2017 . 4 . 12

可愛い目元はこれだ!、黒目整形切開法と目頭Z−形成の組み合わせは至上の手術です。1週間後で結果が予想されます。

今回の症例は20歳代後半の女性で美容に対する意識が高い患者さんです。これまで8年前にS美容外科で重瞼術埋没法。3年前にPクリニックで目頭切開Wー形成法。3年前に当院で両側NILT2点(切らない眼瞼下垂手術=黒目整形)1年半前に左が緩み、1年前に左右内側1点追加。やはり緩んだ。なかなか定着しない、特に内側が挙がらないため、今回切開法をして定着させましょうということになりました。形態的にも改良を計りたい希望です。

他院で受けた目頭切開手術はW−形成法ですから、蒙古襞のの拘縮が解除されていない為に目頭の位置が下にあるため、吊り目に見えるのがキツい感じです。やはりZ−形成法による拘縮解除を求められました。実は別の診療でも当院に通われていて、当院を気に入られて当ブログをひもといて、目頭切開の症例を沢山ご覧になり、「これだ!」とピンと来たので、私の手術を受けたくなったそうです。毎回記していますが、目頭切開はZ−形成法が最良です。他の方法の手術を受けない方が皆さんの為です。なおその点は最近やっと理解認識されてきました。患者さんがブログ画像を見て「こうして欲しい。」と訴えます。「そうです私はそうします。」と言ってるのに、他の手術を受けてしまう方が居るのが残念です。

今回は症例の術前と術直後と術後1週間の画像を提示します。まだ出来上がりではありませんのでお間違いなく!

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA1週間で落ち着いて来ましたが、腫脹はまだ。

もう一度術前所見を説明します。挙筋筋力(滑動距離)は13㎜と正常範囲で先天性筋性眼瞼下垂は否定的。眼裂横径は27㎜と標準的、内眼角感距離は35㎜と離れ気味(以前に受ける前の数字は40㎜だったそう)、角膜中心間距離は60㎜と標準的。つまり蒙古襞の被さりはまだ残り、前回の目頭切開の効果が不足と感じている。フェニレフリンテストは仕事の都合で施行せず。(点眼後数時間は細かい作業が不能となる。) 後天性眼瞼下垂は軽度有り、皮膚は重瞼が緩んでいるため瞼縁に乗っかっています。(皮膚性眼瞼下垂です。) 視診上目頭の位置が目尻より下にあり、下向きに尖っています。本来モンゴリアンスラントは、目頭と目尻を結ぶ角度が平均5度の外上がりです。

術式はいつものヤツ。重瞼線は既存(埋没法)の8mm高。切除は幅3mmとし、Z−形成の上の辺に連続させます。一辺は左4mm、右5mmの60度のZ−形成のデザインです。挙筋はLT法=黒目整形=眼瞼結膜側での結膜、ミューラー筋、腱膜のtacking;ズボンのタックみたいに折り畳むことで強化します。重瞼の伝達力は弱いため再建固定しました。

術直後の画像では腫脹が強く開瞼を阻害していますから(患者さんの手術後の疲労も影響している。)、目を細めてしまっています。術後1週間ではキラッと開いています。下に術前、術直後術後1週間の順に近接画像を並べます。

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術前と術後の目頭の位置の改善が確実に見られます。患者さんは目頭の形にも関心があり、「丸くなると不自然だし、野暮ったい。」「尖ったまま挙がる方がいい。」と希望されましたが、その通りに出来ています。私の行なうZ−形成術ではその辺も留意していますし、デザインのミリ単位の位置で調整出来ます。更に内眼角靭帯の周囲の剥離で挙がり具合も変えられます。本症例は最大限挙げられました。開瞼は充分に強化されました。術前術後を比較すると明らかに黒目の露出は増加しています。しかも、黒目の上にかかる瞼縁が水平になりました。術前は内側が被っています。

重瞼の引き込みは、私の医学博士論文にある様にTransmissionです。挙筋の収縮による牽引力が皮膚または眼輪筋(前葉)に伝わるような構造にすれば、二重瞼になります。学問的に証明されています。切開では糸で固定した線に瘢痕(創跡のコラーゲン)が出来ます。これは自然な二重瞼の構造に変化する事です。構造が出来ますから、外れません。ただし瘢痕のコラーゲンが完成するのには3ヶ月程度かかります。当院では、最近では切開法はほとんど全例私が担当していますから安心です。

こんな私の手術を受けた症例患者さんは大変お悦びになります。ただし通常は術後3ヶ月以上を経ないと完成に到りません。若年者は経過が早いのですが、術後は全くもって、手術しました感が見えます。これは切開法では避けられません。目頭切開も同様で引っ張られた感じになります。

これまでの症例をご覧になっている患者さんも、読者の皆さんも、術後経過はご理解いただいている事と思います。形態も機能も日に日に良好化して行き、患者さんに感謝される毎日です。逆に言えば多くの症例を提示すれば経過の変遷も念頭入れられるので、治療に臨み易いと思います。

最近このブログの症例を見て、経過も理解されてから来院される方が多くなりました。私も診察室で、ブログを開いて説明する機会もあります。さらに患者さんがスマホでブログを開いて、「この人みたいになりたいわあ!」と訴える事もあります。私は「元の顔が違うのだからその通りにはなりませんよ!、でもポイントは押さえます。」と返します。そうです。それぞれの患者さんが違う眼瞼像を呈しています。

東アジア人の患者さんは間違った形態と機能を呈している場合が多く、そのポイントを見出せます。間違った形態と機能のポイントとは;1、先天性一重瞼または狭い二重瞼。何度も言いますが一重瞼は先天性異常です。2、皮膚の弛緩と下垂の程度は一重瞼と二重瞼により差が有る。3、眼瞼挙筋による挙上力の伝達性の低下。4、眼裂横径の狭小による開瞼の差。5、蒙古襞の拘縮による内側の開瞼不良。6、目頭の位置と目尻の位置の傾き=モンゴリアンスラント。

様々な要素の程度を見出すと自ずから患者さんの個性=機能障害と形態異常が判ります。要素の組み合わせですから様々な形態と機能があります。いろいろな要素を組み合わせて治療プランを立てていくのです。だから、手術法は多岐に渉りますが、本ブログをご覧になって来院される患者さんはポイントを掴んでこられる方が多く、こちらが示唆するまでもなく、希望を打ち明けられます。

最近ではさらに、本症例の如く他院での手術後の患者さんも来院されます。ポイントの一部が改善されていますから、足りない部分を理解している方が多くなります。ここだ!というポイントを抑えると格段に機能と形態が改善します。そんな時術後に患者さんが、目をキラリとさせて私を見て「これです!。」と悦ばれます。私もその瞬間に脳にピカッと電気が走り、「ヨーシ!」と自負します。

こうして、診察時から真摯に臨み、患者さんとコミニュケーションしているから、術前のプランは適切となります。手術はプラン通り進行しますが、術中調整が必要な事もおおくあります。そして人間という生物の反応としての手術後経過はバリエーションがありますが、結果はプラン通りになります。その点では本ブログで典型的な症例を列記していますから、患者さんも理解して容認されます。

実は眼瞼形成術をブログで画像提示して来ましたが、余りに正直にすべての画像を提示している為に、周囲のスタッフからは「こんなの見せたら客は引いちゃうよ!」って怒られます。でも患者さんに聴くと「こんなものですよね、他のクリニックのホームページなんかではいいところしか出していないからウソだし、画像検索するともっとすごい画像も沢山あるから先生のはゼーンゼンいい方でしょ。」って逆に諭されます。だってだから患者さんは経過を理解して受けられるし、完成形が素晴らしい形態と機能を呈しているので、希望に胸を膨らませて受診し手術を受けられるのでしょう?。正直者が得する世の中であって欲しいものです。

さらに術後経過を提示していきますから、お楽しみに。