2016 . 2 . 5

くぼみ目は、こうして治します。何がいい感じって目元に明るさが取り戻せたと!

診察後直ちにご理解を得られたので、当日手術を施行した症例の患者様です。くぼみ目は先ず、第一段階としてこの手術をするべきであるとの、解り易い経過&中期的結果です。画像を見れば一目瞭然です。

黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法は此の様な効果があります。

下左図が術前。               下右図が術直後

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下左図は術後約30分            下右図は術後1週間です。

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下図が術後2週間です。                                        そして術後1か月の画像を撮りました。

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術前、術直後、30分後、1週間後の画像をこれまで提示してきました。2週間目にはメイクのままで撮らせてもらったのですが、今回さらにアイメイクを明るくしていらっしゃいました。そこで、露光を落とし撮ってみました。にも拘わらず目元が明るいでしょう?。

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普通の露光での画像ではいい感じの目元です。

経過を見れば、くぼみ目が気にならない顔つきに出来ました。こんなに印象が違います。直後は開き過ぎですが、2週間では丁度いい開瞼です。でも、顔立ちを変えては居りませんから、社会的に困りません。周りの人もなんか雰囲気が明るくなった。周囲にいい印象を与え、ご本人も悦んでいらっしゃいます。そうです。異常な形態を正常に近づけて、変わった結果が周囲にも好い印象を与えるのなら、隠す必要もありませんね。

ところで私達は、眼瞼下垂状態の患者さんを1日に平均2人以上は治療(ほとんど手術です。)しています。診察もほぼ同数です。ということは、来院された方のうちのほとんどが手術に到っているのですね。何故なら目を大きくしたい人は居ても、小さくしたい人は居ないからです。来院される方は始めから、目的を持って来るからです。ただし、私達のこのブログの様な啓蒙広告活動が実っているのか、眼瞼下垂に合併する症状を解消したい目的を持って来院される方も増加しています。本症例は来院当初からよくご理解が得られたので、すぐに手術させて頂けまた患者さんでした。

もう一度、眼瞼下垂症と、その随伴症状についてまとめてみます。

先ず原因が先天性か?後天性か?。他にも外傷性や神経性がありますが、私の経験ではこの14年間では神経性が2例、外傷性(眼外傷も含む)が3例と稀です。ここからは日本形成外科学会と日本美容外科学会JSAPSでのコンセンサスに基づいて記載します。ちなみに日本美容外科学会JSASでは眼瞼下垂症の治療に触れる事はめったにありません。敢えて私が、平成9年に講演したくらいです。

先天性とは、筋原性つまり筋力低下状態で、生下時からそのままの患者さんです。筋繊維の働きの不足は治せませんから、短縮術で筋滑動距離をスライドして開きを改善しなければならないので、閉瞼障害をもたらさない為には、効果に限界があります。また程度によっては無理をせずに吊り上げ術を行う事の方がいい場合が多いのです。当院の統計上では、眼瞼下垂症のうち、先天性が約3割で、そのうち短縮術が約7割、吊り上げ術が3割くらいです。

後天性とは、筋力は正常であった人が、腱が伸びて力を伝えられなくなった状態で、腱膜性と呼びます。筋力を瞼縁に伝達するのは腱で本来は伸び縮みしません。身体のどこの筋でもそうですよね。ところが、眼瞼挙筋腱膜は、付着している筈の瞼縁の瞼板から剥がれたり、瞼そのものが薄くなって伸びたりしています事があります。何しろ瞬きは1分間に4回、1時間に240回、1日のうち起きているのは16時間として3840回、1年に140万回もするので、眼瞼挙筋は酷使されるからです。だから腱膜性眼瞼下垂症は誰もが生じ得ます。それに物理的作用が加わると、早期発症します。コンタクトレンズ装用や、花粉症等で擦る癖がある場合等です。後天性眼瞼下垂症の治療は外れた部位を縫い寄せて修復するだけです。糸で繋ぐだけの、切らない手術だけでも可能です。本症例がその例です。当院では、切らない手術が2対切開手術が1くらいの割合です。

眼瞼下垂症に随伴する合併症状については機能的損失と形態的変形があります。機能的には、頭痛肩こり、腰痛、食欲不振、不眠、うつ症状等があります。羞明や眼瞼痙攣も稀に伴います。形態的変化としては、くぼみ目、三白眼、重瞼線の乱れや三重四重、それに機能的変化ですが、前頭筋収縮反射は眉が挙がった顔の変形として気付かれる事もあります。どれもが、眼瞼下垂症に起因する合併症とは限る訳ではなく、他に病因を伴う事もありますから、眼瞼下垂症の治療で上記症状が改善するかを約束できません。はっきり言ってやってみなければ判りません。私達は経験が深いので、合併症として見分けられる事が多く、予め病歴聴取して、関連を疑って告げておきます。治療後聴いてみて、合併症が治った患者さんの悦んだ表情は格別ですが、こちらとしてはあくまでも、治って良かったですねとしか言え無いのが辛いところです。

随伴症状というか合併症というか、変異が影響している為に関連する変形として、一重瞼があります。一重瞼は先天性変形ですが、50%以上は眼瞼下垂症を随伴しています。ただし、二重まぶたにすれば目が大きく開くようになるのは皮膚が被さっている症例に限ります。むしろ二重まぶたにして瞼縁が見えたら、眼瞼下垂症が露呈する症例さえも多いようです。組み合わせは多種ありますから、重瞼術と眼瞼下垂症手術を混同しないで下さい。ただし同時施行も出来ます。私達形成美容外科医の得意分野です。くれぐれも非形成外科医の美容整形屋にはかからない様にしましょう。むしろ美容整形屋で話が通じないからということで、当院を見つけて来院された患者さんが多くいらっしゃいます。10人に一人くらいは居ます。「良かったですね!。私達が治して差し上げられます。」と私が請け負い、良好な手術結果を得ると大喜びされます。

美容と社会的適応性については、何度も強調してきました。外面性と内面性の調和も考えてきました。形態的変形の改善は社会的な機能を改善するという意味では、機能的手術でもあると云っても間違いでは無いと思います。さらに身体的機能も改善が得られたら、精神的にも好影響があり社会的機能も向上するといえます。本症例の患者さんは、実は明るく優しい方で、今回も来院時には、ブログを見てくださったといって、微笑んでいました。