術後1週間で全抜糸しないで、鼻翼の横の糸だけ残しました。前回何㎜か切除した際に鼻翼基部から外側は短くし、今回は鼻翼基部の下をたっぷり取り足しましたから、鼻翼の横に余剰ができ得るので、外縫い(皮膚縫合)で合わせました。糸は透明なので見えないそうです。さて抜糸したら、鼻翼横の皮膚の膨隆は最も目立たない症例の一つです。
上口唇はまだ腫脹が35%程度残り赤唇が挙がっています。もちろん丁度よくなり富士山型は解消するデザインです。また人中は狭く普通の深さになり、Cupidの弓も綺麗で唇らしくできました。そして口角を挙上したので可愛い口元が見えてきました。
斜位像でも側面像でも形態が見えてきました。外反がまだオーバーなのは腫脹のためです。鼻の位置も70%程度戻りました。何よりどこから見ても笑顔が素敵な患者さんです。口元がE-ラインより後ろにあるので唇を外反すると可愛いのに品性があります。
次回術後1ヶ月でほとんどダウンタイムを過ぎそうな症例です。生体的に治癒の良好な人でしょう。2度目にしては早そうです。お楽しみに!
こうして術後4週間が参りました。
やはり、創治癒は2回目にしては早い様で傷跡の線の周囲は赤いのですが、これは組織のダメージのためで消えます。赤唇縁のカーブは富士山型ではなくなり、アヒル口になってお喜びです。「唇はちょっと裏返っていた方が可愛いですね?」と、にっこりしていました。
側面像でも斜位増でもE-ラインとの前後関係がいいのでセクシーな中に品が感じられます。さらに患者さんは「こんなによくして下さってて信頼していますから、何人かに伝えましたからくるかもしれませんよ。」ですって、患者さん自身、容貌に自負があるのでしょう。私への信頼が術後経過にも好影響を与えている症例です。
次回術後3ヶ月の経過観察が楽しみな症例です。お楽しみに!。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに必要事項の加筆をしています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えます。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。