2016 . 2 . 19

鼻翼縮小は計測が生命−真面目にしているのに、患者さんは嬉しくて、みんなで大騒ぎ!−

これまでも何回か画像提示してきた切らない鼻翼幅縮小術の症例です。

糸で引き寄せるだけのこの手術は数字がすべてです。毎回説明してきましたが、鼻翼の縮小法には、外を切り取る手術と中を寄せる手術の2種類あり、それぞれに適応があります。

日本人(アジア人全般)では、鼻の高くない人がメジャーですが、その結果相対的に鼻翼幅が広いと余計に目立つ訳です。要するに3次元的な前後量と側方量の対比です。

鼻翼を下から見て、付け根の幅が広い症例では、先ず付け根を寄せる方法が適します。一方丸く張り出しが多い症例では付け根の上を切り取る手術が適しています。

多くの人は(約3/4)、前者が適応です。本症例も数字的に39㎜の幅があり、丸く張り出しているというよりは`ベタッ`と広がっているのが、下から見られますよね。こういう形の場合は、先ず寄せておきたいし、それだけで格段に可愛くなります。

後段に後者の適応とシミュレーションを載せます。

症例1は、48歳女性:ご覧の様に大きく下広がりの鼻翼。内眼角間距離が36㎜と幼い感じの可愛い顔立ちなのですが、鼻はさらに大きい。同じサイズが目標です。レオナルドダヴィンチが提唱しました。

下左図が正面像、右図が下方からの俯瞰像です。

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サイズは39㎜です。遠近法でうまく撮れませんでしたが、実測は39㎜です。

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さて術後は下図の如くですが、その前に糸を掛けて、締め付けながら、鏡で見せました。サイズはどうあれ、見た目でも判断出来るのがこの手術の面白いところです。画像も採取しようと思ったのですがそこで患者は、「可愛い〜!」とうっとりしながら、「もっとお〜」「もう少ししようか?!」とか言い始めて、こちらも大笑い。画像を忘れました。この時点で36㎜と数字的には内眼角間と同じで理想ですが、「たぶん半量戻りますよ!」「1週間ガマン出来るなら、倍量締めておいてもいいと思います。」と説明して、下右の画像のサイズ=35㎜にした時点で。

 

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もう一度鏡を見てもらうと「めっちゃ綺麗!」ですって術中になかなか聞けない文句ですよね。通常はこっちの文言ですよ。そもそも術前には、「怖い!」とか、「緊張する!」とか、「寝かせてくれないの?」とか言いながら手術台に乗り、黙って始めたのですが、局所麻酔も黙ってクリアー、糸を入れる前に局麻を散布して直ちに糸を挿入したら、「もう終わったのお?」ですって。その後は上記やり取りで終了としました。

もっと笑ったのは、直後に「鼻の中いじれないよね、困るかも?!」ですって。確かに指のサイズと鼻孔のサイズは相関するという説もありますが、そんな感想を発した患者さんも初めてで、こちらは大笑い。術者は真面目に手術していたいのですが、楽しませて頂きました。

看護師さんも「可愛いね!」といっていました。当院のスタッフの素直な感想です。

寄せた数字は4㎜となりました。少なめです。これまでの症例すべて計測していますが、平均値として約1〜2週間で半分は戻ります。年単位では効果1㎜まで戻った症例もありましたが、再施行により後戻りを減らせます。本症例も2㎜戻れば37㎜になり、物足りないかも知れません。でも術前術直後の差異が激しくない様に要望されました。それはそれで懸命だと思います。術前から追加再施行を既に念頭に入れていました。費用軽減も提示します。要は痛いのこわいのがクリアー出来ればこんなに受けやすい手術は無いと思います。

楽しいオペでした。

上段で切除術の適応症例を提示しますと予告しました。次週の経過観察時に比較として提示したいと思います。