2017 . 9 . 7

眼瞼下垂手術切開法と目頭切開Z-形成法:この組み合わせはむしろ自然です。

いきなり術前と術後6週間の画像を載せます。違う質の目元になりました。但しこれはこれで、キレイなだけでなく自然です。

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楽しそうな患者さん。姉妹で受けられましたから、信頼されています。今回ご承諾いただき、妹さんも、もう一度画像提示させていただきます。

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妹さんの経過を見て、ご理解がされていますから安心ですとのこと。こちらの症例は経過が順調で形態的、機能的な改善性が高い。何しろ学生で就活前だという事でしたから、細心の注意を注いで手術しました。見事にクリアーしたそうです。そりゃあそうでしょう!。手術は神の手を持った人間がするのですが、要は私の気合い次第です。本当に毎日私は、全ての患者さんに対してベストを尽くしています。

本症例の経過は妹さんより遷延しましたが、血種が起きただけで、抜糸後にはメイクでカモフラージュ出来て、術後2週間ではもう何も無かった様に出来上がりました。目の開きも予定通り揃ってきました。患者さんも「ゼーンゼン左右差がなくなりました。」と余裕の表情です。

症例は27歳、女性。先天的に重瞼線はあるが浅くはっきりしない。瞼が重くなってきたのを自覚している。開瞼時に常時前頭筋を収縮して眉を挙げているのは自覚もある。結果として当然頭痛、肩凝りも自覚している。これらは前例の経過を見ているから理解出来ていることで、このような面でも経過を知っていると有用性があるのです。ソフトコンタクトレンズ装用歴は15年。

現症:挙筋筋力(=挙筋滑動距離=閉眼から上方視)は15㎜と正常。後天性腱膜性眼瞼下垂を示唆される。眼裂横径26mm、内眼角間距離32mm、角膜中心間距離58mmと目は離れていないが離れて見えるのは蒙古襞の拘縮が強い証拠。

後天性腱膜性眼瞼下垂症と重瞼の弱さから皮膚性の下垂も合併している。蒙古襞は拘縮し、吊り目が目立つ。

デザイン:重瞼線は6mmに設定し切除幅は最低量の2~3mm。LT法で挙筋修復を図れば開瞼が得られると予想しました。蒙古襞は一重まぶたに準じて一辺4mmの60度のZ-形成を行い1.5mm開く。

画像を提示します。上二葉は、左図が術前、右図が術直後。下二葉は左が術後3日目、右が術後7日目です。短期的変化が判ると思います。

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下に3週間目の画像。よくできたので、大きく提示します。妹さんの出来上がりを並べてみます。

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姉妹揃って美人の目元を作り上げられました。しかも自然にある様な二重瞼で、目力も着いて、目の横径と顔面との比率も適切です。

要するに日本人(東アジア人)の眼瞼部は特殊ですが、日本人の半数は二重瞼で、蒙古襞の拘縮は軽度、つまり吊り目の程度に差異があります。開瞼は良好な方が知的に見えますし、実際に視情報が増えるので有利です。目がパッチリしていた方が、可愛いだけでなく美人です。最終結果を提示するのが楽しみです。

近接画像で術前、術直後、術後3週間を見ましょう。

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3画像は違いがはっきりしていますが、メイクとエクステの差も影響しています。中期的な経過が判りますよね?!。

術直後は右眼瞼の内側の瞼縁に角が見られます。LT糸が掛かっている点です。皮膚はその分相対的にだぶついています。そこから眼頭に掛けて腫脹もあります。術後2週間では消えました。左眼瞼も内側1/3の位置に緩い角が見られます。目頭の矢印が刺す方向に注目してください。術前と術直後で変わっています。もちろん開瞼は向上しています。

今回も眼瞼下垂症手術≒重瞼術と目頭切開≒眼瞼下垂症手術について概説します。最近私のブログでは、この組み合わせがほとんどですが、何故か?。その方が自然だからです。東アジア人の特徴である遺伝子の突然変異は異常なので、治す方がホモサピエンスの自然な形態を取り戻せるのです。

東アジア人特有の遺伝的変異が発現した上記の特徴は、中国と韓国と日本に蔓延しています。もっとも日本には、南洋からの先住民も定住していましたから、一重瞼遺伝子を持たない者も残りました。日本人では現在まで統計上では一重か豚と二重瞼が半数ずつと変わりません。

一重瞼の遺伝子が遺伝すると、二重瞼の遺伝子を持つ人と比べ蒙古襞が被さり、平均3㎜の差が有ります。蒙古襞は拘縮して、吊り目になると同時に眼瞼内側方面の開瞼を邪魔します。つまり開瞼に抵抗し、眼瞼下垂症の原因の一つになります。

第一眼位で皮膚が瞼縁にかかるのが一重瞼の定義です。その状態では視界が得られないので、開瞼時に反射的に、前頭筋が収縮し、眉を挙げて眼瞼の皮膚を引き上げて、目を開く様に神経回路が出来上がります。

最近判った来たのですが、開瞼時に前頭筋が使わ続けると、眼瞼挙筋の筋力の発達が止まる様です。一重瞼の患者さんでは、前頭筋収縮で開瞼するので眼瞼挙筋の寄与が少ない為に眼瞼挙筋が成長しないと考えられます。一重瞼の患者さんでは、挙筋機能が12m前後と正常下限値の人がほとんどです。それに後天性眼瞼下垂症の発症も早い様です。

一重瞼は皮膚性眼瞼下垂症ですから、二重瞼にする重瞼術は受けるべきです。その際、眼瞼下垂症を伴う率が高いので、眼瞼下垂症手術を同時に行なうべきです。希望に依って重瞼術単独施行後に、皮膚が持ち上がったら眼瞼下垂症が露呈してアララな事が少なからずあります。だから診察時に同時に施行する様に奨めています。眼瞼下垂手術を行なうと、もちろん保険診療です。一重瞼を二重瞼にする重瞼術を受けるなら、蒙古襞の拘縮も二重瞼に合わせて改良するべきです。こちらは自費診療になりますが、こうしてブログ提示の契約をしていただくとコストオフができます。

いつもの手術の組み合わせは自然な形態と機能を作り上げられる。とっても良い治療です。

本症例の術後6週間の画像と、妹さんの術後3ヶ月での画像を提示します。何しろ目がパッチリ、クッキリで吊り目が解消しています。姉妹揃って素敵です。

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やはり中長期的経過が美しいから、皆さんに受け入れられるのですね。

私は、定期的に経過画像を提示していきます。でも、正直に術後経過を提示しているから、患者さんは安心するようです。現に本症例の患者さんは妹さんの経過をご覧になって知っていました。現実に、妹さんの術後経過と最終結果を見て患者さんが殺到しました。標準的な経過が解ると評判です。他医の提示する症例ではダウンタイム中は見せません。私のブログが、経過を見せて患者さんの理解に役立つ、唯一のものなのかも知れません。

では次回をお楽しみに!