2022 . 1 . 28

さすがに最近、自粛生活が明けてから減った口周りの手術。マスク生活ならまだ出来ます。

標題は矛盾しているかも知れません。もう約2年近くになりますが、昨年の3月以来自粛生活が繰り返されてきました。多くの職域が縮小され、一部はテレワークも奨励されました。付随して対面時にはマスク着用が奨励されました。私ともは医療機関ですから診療を続けましたが、日常的に出掛けにくい風潮ですから、さすがに来院患者さんは減りました。

ところでブログを見直してみたら、私は口周りの手術を5年以上前から行ってきました。主に人中だけでは無い上白唇(鼻の下は白唇,はくしんと読む)短縮術と口角挙上(実際は口角移動)術を併施してきました。本邦で最多の症例数だったと考えられ、昨年学会で統括的発表もしました。この手術ではブログ掲示する所謂モニター症例が多い為、学会提示も容易で最多でした。ところが昨年4月から、相次ぐ緊急事態宣言に影響され、当院でも全体の来院数は減少し、2年前までは売り上げの30%を占めていたインバウンドもなくなりました。

しかし、この2年間のブログに書いた通り、口周りの手術の症例数は減りませんでした。私にとっては、手術時間をかけて、以前よりもさらに丁寧に、綺麗に縫合出来る状況になりました。みなさんもお解りの様に、マスク装用を半ば義務化されているから、口周りの手術のダウンタイムを見せなくて済むからです。さらに実は、リモートワークで知り合いに会わない時間が増えたので、美容医療手術は受けやすかったのです。逆に非観血的美容医療(脱毛やLASER治療等々)はリピートを要するので来院を控えたため、減少傾向だった様です。

そして過日、緊急事態宣言が明けて外出自粛は解けました。美容医療の施設は年々増えていますが、観血的治療を得意、または上手な医者はそんなに産出されるはずがありません。経験と知識がものを言うからです。ところが自粛生活中はスマホやPCでSNSに接する機会が増えています。ここぞとばかりに、美容医療機関は情報と称して宣伝しています。ピンからキリまである美容医療機関がこぞって宣伝するので、私の様に地道にブログで症例の情報を紹介してきた医師は、ネット上では埋没しました。口周りの手術数も70%程度に減りました。ただし受診を控えていた私のリピーター患者さんは戻られてきました。

マスク生活で、ダウンタイム間に口周りをわざわざ隠さなくてもいいので、手術を受けやすいとしても、では結果的に可愛く、均整のとれた顔面のバランスとなったら、他人に誇りたいのは人情でしょう。でも、美容医療は自己満足でも良いと考えます。私は常々「美しさは豊かな精神性に基づき、外面の美しさは内面の美しさをもたらす!。」と唱えて患者さんと接してきました。さらに私の手術後は傷跡も見えなくなり、異常感を呈しませんから、可愛らしさだけを感じてもらえます。周囲の人と接する際に、「なんか可愛くなったわね?!。」とか「優しい感じになった?。」と云われて、術後診察時に、嬉しそうに私に告げる患者さんが多くいます。この方々は時折は誰かに見せるからでしょう。こう書くとまた症例数が増えそうです。

矛盾点は、ダウンタイムをマスクで隠せるから口周りの手術を受け易いのに、誰にも魅せないのでは意味が無いという事ですが、やはり時折見せて、自己の満足感を高めているなら、心の中で豊かさを感じているので、矛盾しませんね!。そうです、豊かさは心の中で精神的に豊かさを齎すのです。目的は経済的に豊かになることではありません。

今回の患者さんは、知性的な雰囲気の優しい雰囲気の患者さんで、医療関係者でマスク生活に慣れているのでしょうが、私に対する期待が高く、安心して手術に臨まれました。結果はこれから掲示していきますが、25%に入る程度軽快が早い症例だた思われます。いつも言う様に、手術前後に精神的に安定している知的な患者さんは経過が早いのです。安心感は自律神経系の影響する身体作用だからです。

症例は38歳女性。人中部の白唇の縦の長さ(鼻柱基部〜Cupidの弓の底)は19㎜と長い。上顔面(額中央の生え際〜眉下)70㎜:中顔面(眉下〜鼻下)58㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)67㎜と下が長く、下顔面の内訳は上口唇(白+赤)26㎜:下口唇(赤〜頤尖)41㎜で黄金比率に近いが長いものは長い。しかも両側頬骨間最大幅が135㎜と面長でなく丸顔なので下顔面だけが冗長感がある。E,Aesthetic-Line(側面像で鼻尖と頤を結ぶ線)よりも口吻が前後しない一直線で、頤もある。上白唇は15㎜以下が適当とされるため、4㎜切除が適応と考える。Cupid’s bow,弓のカーブは綺麗だが、人中稜に幅がある。口唇結節(上赤唇中央の突)の効果を求めて、両側鼻柱基部人中稜と縫合する際に1.25㎜ずつ内側に寄せて縫合するプランを立てた。

顔面横部品の比率は内眼角間32㎜:鼻翼幅39㎜:口唇横径47㎜で黄金比率を適用すると口唇横径は6㎜拡大が適応し、口角の頂点を45度方向に5㎜移動するデザインを予定した。

画像は各方向の術前から術後1週間を並べます。中下顔面の正面像から。

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上左図が術前、上右図がデザイン。手術当日は上記のデザインを確認して描きます。IMG_5698IMG_5851

上左図が術直後、上右図が術後1週間。デザイン通りに口角が移動しています。赤唇は腫脹で厚くなりますが、術後1週間で可愛い笑顔になります。

下列に近接画像です。

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術前とデザイン後。手術では、両側鼻柱基部と人中稜を真皮縫合する際に、人中側に1.25㎜外側に糸を掛けると人中を狭く出来て、赤唇縁の弓のカーブは両側の弓の頂点が高くはっきりし、赤唇は全体的に前へ向く中で中央が前向きになります。私はキスシーンの口を造ると目論んでいます

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術直後は口が閉じないので判りにくいのですが、術後1週間も経つと。赤唇がオーバーに膨らみま赤唇も弓の形も人中もはっきりします。術直後は、創の線に血痂が付着して見えますが、術後1週間で鼻翼の横以外は抜糸したら、血痂が付着していないと線は目立ちません。なお、鼻翼横の糸は折れ返り線に有るので目立ちません。

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右斜位像では術前の冗長な上白唇が、術後には色っぽくなります。赤唇は中央が前に向いて可愛い

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左側面像ですが、術直後は鼻柱から鼻翼が下に引かれて、鼻尖が相対的に上方へ移動して見えます。術後1週間では元に復しつつ有ります。概ね1か月で、鼻は術前の形態に戻ります。それにしても上白唇のだらっとした感じが無いと綺麗です。赤唇の突もセクシーです。

なお、翌日も診察しました。血痂は通常量。腫脹は亢進します。「ダウンタイムは48時間がピークです。」と念を押します。「血行が良好な部位なので、軽快が早いです。」と言い含めます。翌日は開口1横指でした。患者さんが測って下さりました。運動痛は軽度で摂食や構音に障害は無い。

術後1週間で抜糸しました。腫脹の軽快が比較的早い。形態は良好で嬉しそう。鼻翼幅はまだ広く、40㎜以上有るが必ず元に復します。開口は3横指と回復中で生活に支障を来していないが、横には拡げない様に指導した。

術後1週間までを載せましたが、経過が早いので形態的に判りやすい症例です。術後2週間で全抜糸の為に来院されます。この様に私の手術は多くのメリットを含みます。創跡も消えていきます。ダウンタイムは思った程でないのですが、その点は症例に依ります。本症例は経過が早いのですが、それはひとえに患者さんのお陰です。次回も画像をお楽しみに!

術後2週間で全抜糸しました。画像も戴きました。

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創の治癒過程は早い方ですが、まだ赤い線です。

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形態的にはお喜び。デザインの勝利です。患者さんも納得されています。

下には術後1ヶ月での画像群。

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正面像での形態は可愛く、口角の挙がり具合は優しい。近接像で見ても、口角の傷跡が判り難いです。ノーメイクでも気にならないそうです。両側鼻翼間の傷跡はまだ赤いですが、いつかは白くなります。鼻翼の位置はほとんど戻っています。

IMG_5770IMG_5771側面像でも斜位像でも、本症例の患者さんは優しい口元で、それでいてE-ラインが一直線上にありキリッとして綺麗な口元です。

下列に遂に術後3ヶ月です。

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大変ご満足です。赤唇に結節が前を色っぽいです。弓がなだらかだったのが、綺麗なカーブです。人中が深くはっきりした白唇になりました。もちろんスッキリした白唇で顔面の縦のバランス(比率)がとれました。ただし上右図の近接画像を診ると、左鼻翼基部付近の傷跡が赤く硬結し、飛行はないのですが、何故か肥厚性瘢痕(ケロイドもどき)です。ただ、傷跡が拡がって後戻りしているのでは無いので、赤くなくなれば問題はありません。日常はメイクで隠せているそうです。

口角の位置は横径拡大の程度は半分後戻りしていますが、まだ効果は保たれて、挙上高もほとんど後戻りしていません。術直後腫れて引っ張られていてオーバーコレクションでしたが、今は自然な口角の上がりが「キュン!」とさせます。優しく明るい雰囲気が印象的な患者さんでした。

IMG_7790IMG_7793シャイ蔵でも側面像でも口元が優しく綺麗です。E-ラインも関与しています。この患者さんがこの手術を求めて、私を選んで受けたので、彼女にとって最良の結果をもたらしました。良かったです。私も素敵な患者さんの美容医療に携われて幸せでした。「完成!」と宣言して「またお逢いしたいですね。」と挨拶して今回の症例ブログも終えます。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円+消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。