今回提示させていただけるのは男性の症例です。眼瞼下垂といっても皮膚性の要素が主体です。確かに挙筋は弱いというか、日本人の一重まぶた、小眼裂横径では、開瞼が小さいのが典型的な症例です。
症例は38歳男性。10年前に重瞼術埋没法を受けています。残念ながら左は戻って、眼瞼下垂症状も見られ、右はしわ的な二重が残っているだけです。挙筋筋力=上眼瞼最大滑動距離は12㎜と正常下限です。腱膜性眼瞼下垂症が進行中です。フェニレフリンテストでよく開きました。あくまでも二重は奥二重気味を希望し、キリッとしたいということです。また、下眼瞼から、頬前にかけてにクマ=頬まぶた溝も解消したいとの希望です。
下図が術前の全顔貌と目周囲の像です。切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法をします。
ブジーを当てて重瞼線をシミュレーションすると、1、5㎜挙げたら格好いいとなりました。
重瞼を作製します。このラインが希望に叶うということです。まさしく奥二重です。男性ではこの様な形態を希望する人が少なからずいらっしゃいます。私は応じて、まあ男だから可愛過ぎないのがいいか?。っといってデザインします。ジェンダー優先です。ところがその中で約半数は後で、「やっぱりもう少し広くしたい。」とおっしゃいます。私は機能も形態も重視しますから、機能的には瞼縁が挙がって開瞼が向上し、その前に皮膚が乗らなければ良しとします。形態面は確かに好みです。
ちなみに、私自身は自分を見て、少しでも二重の方が普通っぽいと思っています。そんな私でさえ、加齢で皮膚が伸びて来て被さりつつあります。もう十年以上前にも伸び始めていたのでしょう。よく父に「よく開いているけど、皮膚が被さっているまぶただな。俺もそうだけど。それを裏切り者の目っていうんだぜ!」と言われました。今になって進行して来てみると、よく判る印象です。顔貌は人の内面を表出するといいます。
そして、2週間後来院されました。「さーて、どうですか?。」と聴いてみると。「ここが!。」と言われました。このブログの読者の人は判りますよね。そのことが一瞬頭を過ぎり、私はすぐに「解かります。左の内側ね。」と言って認めてしまいました。患者さんに、正解!っと言われると思ったのに、「それだけでなく広げて欲しい。」っと言われてガクッとしました。だって狭い二重を希望したじゃあないですか?。しかも、挙筋を強化して開瞼を強くすると、見かけの二重幅が狭くなるから、その分だけは広げたじゃあないですか?。あれこれ言っても「いやあ、外側がかぶさっているのが気になるんです。内側はかぶさっているのが好きなんですが。」と言われました。確かに外側には糸を掛けていないから、すとんと落ちるのが通常です。内側を弱く低くして、外側に向けて持ち上げると切れ長っぽくなると予想される。私はうーんとうなって、「じゃあ左内側にLT法=切らない眼瞼下垂手術を追加するのは私の気合でコストフリーでします。外側だけでは負けるから両側とも中央と外側にMT法=重瞼術埋没法をするのは、半額でして上げる。」と思わず口走ってしましました。
予定は3週間先になります。その後にお見せしたいと思います。読者のみなさんも納得するような結果を提示できるといいなあ。