当院の売り!、黒目整形が大流行となっています。本来、切らない眼瞼下垂手術を皆様に浸透させるために命名したのです。切らない眼瞼下垂手術NILT法は、適応を間違わなければこんなにいいものはありません。しかし、適応が限られる。戻りもあり得る。もう一つ黒目そのものを大きくするのではないのに、考え違いしている患者さんがいらっしゃるので説明が大変なのです。
こうなれば、定着する切開法も黒目整形の一種だと主張し、さらに眼頭切開=蒙古襞の拘縮解除術=Z-形成法も黒目整形の一種だとしてしまおうと考え、今回提示症例とさせていただきました。
症例は31歳、女性。チェーン店系でこれまでに3回埋没法を受けたが戻ってしまう。保険で切開をすすめられたがチェーン店系では危ないので、形成外科を標榜している当院を探してきた。挙筋活動距離は15mmと充分あり、先天性筋性眼瞼下垂ではないと考えられるが、眉を挙げていることから後天性眼瞼下垂ではあり、その本態は軽度筋性+一重まぶたによる皮膚性が主体と考えれらた。また、眼裂横径25mm、内眼角間距離36mmと横が小さく、蒙古襞が突っ張っているので原因の一つになっていると考えられた。
いつものやつを提案したら、保険での切開法頑健下垂手術に自費での眼頭切開を併施するのがふさわしい診断したら、患者さんは積極的に提示症例を承諾されました。もちろんプライスダウンが伴います。
今までに埋没法で作ったことのある跡のうち一番上のライン=約6mmのラインを選択し、3mm切除し、LT法を加える。4mmのZ-形成法による蒙古襞の解除をつなげてデザインしました。
早速術前術後の画像を提示します。
上記画像は、術後1週間です。術直後より48時間後の方が腫脹が強くなりました。患者さんがそう言います。術後1週間では腫脹がピーク時の50%は残っていますから、術直後より腫れていることもあります。要は48時間後の腫脹のピークをどの程度に済ませることができるかです。みなさんも経験があると思います。ぶつけたりした直後は痛いだけですが、内出血や腫れは48時時間後まではひどくなりますよね。気が付いたら青あざができていた何てことはよくあります。もちろん酩酊時や寝ぼけているときにぶつけたら、忘れていることもあり、翌日腫れてきてなんだろうかと悔やむこともありますよね。たまに激しい運動したら、翌日筋肉痛がひどくなるなんてことよくありますよね。
何らかのダメージを受けた体の組織は、48時間までは腫脹、出血を増加させます。身体の反応はそうできているのです。具体的に難しいことを言うと、組織損傷により、毛細血管が破綻し出血します。直ちに止血作用が働き始めますが、同時に化学的物質が流れ出てきて、まず血管を拡張させます。その結果血管から液が漏れ出します。液は組織修復の材料を供給するためですが、材料だけでなく、組織修復を促進する化学物質も含んでいます。これら創や組織を治すのです。でも、液が漏れるのですから、それが腫脹となるのです。その後、液は血管内に吸収されます。きっかりではないのですが、48時間から働き始めます。その結果腫脹は引き始め、同時に組織修復が進むのです。
それでは、48時間までの液の漏出=主張はコントロールできるのでしょうか?。YesでもありNoでもあります。一つには組織のダメージの程度に左右されるからです。手術の程度は症例によりかなりの差があります。必要なら大きい切開をしますし、切らない(小さな傷)での手術で済む場合も多いのです。でも、手術の侵襲に比例するわけではありません。そこで、術後48時間の腫脹等を軽くすれば早く治ります。そのためにできることは、冷却と拳上(心臓より高く)、もう一つ患部の血行をよくしないことです。私はいつも「顔(最近瞼の手術ばかりなので)を赤くしないこと。」、と言い含めています。顔を下げると顔が赤くなります。怒るとと顔が赤くなります。辛い物食べると顔が赤くなります。風呂(湯船)に入ると顔が赤くなります。術後にそんなことしないよって思うでしょうが、結構忘れちゃうんです。術後掃除する際に10分頭下げていたら腫れてきた患者さん。術後調理しなくてもいいように、家族のためにカレーを作り置きしておいたのを患者も食べたら腫れてきた症例もありました。術後は細かい注意は怠るものなのです。逆に挙上を心掛けて座って寝た人は「全く腫れませんでした。」、と自負していました。「もっとも寝られませんでしたが・・。」という落ちはついていましたが・・。本症例が48時間の間にどんな経過をたどったかは判りませんが、術直後より1週間の方が腫脹が強かったのです。もっとも患者さんはあまり気にせず、「こんなもんでしょ?」と仰っていました。
今回手術内容については詳細の説明はしませんでした。腫脹がもっと引いて形態と機能が完成してきたら、「どうです!」という説明(自慢)を書き揃えたいと思います。