形成外科と美容外科は、別の診療科目名です。前者は傷病等の原因がある形態変化を取り戻す、または変形を防ぎながら治す医療で、原則的に保険診療です。後者は正常範囲(一般人には違いが分かりにくいのですが、医療側には基準があります)の形態をより美しく変える、または経年変化へ対処する医療で、自費診療です。形態的改善を目的とする点では同じでも、対象が違うのです。ちなみに基準は学術的に議論されますが、保険診療の対象は国が決めます。ただし形態的改善の為の技術と知識は、オーバーラップします。また一部の対象患者さんはオーバーラップします。その知識と技術とは何でしょうか?。
いろいろな科の医師とも議論してみたのですが、医療の知識と技術と経験は、大学医学部を出て国家試験に通った段階では、臨床的に診療中に足りる水
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カテゴリー別アーカイブ: 皮弁
何だか解らないけれど、鼻唇溝の内側に長年ある傷跡。無くしたいのですが、切除縫縮したら変形しそうなので、皮弁形成術を施行。患者さんも知っていました。
私、形成外科医としては大卒後入局して34年、美容外科医としては当初から父のクリニックでアルバイトを始めて33年になります。ですが、だから上手だとは自負していません。ただし、臨床経験は豊富ですから、いろいろな診療が出来ます。でもさらに言えば、多くの患者さんは医師の質と専門分野を知りません。近年はインターネットやSNSで画像を視られるから、結果は知り得ますが、中長期的経過は掲示していないことが多く、例えばなんちゃってリフトやプチ整形などでは持続性がないばかりか、跡が目立つのを隠すクリニックが横行しています。私がブログで提示している症例は3ヶ月の長期的経過を載せますから、明らかに長持ちしているにを観て、皆さん信頼して来院されるのです。最近ブログを観て来院した患者さんにも感動されています。
患
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下眼瞼形成術は多種類。術前の形態が様々で、治したい点も多種あります。加齢変形にも美容的にも使います。
シワ、たるみ取りには剥離が大事!といつも強弁してきました。ですからあ〜、糸だけでのリフトは、長持ちしません。コマーシャリズムのチェーン店系が売りつける(電車の窓に広告があります)剥離しないで切って縫うだけの”なんちゃってリフト”はやるだけ損です。それでは何故かを説明するために加齢変形の仕組みを説明しましょう。
まず体内の加齢は細胞の老化です。DNAに刻まれた細胞分裂回数に限りがあり、足りなくなってくるのです。内臓の組織も血管もです。特に免疫系の細胞が少なくなると、感染症や癌などの疾病を起こし易くなります。
さて次に形態的な加齢変形ですが、深部から話すと、骨は肉眼では見えませんが、X線写真では見えます。カルシウムやタンパクの摂食に左右されますが、どうしても細くなり密度が減り弱くなります。な
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加齢で伸びた上口唇。当院オリジナルの口角挙上術で短縮効果を観ましょう。
毎回書いてきましたが、口唇は白と赤があります。白唇を鼻の下と呼ぶのは一般人だけです。下だけではどこか分かりません。正しい位置を示せません。私は白唇の最上部である鼻孔底隆起の直下を切開します。赤唇は特殊な臓器で、Labia, 唇は上下とも同じ用語ですから、擬態です。つまり赤唇は性器です。
そして加齢で上白唇が伸びます。逆に赤唇は薄くなって貧相になります。したがって赤唇が薄くなると女性度が落ちます。逆に白唇が長くなると所謂”鼻の下が長い”下品な容貌になります。ですから白唇と赤唇の比率を回復したくなります。
この様相に対して、長らく上白唇短縮を口角挙上術と併用してきました。上白唇短縮術のおおよそ半数に口角挙上術を、逆に口角挙上術は半数以上が白唇短縮術に併施してきました。ですから逆に、半
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久しぶりに口角挙上術の単独症例をお見せします。口角部の筋皮弁形成術と考えてみましょう。美容形成外科医の真骨頂です。
またまた表題に難しい事を書いています。患者の皆さんは皮弁形成術とは何?。ってポカンっと口開けて聴いているくらいなのに、頭に”筋”が付いて”筋皮弁”とは、皮なの?筋なの?、弁って弁当じゃあるまいし?、ああっ、心臓の弁の事?。とか訳が判らないって言われそうです。
最初に種明かしします。私が行なう口角挙上術は、口角の上に挙上点を決めて、口角の上の白唇の皮膚と皮下脂肪を三角形に切除します。その後口角部を挟む赤唇縁を皮下(皮下脂肪は無い)の口輪筋まで横向きのV型に切開して、元の口角を新しい口角まで持ち上げて縫う方法です。ですから、口角部の三角形は赤唇の粘膜と筋を外側から外す、つまり血行を遮断するから、皮弁形成術と言え、筋も含むから筋皮弁形成術と無理矢理考えました。
皮弁とは何かを説明します
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