美容医療の治療法としては、3つのカテゴリーがあります。
まず皮膚表面の治療は、美容皮膚科の分野ですが、皮膚は角質に覆われているために、薬剤の滲透は難しい訳です。
次は注入術ですが、体表面から数ミリの深さまでは入りますが、原則的に持続性のものは使用すべきでないです。昔シリコンなどの生体親和性のない物質は吸収されないからして、注入されて残存するはいいが、異物反応でカプセライズされてゴツゴツになったり、移動したりのケースが多発して根治不可能になり、美容整形やが問題視された原因の一つになりました。
美容医療において手術は昔から為されてきました。戦前は一部の耳鼻科医や眼科医が手を付けていました。戦後十仁病院を嚆矢として美容整形と標榜する医師が増え、欧米を真似て手術法が進歩しました。ま
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カテゴリー別アーカイブ: 真皮縫合
今回は2回目の口角挙上術。デザインに工夫を加えて満足な結果を。
口周りの手術は経過が長いです。少なくとも3ヶ月、出来れば半年から1年診ていきたいのです。
上白唇短縮術(人中だけだはありません)の後戻りは、創の縫合の質に依存します。真皮縫合が終わった時点で隙間がなければ、術後3ヶ月以上経ても傷痕の幅が拡がらないのなら、後戻りはしない筈です。実際私は精魂を込めて、時間を掛けて、真皮縫合してきましたから、一番長い症例は10年経っても後戻りしていません。ただし伸びた人は居ます。
対して口角挙上術後は後戻りが皆無ではありません。何故なら、強固な真皮縫合ができないからです。口唇は赤い赤唇だけではありません。上下の皮膚も白唇と称します。口角挙上術時に、赤唇と白唇を縫合することになりますが、白唇には真皮があっても、赤唇には真皮は存在しません。従って中縫いは真
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もう止まらない口周りの手術の連続。本症例は適応をよく検討しました。
私は医師ですから、診察に時間を掛けます。美容形成外科医を金儲け主義だと思っている国民が多いのですが、実際に自費の美容医療は料金が自由で同様の保険診療の2〜3倍の価格設定が大多数です。それに、患者さんは広告やインターネットの情報(あくまでも情報で知識ではありません。)を視て来院され、載っている情報は、料金表と画像と説明だけですから、価格は視ていても、診療レベルは知り様がありません。画像は私の様に操作がなくして、多くの症例をブログに経過を順に追って載せているクリニックは少なく、説明も手前味噌なクリニックが多く、診療レベルを知る当てにはなりません。
なお保険診療では価格は国が決めていますから、費用対効果は逆にばらばらです。もちろん医師や医療者のレベルはマチマチですからです。国家試験に受かって
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私の口周りの手術は最終兵器として利用されます。上白唇短縮と口角挙上術は適正なデザインで丁寧に!。
題名にある様に、ポリサージェリー(複数回手術)の患者さんで満足な結果を得られていない患者さんが、何とかしたくて、やっと私を見つけ出したのです。やはり、最終的に満足な結果を得る為には私に罹る患者さんが何人もいらっしゃいます。私は最終兵器として利用されています。
この様な患者さんは、これまでの美容治療の経過=手術歴が重要です。アナムネーゼと言って病歴ですが、既往歴とも言います。美容医療以外では、アナムネが大事で診断に半分以上寄与します。診断は治療方針を決めるためにあります。診断の目的は、カルテに書いて費用を決めるためではありません。美容外科手術に於いては、これまでの手術歴と施行者が解らないと、私の治療プランが立てられません。これまでに何が為されているか判らないと、解剖学的な構造がどのように
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眉下切開手術と重瞼術埋没法=MT法と下眼瞼シワ取り術は同時に出来ます。適応であればですが。
三つの手術を同時に行いました。トッピングでもぼったくりでもありません。逆に、適応をよく検討した結果です。診察を念入りにして、鑑別診断の下に決めますし、人格や周囲の目を加味して、ダウンタイムも選択の要素になりますし、過去に受けた医療も関係するし、生来の状態も関係します。これらを全て診察所見と言います。
上眼瞼下垂症を簡単に鑑別すれば、先天性と後天性及び前葉性と後葉性の要素の組み合わせで4種です。程度は計測値により、手術法は自ずと選ばれます。幾つかの選択肢が適するならダウンタイムと持続性も選択の基準に加わります。今回は先天性前葉性眼瞼下垂が主体でしたから、眉下切開と重瞼術埋没法が適応しました。
下眼瞼形成術はやはり多種に亘ります。シワが主か?、目袋が主か?。両方か?。下眼瞼は何と言っ
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