このところ、外鼻形成の希望者が多く来院されます。私は約10年間は定番の手術をお奨めしてきました。鼻尖には耳介軟骨移植。鼻翼軟骨の縫合に依る縮小術。鼻梁(鼻スジ)にはプロテーシス。鼻唇角にもプロテーシス。鼻翼縮小術は外側切開と内側皮弁法を使い分けてきました。鼻唇角プロテーシスは鼻の為ではありませんが、必要な患者さんが居ました。
定番と言っても、何種類もの方法を駆使してきました。何故なら、患者さんの生来の形態は千差万別です。同じ顔の人は二人と居ません。だから丁寧に診察して、患者さんの希望も汲みつつ、敵する手術法を見つけていく手順が必要です。美容形成外科は医療ですから、診療が重要です。診療は診察と治療(多くは手術)です。診察の結果の診断は治療方針を提示する為のあります。値段を決めるためではあ
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カテゴリー別アーカイブ: 鼻の美容外科
同じアジア人でも外鼻の形態は多様です。中国北方出身者は特徴的ですが、いつもの私の手術法をモディファイしました。
現生人類はホモサピエンスという種の生物です。ただし最近ネアンデルタール人が混じっていることも判明しましたが・・・それはあまり関係無いのでまたの機会に。ゲノム,Genomとは、遺伝子の中でも生物の基本的構造と機能を決定する遺伝子です。ホモサピエンスなら同一の物を持っています。でも遺伝子に変異は生じます。だから個体差があるのです。
約100年前からのグローバル世界より以前は、地域で変異が貯蔵されていましたから、人種差は明白でした。今でも純粋な白人とアフリカ系とアジア人は、遺伝子の発現型に大きな差があり、形態と機能に多様な差があります。もちろん肌の色は明白に違いますし、例えば一重瞼はアジア系だけです。他にもアジア系は白人に比べて鼻の高さの平均値が低いし、アフリカ系はさらに低いです。これらは遺
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何回か隆鼻術等を繰り返して来た症例。その度に他院で無理な手術を受けてトラブるので毎回困った症例。でも私の造る形をを気に入ってくれているからなんとか再建します。
題名からしてなんだか分からない症例です。私も混乱しています。長年(かれこれ10年)診てきて、他の部位は満足できる結果を得ているのに、鼻は何回かうまくいったり、他院で壊してきたり、私がやりなおしてもまた壊れたりを繰り返して・・・、現在またこんなになったのをなんとか造り直そうということになったのです。何故最終兵器として私を利用したいのかは、判りません?。他の部位は良好な結果を得ているから信頼関係が成立しているからか、私が作る形態を患者さんが上位に思ってくれているのか、はたまたどうにか直したいから私ができるだけ安価に設定してあげているからかは知りません。
ただし、これまで永らく診て来たので、患者さんの特性を理解して来たつもりです。とにかく美人でいたい気持ちは他の人より強く!、派手で!、美容外
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剣状強皮症が影響しているかは解りませんが、鼻孔縁に左右差が存在したので、初めて片側に複合組織移植を行いました。
鼻孔縁下制術は、静的な形態の改善が求められる手術です。動的には、皆さんもやってみれば解るように、鼻の孔はおっ広げられる部分です。外鼻には鼻筋群が皮下に存在しますが、厚みがない部分なので弱い筋ですから、鼻の孔の前縁は2㎜も動きません。だから逆に、鼻の孔の前縁が鼻孔底より2㎜以上上方にあると、いつも鼻の孔をおっ広げて見えるので品性に欠けます。
そこで本症例ですが、何故か鼻孔縁の形に左右差がある珍しいケースです。両側鼻孔縁が上に食い込んでいるだけでも野暮ったいのに、片側だけ三角形に食い込んでいると非対称性が目立つ訳で、患者さんも日常的に、写真や鏡で左右差を認めるのが嫌だと訴えるのは当然です。剣状強皮症が原因かは判りませんが、引っ張られているのかも知れません。
鼻孔縁下制術は、複合組織移
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鼻翼縮小術の外側三日月型切除は適応が限られますが、鼻翼鼻背溝までの切除で鼻翼吊り上げも加えられます。
アジア人は身体に特徴があります。一説に因ると、アフリカで発生したホモサピエンス(現存人類種)がシナイ半島を経て旅立った後に、寒冷地のヨーロッパでは身長が高くなり(ベルクマンの法則といって、例えば白熊の方が南方の熊より大きいのがそれです)、更に冷たい空気を暖める為に鼻が高くなりました。白人の皮膚や目や髪の色素が少ないのは、日照が少ないから無駄な材料(メラニン色素は重要な栄養素から作られる.)を消費しない様になったからです。アジア人は進出時に中間の気候地を経由してきたので、黒人よりは黄色くなり、鼻は大きくなっても高くならなかったのです。更に2万年前の最終氷河期に東アジアに進出した集団は、寒冷地適応で一重瞼となりました。この遺伝子は大多数の日本人に混じっていて、日本人の半数は発現し一重瞼です。
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