2018 . 7 . 12

口周りの手術:今回は術後1か月までを同時公開。上口唇短縮術+口角挙上術+鼻唇角プロテーシス

口周りの手術は白唇部短縮術と口角挙上術の併用法が主です。口周りと呼べば鼻や頤、歯や歯槽、周りの骨も関係します。骨格を治してから口周りを手術する症例が増加しています。鼻翼は同時に治す要にお奨めしています。鼻尖増高術を軟骨移植でする場合は、同時手術が難しく、しかも白唇短縮術と切開が近いので3か月以上明けなければなりません。本症例では鼻尖終了。鼻陵も入っていて不要。鼻翼は大きくない。頤も出来ている。唯一鼻唇角が喰い込んでいて上にある点が残っていました。その為に白唇が長いのを認識していました。鼻唇角の下制は移植が必要ですが、耳介軟骨では不足なケースが多く、シリコンプロテーシスが適応しますが、多くの若造の美容外科医は知りもしません。そもそも鼻唇角という言葉も知らない輩が多いのです。奴等には教えてあげなーい!。のです。

昨今美容外科が再流行しているのは、アベノミクスの経済効果に過ぎません。だから素人や、他科からの参入が増加しています。形成外科からの参入者でも美容外科の知識に乏しい者がほとんどです。しかも昨今の美容外科医はカウンセラーに任せて診察を省き、個体差を見ないで治療に臨むから、見落としばかりです。鼻唇角の喰い込みは側面、正面、斜位からよく見なければ気が付きません。私の診察でも、もちろん正面から診て行きますが、必ず3次元的に見回します。顔面の測定もして、適切な治療法を提示します。今回その結果適切な手術を施行しました。

症例は41歳、女性。13年前鼻尖縮小術を受けている。鼻稜と頤にはプロテーシスが入っていて口元が絞まっているが、白唇が長く間延び感を生じた。また鼻唇角が鋭角で喰い込んでいる。同部にプロテーシス適応と思ったら患者さんは知っていました。白唇長(鼻柱基部〜赤唇炎の中央):18mm。側面像で平坦。人中が浅く弓がなだらか。

顔面の縦比:上顔面65㎜:中顔面65㎜:下顔面65㎜とバランスは取れているが、上口唇(鼻柱基部〜交連)26㎜:下口唇(交連〜頤)40㎜で黄金分割比の5:8に比べて白唇の間延び間が見られる。

白唇部5mm短縮し、外反を求められた。人中部で1mmずつずらして寄せて縫合し人中を細く深くする策で赤唇炎の弓形も明瞭にしたい。

シミュレーションすると、当然口角がさがるので口角挙上術は必要と示唆。内眼角間33㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅46㎜で黄金分割比の5:8に合わせると口唇幅を54㎜まで拡大可能だが、45度方向に5mmで横に6㎜拡大し50㎜を目標値とした。

それぞれの方向の画像を並べます。正面像で術前、術直後、術後1週間の抜糸直後、術後2週間、術後4週間の順に。

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拡大像で術前、デザイン、術直後、術後1週間、術後4週間の順に。

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右側面像と左斜位は2列に、術前、術直後、術後1週間、術後2週間、術後4週間の順。

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今までブログは毎週の様に画像提示していました。5月までは毎週書き換えたり、コピペで追加していました。

6月から定式の説明を加えなければならなくなりました。症例はそれぞれに違うのに、”定式”の説明をするのはばかばかしいのですが、厚労省の指示なので従いました。多分政府は人を機械か道具に見立てているからです。彼等のやり方はそう思えますよね。私は症例ごとに詳しく診察して治療法の適応を検討し、手術法とデザインも夫々の症例に合わせて使い分けています。人間相手の診療ですからこれが常道の筈です。ですから上段に症例ごとの説明を書いています。

その様な訳で、6月から一つの症例のブログ提示は、毎回追加して書き加えて更新して来ました。症例の説明も、書き加えたり省いたりしています。なんとなく見難いかも知れません。でも症例の経過を見て行けるのは、皆さんにも判りやすくて好評です。

そこで今回1か月までの経過をまとめて載せました。週単位の変化がよく判ると思います。その上ちゃんと術後に形態的変化が見られると思います。鼻の位置、口の閉じ具合、赤唇炎の挙がり具合と外反の程度の変遷が判ります。鼻の変形に付いては初診の術前診察時に患者さんから尋ねられる点です。画像上で鼻の変形は必ず元の位置に戻っています。証明出来ました。

実を言うと、忙しくてブログを書き損なっていた症例です。では次回術後3ヶ月を載せて完成としましょう。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。鼻唇角プロテーシスは15万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。