2024 . 4 . 6

MACS Liftだけでは下顎下は引き上げられません。耳介後部から生え際へ切開して引き上げるネックリフト。

リフト,Lift手術には、歴史があります。戦後すぐに、いや見つからなかったのですが戦前にも?、論文が発表されています。古くからあるので、手術方法は変遷してきて多様です。これらに対して、手術法の選択法の基準には幾つかの相反する面があります。侵襲度(所謂ダウンタイム)と効果と持続性です。さらに費用と時間と有害事象の率も選択基準に影響します。

どの手術でも通常、効果と持続性は侵襲度に比例します。ですから、糸リフトよりも切開リフトが挙がり、保つのは当然です。さらに重要なのは剥離の層と範囲です。S.等でヤラれる、ただ切って縫うだけの”なんちゃってリフト”は持続性がありません。剥離ゼロですから、酷い時には1ヶ月で元に戻るそうです。逆に言えば、剥離範囲までの組織が引き上げられるので、耳前後やこめかみや額から顔の前方を引き上げる為には、そこまで剥離しなければ意味がありません。

ところで、手術時間と費用の面では、侵襲度が左右します。費用は時間対価ですから当然ですが、手術時間は部位を分けたら短縮できます。侵襲度はダウンタイムに直結しますから、患者さんの負担に直結しますが、効果と持続性にも直結しますから、相反することになります。

切開リフトを行うにあたって、私は最近では、皮下剥離を前方まで加えますが、部位を分けて時間と侵襲を減らしています。でもこれが結構手間を要します。何故なら切開も短くなるので、狭い視野から前まで剥離しますから、遠い部位まで皮膚を持ち上げて視ることになり、さらにそこにバイポーラー電気メスを入れて止血の努力も要するからです。顔の後ろから前方を覗く為には蹲踞姿勢で手術しますから、はっきり言って体力を要します。

でも逆に集中力を保つ為には、部位を分けた方が結果が得られるのは自明です。大体上中下に分けてきました。上は前額部生え際から、中はこめかみ生え際から、下は耳介の前後から広範囲剥離してきました。ただし耳介後部の切開は通常耳介後溝までに留めます。その上でドッグイヤー予防のために生え際に向かう切開を加えることが多いのですが、それでは下顎縁よりも下の頸部は剥離出来ません。生え際に沿って下まで切開すれば頸部を剥離出来ますが、前から後まで繋げると、手術時間が5時間を超えます。局所麻酔は極量を超えますから危ないし、静脈麻酔や全身麻酔なら出来ますが、さらに時間を要しますし、覚醒が遅くなると帰れませんが、当院には入院施設がありません。残念ながら当院では午後からでは時間が取れません。

ところでネックリフトと書きましたが、その手術法には定式がありません。直訳すれば、頸部リフトですが、何を治したいのか多様です。したがって、どこを切ってどの方向に挙げれば良いのかも多様なのです。例えば首の横じわは、縦には引き上げられませんから、やりようがありません。PRPで埋めるしかありません。二重顎は頤下切開で皮下脂肪を削徐できます。実は本症例に対しては既に施行しました。ターキーネックは広頸筋のせいですから、頤下から筋の処理を要します。ちなみに二重顎とターキーネックが合併することはありません。今回は下顎縁下のたるみだけ残っていますから、耳後部の切開を生え際まで続けて、耳後部から斜め前に向けて頤方向まで広範囲剥離して引き上げる、これがネックリフトですかね・・?。もう一つ、突っ張らせるために後頸部=うなじの生え際から縦に切開して引く方法を、父が考案したことがあります。症例を見たこともあります。でも私は傷跡が見え過ぎて、あたかも頸椎の手術後みたいで目立つのでやりません。

症例は46歳女性。知り合いが私に罹っています。SNSで視て三年前に来院され、私に罹って来ました。口周りに手術や眼瞼部やリフト手術を希望されました。

リフト手術ですが、まず1年前にJowlを目指してMACS lift,その後こめかみリフト、頤二重顎に対して脂肪除去と施行してきました。こめかみリフトでMalar部のたるみは挙げましたが、Buttress方向も追加したいのですが、今回は顎下の弛みに対してネックリフトを施行することになりました。

画像は各方向別に術前、術直後を比べて観ましょう。正面像から。

術前と術後の画像を比較すると、腫れているのが見えるだけです。

正面像では解りにくいかと思いましたが、上左図の術後2週間でよく診ると、下顎縁のカーブが綺麗に変化しています。上右図は術後1ヶ月で送ってくださった画像です。下顎縁が何ともスッキリしました。

術後1ヶ月半で来院されましたので画像を戴きました。下顎の下の影が前方からも見えます。

術前と術直後の斜位像では、下顎縁の下も腫れているのが見えるだけです。

上左図の術後2週間では下顎縁の下に影が見えて来ました。術後1ヶ月ではさらに影が下顎縁の直下まで挙がっています。

術後1ヶ月半では影がよりはっきりしました。そう伝えると、患者さんニコニコお喜びでした。

左斜位像でも同じ経過です。

上左図の術後2週間では、むしろ下顎縁のたるみが無くなっています。上右図の術後1ヶ月では影が下顎縁直下に見られます。

露光は変えていませんが、下顎下の影はくっきりしています。

下からは、右側面像で手術中の画像も見ていきましょう。

上右図はいきなり切開後、耳垂前から耳介後部溝から後頭部の生え際まで切開します。

上左図は、切開から皮下剥離した皮膚を裏返してます。前下はポケット状に頤のすぐ後ろまで剥離しています。そこまでが引き上げられます。上右図は、耳後部の切開の頂上を引き上げて測っています。同部はメジャーで見られる様に15㎜挙げます。

上左図は、生え際の切開の半ばも13㎜引き上げるか測っています。上右図は。割を入れて2針仮縫合した際の画です。

上左図は、仮縫合間の皮膚を切除しました。なお原則的に、耳後部の切除はしません。上右図はこの創を全て細かく真皮縫合しました。

上左図は、この後耳前部もトリミングして真皮縫合しました。上右図が皮膚連続縫合した画。

側面像では、術後2週間で下顎縁下に影が診られます。上右図でも耳垂の延長線上の下顎縁が引かれているのが見えます。

術後1ヶ月半では、下顎縁にそって全長に影が見られます。

左側面像でも同様に術前と術直後です。腫れています。

術後2週間では腫れています。実はこちらは血腫が起きました。上右図の術後1ヶ月では血腫の影響が解消しています。

術後1ヶ月半です。ネックリフトの効果がよく判ります。意味がアリアリです。

術後2週間で全抜糸しました。遠方ですし、傷跡が見えにくい部位なのでそうしました。

耳後の傷は赤い線ですが、抜糸時の侵襲に拠ります。

傷跡は術後1ヶ月半でもまだ赤いのですが、同部位を2回切開しているからです。

当院では、厚生労働省より制定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。ネックリフトは35万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。