2022 . 5 . 9

どこの出身にしても上口唇は伸びます。人中だけでない上代唇短縮術は適応。

中華人民共和国出身の患者さんが戻りつつあります。とは言っても日本在住者です。逆に中国には帰れないので、美容医療を日本でしか受けられないのでしょうか。

私は日本人です。日本人は東アジア人で、いわゆる黄色人種です。人類の人種を三つに分けると、他にも派生種はあるにしてもアジア人はモンゴロイドと呼ばれます。そして東アジア人は新古のモンゴロイドが混血しています。新モンゴロイドは、シベリアか満州で寒冷地適応で変異した民族ですが、一重瞼と非わきがを特徴とします。最終氷河期後に南へ移動して東アジア人と混血しました。日本には古墳時代までに少しずつ移動しました。中国では、その後も満州族の清国人と漢民族は混血しています。

人種間で顔面や身体の特徴は厳然とありますが、環境因子も影響しますし、加齢変化も必ず起きます。上に述べた様に眼瞼の形態等は遺伝性ですが、身長や体型のバランス等は環境や経済性や栄養にも影響されます。ところが口周りは人種間の差異よりも個体差が多く、また加齢性変化の必発部位です。白人でも黒人でもアジア人でも白唇が長いと鼻の下が長い印象で、赤唇が貧弱になります。女性では品性が落ちるし、かといって人間では赤唇は女性器の擬態ですから、ジェンダーも損ねます。

何故か東アジアでは白唇短縮術が流行っています。アアそうか、骨格と輪郭が特徴的だからでしょう。顔面の縦が短く、赤唇が薄いです。口がE-ラインより後にある人は少ないのです。そんな周囲の部品が白唇の増長を目立たせると考えられます。東アジアの韓国では大流行りで、日本では数少ない美容”形成”外科医がせっせと治しています。私もその一人です。傷跡が綺麗で、人中だけでない上白唇短縮術の際に、人中や赤唇縁の弓や口唇結節を造る手技も開発したからウケています。

何度も書きましたが、人中とは読んで字の如く人の真ん中です。白唇の中央の縦の溝と凹みで、胎内で唇が左右から増殖して来て合わさる際に出来るのです。鼻の下は白唇で、はくしんと読みます。赤い唇は赤唇で、せきしんと読みます。欧米人はwhite lipとVermillionの単語を認識しています。唇は擬態で、アジア人は儒教国でセクシー性を好まない為に、唇に注目しなかったから、赤白の唇も認識しないで鼻の下と呼ぶのでしょう。

本症例はアジア人ですが、今や、アジア人こそ口唇を豊かにしたい人が増えています。遺伝的に赤唇が貧弱だったり、骨格的に品性が落ちたりしている症例が多いと思います。欧米化かよ!。口唇の後ろは歯です。その骨は上顎骨と下顎骨で、上下の歯が植っている馬蹄形の突起は歯槽骨といいます。人間は口で啄まないので、口元が出ていないのが進化形です。口元がE-ラインより出ていると品がないのはその為です。でも口唇は厚みがあって前を向いている方が女性的です。薄いと貧相で酷薄に見られます。逆に口元が出ていない人は口唇を厚くした方が女性的です。アジア人は平均的に白人や黒人に比べて口唇が薄いのです。そこで私は口周りの手術に邁進してきました。

症例は33歳女性。白唇の縦長は人中部で21㎜と若年者にしては長い。上顔面70㎜:中顔面62㎜:下顔面62㎜とバランスは良いが、上口唇26㎜:下口唇36㎜で黄金比よりも上が4㎜長い。口角は下がっていない。シミュレーションしても口角は下がらない。人中は深く狭いし、赤唇縁のCupidの弓は急だが、如何せん赤唇が薄いし、口唇結節(上赤唇中央の膨らみ)がだるく下を向いている。赤唇をはっきりさせるなら両側の鼻柱基部に白唇の人中綾を真皮縫合する際に1.25㎜ずつ寄せてセクシーに変えたい意向。5㎜切除も可能。

術直前診察:6㎜ではドッグイヤーが起きるがたっての希望。鼻孔底隆起は低い。鼻孔内ではないが、やや上方の切開で可能。C-カールは軽度でも人中部は1.5㎜寄せて赤白唇の表情を造る。

画像は各方向ごとに術前から並べます。

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正面像の術前とデザイン。画像中央の狭い八の字の溝が人中です。鼻柱基部〜赤唇縁のCupidの弓の中央の長さは21㎜です。15㎜以下にしたいので6㎜切除のデザインです。両側鼻翼間の白唇を全て6㎜切除します。全て上下に縫合すれば鼻翼の横に皮膚皮下組織が余ってdog earができます。辻褄合わせて出来るだけ平坦化して縫合していきます。デザイン通り切開しますが鼻翼の横の切除は調整していきます。

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術直後には上赤唇まで腫れています。本症例は両側鼻柱基部と両側の人中綾(山線)の上端を真皮縫合する際に人中側を内側に寄せました。でも腫れているから膨らんで幅が狭く見えていません。

上右図は術後1週間で両側鼻翼間を抜糸した直後です。術後48時間は腫脹が亢進し、その後徐々に引きます。術後1週間ではピーク時の約35%程度残っています。でも人中の幅は狭くなりました。弓も急峻です。残念ながら赤唇全体の腫脹が引くまでは、口唇結節は見えてきません。

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近接画像では赤唇が薄いのが目立ちます。特に口角の内側付近の上赤唇は見えません。口角は下がっていませんが口角挙上術で治せます。

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上左図の術直後と上右図の術後1週間では、鼻柱の幅が腫れで違います。結果陣中の幅も違います。赤唇は腫脹の軽減が遷延するのでCupidの弓の幅も違います。これから形態が重い通りに変遷していきます。

翌日診察すると、血痂は少々着いています。疼痛で開口1横指。LED.を照射して腫脹を早く引かせたいと希望されました。更に翌々日は頬まで腫れた。創部は発赤するが、感染兆候は診られない。念のため抗菌薬の処方を延長しました。高濃度VC+水素点滴も腫脹軽減に効くので併用しました。LED.もです。術後1週間の抜糸時は順調の経過を診ました。

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斜位像での術前と術直後と術後1週間。赤唇の前向き度つまりC-カールは腫脹に影響されます。でもこの画像では結節らしく見えます。

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側面像でも赤唇のC-カールが綺麗です。術前はE-ライン上に口吻がありますが、腫脹で前に出ています。口唇結節とは上赤唇の中央の膨らみですが、前を向いています。キスシーンの様です。

術後2週間で全抜糸しました。

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まだ腫れています。術後は傷跡が赤くなりますが、いつかは白い細い線になります。

IMG_8677IMG_8674まだ側面像では口吻が腫れて前に出ています。もちろん裏返したからでもあります。E-ライン上にありますから、下品ではないです。

術後1ヶ月で診ました。

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傷跡はもう目立たなくなりつつあります。通訳の女性にも褒められました。私「普通です。」「それこそ私は一番多数の症例数を手術してきたんですよ!。」「そんじょそこらの美容整形屋とは違うんですよ!。」と偉そうに説明しました。ああ〜そうか!、彼女(通訳)が初めて連れてこられた患者さんだから見せ付けることになりました。

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上口唇中央部の口唇結節が綺麗ですが、術後1ヶ月でまだ赤唇全体が腫脹しています。でも間延びした上白唇=鼻の下が短くなって、交連線=上下口唇の間の線の上下の赤白唇のバランスが良くなったでしょう!。

術後3ヶ月の完成を観ましょう。

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形態的には完成です。

IMG_0672IMG_0673傷跡も目立たないと思われました。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

 

費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円+消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。