2019 . 9 . 19

さすがに白唇短縮術は不要です。比して口角は下がっていますから、挙上術したい。

口角挙上術単独の適応症例は数少ないのですが、計測に依る診断上あり得ます。では患者さんはどうして知り得るか?。ブログを見れば判ります。最近はSNS上に症例が散りばめられています。でも手術法として、横径の改良まで触れている医師は少なく計測も為されていない様です。私の手術術式と適切な診療方針は唯一かも知れません。私に行き当たった人は幸せです。ご覧の様に悦びをもたらします。

症例は29歳女性。昨年末に来院。白唇長13㎜と長くない。一目見て口角だけ下がっている。上下の口唇(赤唇)が接する線を交連線と言います。波を打っていながら中央と両端が同じ高さなら口角が下がっていないと認識されます。当たり前ですが、口角の高さが中央の上口唇結節の高さよりしたなら口角が下がっていると認識されます。内眼角間距離33㎜:鼻翼幅35㎜:口唇横径45㎜で黄金分割比率を適用して計算すると口角は45度方向に5㎜挙上の適応と考えた。顔面幅あるため口角横にして良い。その後電話で手術決定した。

画像をみましょう。

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正面像では口角が下がっています。近接像の撮影時は挙げています。誰でも撮影時にはそういう動きをしますよね。

IMG_6477IMG_6481斜位像や側面像では両顎突で(つまりE-ラインより口が前)、やはりその影響で口角が下がっているのでしょう。

IMG_6482デザインは45度方向に5㎜挙げます。内側は鼻翼下までなだらかに挙げます。

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上列に術直後の画像群。巧く挙がっています。両顎突も目立たなくなります。赤唇が白くなっているのは局所麻酔に添加した血管収縮剤の作用です。赤唇縁の位置が不明です。

下列に術翌日の画像群。

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腫脹が亢進します。内出血も出現し白から紫になりました。

IMG_6508IMG_6512右側は内出血が下がりました。重力です

下列に術後1週間で抜糸した直後の画像群。

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内出血は吸収され始めました。腫脹はまだ残ります。開口は3横指まで可能ですが日常的には無理しないで下さいと申し上げておきます。

IMG_6736IMG_6739口角が挙がると口が尖って見えなくなります。

下列に術後2週間の画像群。

IMG_0151IMG_0152IMG_0150IMG_0154患者さんは自分で「メッチャ、可愛い!」と言っています。「創跡もどんどん目立たなくなってきたし。」と見てくれました。私が「横径はどう?。」と訊くと「気にいっています」とお悦び!。45度5㎜だと横方向に5÷√2=3.5㎜拡大し両側で7㎜拡大します。口は始終動くので正確な値は取れないのですが、計算上は52㎜にしました。部分的にしか画像は載せられませんが、確かに顔面とのバランスがよいと思います。

口角挙上術は内出血が高率で起きます。約1週間で紫から黄色くなり始め、約2週間で消失します。その点ではダウンタイムの平均的日時は幅が少ないのです。ところが創跡の経過は症例によりばらつきがあります。口角は動く部位です斜め上に挙げたので、大きく口を開く際や笑う際に下口唇の傷跡がかなり引かれます。創跡の線は縦に引かれると創を付けたコラーゲンが創内で断裂を繰り返すのでしょう。奏すると反応してコラーゲンを過剰に造る様な身体作用があります。こうして肥厚性瘢痕(ケロイドもどき)が生じる可能性があります。でも症例に依っては何も起きません。表情に依る日常的な物理的動きと創傷治癒と言う身体の科学的作用の個体差があると考えられます。

だから口角挙上術こそ、創傷治癒機転の成熟する術後3ヶ月まで見なければなりません。本症例は治りが良さそうです。次回を乞うご期待!

術後1か月が来ました。

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正面像と近接像で形態に満足して嬉しいと仰って下さいました。真皮縫合の点は術後3ヶ月まで待てば消えると申し上げたら、「もちろん知っています。」と気にしていない様子。左口角のしわ状の折れ返りも治るでしょうと申し上げました。

IMG_0522IMG_0526確かに本症例に於いてはE-ラインとの関係でも口角挙上術単独施行の効果が明白です。それは患者さんがよく知っています。次回術後3ヶ月での完成!を視ましょう!

下に術後3ヶ月の画像。

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性的にも動的にも形態が整っています。傷跡は目立ちません。

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口角挙上術の後戻りは計測が難しいので判りません。ですが、元に戻ることはありません。少なくとも一目見て下がっていた口角が”下がっていない”顔になり、印象は向上したのです。口角挙上術単独が適応の人はその意味で好結果が得られます。サイズも適切です。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。