2013 . 9 . 27

美容医療の神髄本編―美容医療の基本―その3美容外科診療において前提となる知識:解剖、生理とは?。

前回、美容医療における、形成外科の優位性として、形成外科独自の縫合法の説明をしました。

もうひとつ形成外科の優位性として、疾患を治療するため、美容医療に必要な解剖的な知識を学んできたことがあります。さらに言えば、それを実際に目で見たことがあるという点は、ほかにないものです。

近年、卒後に形成外科を大学病院等で研修したのちに、美容外科も始める医師が多くなってきました。今から15年前頃までは形成外科医は美容外科診療をしないという不文律があったのですが、1998年の美容外科学会で両科を同時診療することが勧められたのです。いいことではありますが、かといって形成外科診療において、美容医療の観点から研鑽しているかというと、意識が薄弱な人も多いようです。逆に、いきなり美容外科に入ってしまい、大学病院等でのちゃんとした研修を受けていない医師はどうなのかと思いますが。

要するに形成外科診療においては、美容外科診療に欠かすことのできない知識を得ることが出来るのです。体表の解剖学的知識、つまり構造と、生理機能については大学卒前教育では、学びません。実習でも見ません。だから、原則的にはなりたての医者には、美容医療の知識がないに等しいのです。

形成外科の診療では、特に顔面の、また体表のほとんどすべての部位の再建を主とします。つまり、見た目の(形態的な)治療も目的とするわけです。対象疾患は、形成外科学会の項目に従っています。学会がテリトリーを宣言したものです。やけど、体表の外傷、顔面の外傷(骨折も含む)、体表の先天性異常、瘢痕、手足の外傷および先天性異常、皮膚皮下組織の良性および悪性腫瘍、皮膚皮下組織潰瘍、その他です。これらの形成外科対象疾患のうちの多くが,美容外科の対象疾患と重なります。これまで何度か述べてきましたが,形成外科と美容外科は,対象患者さんが疾病者と正常者、費用が保険と自費という様に違いますが、目的は形態の改善と同じですし、形態の治療の為には,形態を知る,つまり解剖と生理機能に精通する事が真っ先に必要なのです。

前置きが長くなりましたので、それでは次回に、形成外科診療で出会う様々な疾患から、美容外科診療でどんなに必要で役立つ知識が得られたかを、羅列してみます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です