私達の主宰しているJAAS;Japan Anti-aging and Surgeryは学会とは違って、ライブサージェリーを主体とした勉強会です。午前中に会議場で講義してその日の手術を説明した後に、午後にクリニックで手術をするのですが、ベテランの医師数名には手術室にまで入ってもらい、手術の進行にしたがって、術者と直に手術の機微を語り合い、会場とはインカムで繋ぎ質問を受ける事が出来るという、参加者に取っては面白いけれど、術者に取っては面倒な事この上ない勉強会なのです。術者は手と耳と口を同時に動かす必要があり、そのため脳は同時に三つの働きをコントロールしなければならないから、聖徳太子になった様な気がします。
今回の症例は鼻の手術ですが、いつものやつ;鼻翼を糸で締める縮小術に加えて、鼻尖を注入で高く、小さくする治療を併施しました。
術前術直後の画像比較から提示します。どんなもんだいな結果です。
さてライブサージェリーなので、中継画像をクリニックから会議場に飛ばしていますから、それを録画してあり、一部は静止画像を抽出してあります。
主に私と症例患者の実像、時に参加医師も写ります。今回は主に手術中の私と、患者さんを提示します。手術対象である患者さんは、仰臥位で足下から撮っているので個人が判明しないという前提で提示許可されてます。
思い出してみると、これまで糸による鼻翼縮小術の症例と説明は何例も提示してきましたが、術中の画像提示はこれまで滅多に出来なかったのです。文章での説明だけより画像が併示されていた方が皆さんのご理解が深まるでしょう。その意味で今回のブログは画期的です。
いきなり左鼻翼から右鼻翼に向かって糸を通す為の注射針とその際に局所麻酔を注入する為のシリンジを通します。36㎜の長さを麻酔しながらゆっくり通します。
右鼻翼から出た針先から特性の糸を通して行きます。右画像では糸が見えるでしょう。
同様の事を右から左にも通したら、鼻翼の両側に2本ずつの糸が出ています。これを共に結紮(結ぶ)します。と同時に結びながらサイズを測ります。
結紮は3回結ぶのですが、1回目の後計って、予定サイズまで寄せたらあと2回結びます。ご覧の通り30㎜にしました。
その後鼻尖に注入しました。今回はこの点の内容物で議論しましたが、新しい方法で作製した自家細胞移植です。細かい事は結果を見てから説明します。これにてライブ手術一例が終わりました。
こうして術前術後の画像を保存しておき、画面上で比較したりできます。この瞬間に聴衆からは感嘆の声が上がります。
もう一度術前術直後の静止画像を提示します。実は1週間目の画像が紛失しました。いつも経過画像を追って行っているのですがこの回は割愛します。
JAASは不定期ですが年に3〜4回は開催されます。そこで、次回半年程度後のJAASで症例の経過を提示したいと思います。これまでなかなか難しかったのですが、来場の依頼を取り付けました。
先日のJAASで、昔からの友人である広比先生に登壇してもらいました。彼と私は20年前にコムロクリニックで同時にアルバイトしていました。私のブログの歴史のシリーズでも35回目くらいから登場しています。東大の形成外科医局在籍中から、美容外科の診療に力を注いでいました。ついでに言うと、当時のコムロには形成外科医で美容外科を並行して診療する医師が沢山いました。今や有名クリニックの医師方々です。本邦に美容外科医が2000人は存在する中で10指に入る知識と技術を誇ると思います。
その広比先生に講演してもらったのは、ベーカーゴードンアカデミーの紹介です。毎年USAで開催される主にPlastic Aesthetic Surgeon; 形成美容外科医の集まりで、やはり学会とは別の会議です。ライブサージェリーを見せるだけでなく、年単位の経過を必ず提示する義務があるそうです。それをパネラー(第三者的医師と有識者)が評価するそうです。ある有名な医師などは、1年後の経過が戻っていたので評判を落としたそうです。実はJAASはこんな回を目標として発足させたのですが、恥ずかしがり屋の日本人は何度も出てくれません。実は参加医師がライブ手術症例の患者だったりする場合もあり、来場している方も多いのです。そこで、今回こそ、経過を提示しようと張り切っている次第です。
でーも、自信満々で提示出来るかちょっと心配しています。そこで、2回目手術や追加手術を密かにして行こうと画策しています。それはそれで、ダウンタイムが短いから、手術を繰り返す事が可能だという意味での症例提示になるからです。どうするかは次回のJAASまでのブログに載せていきます。