考えてみたら、前々回位から自分史がウエイトを占めていますが、6年間の研修時代は美容外科診療のウエイトが少ないのでそうなっています。その後6年目からまた、増えてきます。その前後にも、いくつかのトピックスがあります。1993年の日本美容医療協会の発足。対抗して、日本美容医師会の発足と、私のJSASへの加入。父が開催したJSAS 等々・・。
その前に北里大学形成外科医局での研修医時代を思い出して、もう一度プログラムを説明するところに戻ります。
その前に医局とは何かといいますと、要するに各科の集団ですが、大学病院の医局の責務としては教育、臨床、研究の三本立てがあります。ただしその結果、医局は第一に人事権を持っています。通常雇用者というのは、会社ですし、病院という法人ですよね。確かに病院は
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カテゴリー別アーカイブ: 皮弁
ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。―真皮縫合と皮弁形成術Ⅱ―
前回は、真皮縫合についてゴチャゴチャ説明しました。判りにくかったかも知れませんが、大事なことです。私達形成外科医が切除縫合手術をすれば、創跡が見えなくなる手術法のキーポイントです。
この分野に於いては、他の科目の医師とは格段に差があります。 逆に言えばほくろを取るのでも、私達形成外科医が手術するなら、恐くもないし、目立つ跡にはなりませんから、ちゃんと選んで頂きたいものです。
基準はプロフィールで形成外科の経験が6年以上=前回書いたのですが、私は(平均的に)6年目にやっと真皮縫合が出来る様になると思っているからですし、形成外科の卒後研修カリキュラムでは、6年目までに一通りの手術法を学ぶ様になっていて、7年目に専門医を申請する様になっているからでもあります。
ところで、「ほくろ
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ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は格別です。
このところ、美容整形屋と形成外科・美容外科の相違、問題意識を提起してきました。
美容医療は、形態と機能をバランスよく治す医療です。形成外科は病気を形態的な損失を最小限にしながら治す科目で、ほくろや生まれつきのあざは母斑といって、良性腫瘍であり、悪性との鑑別が求められるから、保険診療が適応になります。美容外科は形態の改善を目的とする科目ですが、機能的損失を最小限にしなければなりませんから、形成外科と表裏になります。
つまり、美容医療の一方である美容外科を診療する者は、もう一方の形成外科の診療も出来る者でなければならないのです。形成外科と美容外科は美容医療の両輪といわれる所以です。
振り返ってみれば、美容整形という科目?が昭和53年までありました。父が始めた昭和36年頃はそうで
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美容医療の神髄-番外編-形成外科の真髄Ⅰ:ほくろ切除と皮弁形成術
形成外科は特別な治療ができると述べました。「なんですかそれ、偉そうに!」っと言われそうですが、症例結果をお見せしましょう。今日抜糸した直後です。
その一つが、この皮弁形成術です。形成外科専門医以外の医師では経験がないのでしません。特に顔面では、創を丁寧に中縫い(皮膚の裏側をしっかり縫うこと)ができないと仕上げられません。そうです、私たちは縫い方にも特別な技術を持っています。形成外科医のこだわりです。先ほど1年前に頬のほくろを切除縫合した患者さんが別の件で来院されたのですが、傷跡が見えませんでした。「どこでしたっけ?。」って聞いてしまいました。
皮弁形成術、聞きなれない言葉でしょう。植皮なら分かりますか?。皮膚を移植するから植皮ですよね。じゃあ皮弁って?。皮膚を弁状にして移
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顔面のやや大きなほくろ
その前に!2週間前に手術した:重い懸垂型ピアスによって後天性耳垂裂となり、ピアス孔を作製しながら、修復した2症例のうちのお一人が来院されました。キズが落ち着いたので、懸垂型ピアスを入れてみました。トンネルがしっかりしているので、今回は伸びないでしょう。
さて本日の美容医療の症例は?
眉間というか右眉頭と目頭の間のほくろです。色は淡いのですが、毛が生えていてサイズは8×6mm、今も増大傾向だそうです。レーザーで毛根まで削ると、跡が目立つし、切除して、縫い縮めると、眉や瞼が変形してしまう可能性があります。近くの皮膚科にかかったら、悪性の可能性は低いし、取らなくていいと言われたそうです。私は言いました。「そりゃーまあ―、皮膚科医は手術を得意としない人が多く、ましてや顔で、変形をきた
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