先週予告した3DリフトとJコグリフトの組み合わせ。Jリフトとして提示します。
今回の症例はスタッフで、若い医師の練習を目的としていますから、午後の手術枠の隙間にいたしました。30分ずつの空時間を見つけて、2回に分けて、ああだこうだ指導しながらしたのですが、逆に言えば合わせて45分もあればできる簡便かつ有用性の高い手術であると言えます。若年患者(30代)の女性にも意味が大きい手術です。
画像は正面と左斜位を並べて時系列で提示していきます。まずは下2枚が術前。
3Dリフトをコの字に、つまり片側2本入れました。
1週間後、Jコグ糸を2本ずつ入れました。その4日後です。
見た通りの印象です。なんか違う。明るくなっている。そもそも、本人が下膨れ傾向になってきたのが残念な人だったとの主訴を頂き、ではやってあげましょうということになりました。今年から週一回美容外科の研修に来ている順天堂大学形成外科の11年目の医師の練習のためでもありますから、結果は問わないということで。
でも、ちゃんとできました。術前は下膨れだった下顎のライン。術前は、カーブの変曲点つまりカーブの中でカクっと出ている部分が口角の横にあります。3Dリフト後にはその溜りが耳の下へと上方移動しています。ただし、出過ぎています。Jowlのふくらみが上後方に移動した感じです。
そこで、Jコグ糸を入れる意味があります。つまり逆に言えば、1週間おいて3D→Jコグと入れたので、それぞれの効果が別であるのがわかる画像提示にできました。ご覧のように、Jコグを入れたら膨らみがなだらかになりました。特に斜位像でよく判ります。しかもふくらみの位置はJowlになく、情報に移動したままです。
これでよく判りましたよね。Jowlは、若年者でも生じてきます。動物の垂れた顎というなら、ヒトも動物ですから垂れてきます。あごのラインに凹凸が見えてくるので若年時から気になり始めます。さーてそれに対して、フェイスリフトをしてもいいか?。私は最低28歳のFLをしたことがあります。悦んでいただけましたが、Jowlは解消しませんでした。切開創から遠いので後戻りが大きいからです。一説によると=森川昭彦の説では、(数々の美容形成外科医が引用している。)「フェイスリフトは若いうちにしておく方がいい。そして回数を重ねるほど効果は高い。」と言っていました。確かにそうですが、下顔面は中顔面に比べ効果が持続しません。そこへ行くと、スレッドリフトそれも3Dリフトは直接Jowlに糸がかかるので、よく挙がります。持続性は高くないのですが、ダウンタイムが少ない手術なので、繰り返せます。年に1回している患者さんもいらっしゃいます。また、フェイスリフトの合間のメンテナンスにも最適です。さらにJコグを組み合わせて、面を平らにすると本当にきれいな顎のラインが作り上げることができます。
今回の症例は若年者で、美人骨格なので、効果が高かったのです。さすがに年配者のブルドッグ顔貌(ついに動物の中でも一番すごい顔となります。)の解消までは難しいかもしれませんが、それなりの効果はあります。もちろんその場合にフェイスリフトとの組み合わせという手もあります。
Jowlに対して、3DリフトとJコグりの組み合わせをJowlリフト:Jリフトと称します。これをマリオネットラインや加齢性の下膨れ顔貌の解消法としてご紹介しました。さて鼻唇溝が目立って来たらどうしましょう。その治療法は、本症例を口説いて提示させてもらいたいと思います。