カテゴリー別アーカイブ: 医学博士

2018 . 12 . 15

人中部白唇短縮術の単独施行症例は適応次第です。

私も白唇部短縮術から単独で施行するのは反対しません。考えてみれば判ることですが、白唇短縮術に於いて、私は両側鼻翼基部の間だけを同じ幅切除しますから、口角は挙がらないので、術前と比べて相対的に口角が下がるのは当然です。個体差として、術前に口角がキュンっと挙がっている人は術後も下がりはしませんが、術前は挙がっていたのに術後に水平になり、残念な気持ちになる可能性もあります。 実は以前には、口角を挙げようとして鼻翼の外側まで切除してみました。ところがやはり傷跡が見えてしまいます。3例だけで止めました。また、私と同じ切開のデザインで、口角に向けて引き上げる様に縫合する手術を見たことがありますが、やはり変な形でしたし、鼻翼が横に引っ張られるのが治らないことになります。 でも、必ずしも白唇短縮
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2018 . 12 . 6

可愛い女子をもっと可愛くしたのに、何故か傷痕の一部が・・。

丸顔というよりは目が離れている人は面長でないので可愛い!。というよりは子供っぽいのです。顔は生下時から、成長に伴い長くなりますが、標準的には特に下の方が倍率が高いのです。子供の方が下顔面が短くおでこが広いのです。だから、顔が長くない方が子供っぽく見え可愛いのでしょう。ところが下顔面が長くないのに(=面長でない。)、上口唇特に白唇が長いとバランスが取れていない訳です。典型的にここの改良が効を奏する症例ですね。 症例は20歳女性。人中部白唇長19mm。上顔面62㎜:中顔面62㎜:下顔面65㎜で比率的に下顔面がやや長い。上白唇が内反している。赤唇が薄い。外反C-カールが欲しい。眼瞼に特徴があり内眼角間(平均値34㎜)41㎜と目の間が離れているが、角膜中心間(平均値60㎜)72㎜と眼球が解離し
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2018 . 12 . 6

上口唇短縮術は丁寧に縫合しました。二次的に口角挙上術の修正術です。

私は医師として真面目に診療しています。初診時の診察は、状態の把握の為に、定型的な計測に時間を掛けます。いざ手術に臨めば、デザインは確実にマークして、切開は寸分の違いも無く裁ちます。切除深は筋の処理の為に解剖学に沿った方法で慎重に行ない。いよいよ縫合が重要です。 形成外科医だけが真皮縫合を出来ます。一般人は誤解していますが、医師は、医師になってから初めて実技の修練をします。そりゃあそうです。医学生が切ったり縫ったりしたら法律に触れます。そして各科は違う分野を順次トレーニングします。外科系は身体の内部を治す勉強をしますが、縫合は創が治ればいいだけなので余り力を入れて修練しません。その中で形成外科医は、創跡を目立たなくする事を第一に求めます。他科では学ばない創の縫い方を学びます。真皮縫合とい
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2018 . 12 . 6

切開法の眼瞼下垂手術に希望の症例には目頭Z-形成法が最適。

眼瞼下垂手術の切開法を試行する際には、目頭の蒙古襞の狗縮を解除した方が自然です。でも絶対にZ−形成法以外の目頭切開は受けてはいけません。却って不自然になります。Z−形成法は、まだ私が学会発表していないので、普及していません。いや、非形成外科医の美容整形屋には理解出来ない論理があるからできないのです。そこには知性と理論が必要です。ビジネスで美容整形を取り扱っているチェーン店系美容外科は金儲けですから知性を使っていません。だからむしろZ−形成法による蒙古襞の狗縮解除術は私達形成外科に基づいたベテランの美容外科医の独壇場です。 とはいっても画像が魅せます。経過を追っていかなければその価値は理解出来ないでしょう。術前から術直後のすごい画も載せます。結果が見えるのは数週間先です。乞うご期待!
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2018 . 12 . 1

目的のある人中部白唇短縮術もあり得ます。

10年以上前の外傷痕が気になっていた未成年の患者さん。創跡そのものは小さいけれどある。本人に執っては何とかしたい想いが強かったと想像される。今どきは若年者ほど情報に接する機会が多い訳で、どこからか私の診療の情報に辿り着いたらしく、「これだ!」と飛びついたのでしょう。家族を説得して同行して来院されました。 人中部白唇短縮術は適応患者さんを決めています。鼻柱基部からCupidの弓の中央が15㎜以上が第一の適応。私が口周りの手術は最終兵器だと称している様に、骨切り術後に口がモッタリした症例が第二の適応で、最近はこちらが多かったです。そして加齢すると白唇も弛みます。計量すると10年で約1㎜です。かといって年齢が上がるほど創の治りが不安ですから、そうそう手術に到りません。そうは言っても手術に到る
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