2017 . 5 . 24

黒目整形非切開法=切らない眼瞼下垂手術=NILT法はこんな症例にも使えます。

本症例は他院術後例に対する黒目整形非切開法=切らない眼瞼下垂手術=NILT法での修正手術ですが、改善が見られます。この経過は使えます。

まずは両側眼瞼部の画像をご覧ください。

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症例は38歳、女性。先天的には一重瞼だった。じれまで4回埋没法を受けている。その際に眼瞼下垂状態を指摘されたこともあった。目頭切開も受けた。

理学所見を取ると、眼裂横径25mm(一重瞼では平均25mm、二重まぶたでは平均26.5mm)、内眼角間36mm(一重瞼では平均36mm、二重まぶたでは平均33m)、角膜中心間62mm(平均60mm)と目は離れていないで、蒙古襞は残存し拘縮が見られ、しかも左側には傷跡の陥凹が診られる。LF11mmと正常下限眼瞼下垂ではある。左眼瞼の方が開瞼が弱いためッフェニレフリンテストでシミュレーションしてみると、完全ではないが開瞼が挙がる。先天性眼瞼下垂症に後天性腱膜性眼瞼下垂症が合併している状況。

切開法の適応ではありますが、フェニレフリンテストでの効果までなら、非切開法でも可能と考えられた。目頭部の創跡は治したい希望。蒙古襞の拘縮も眼瞼下垂症に合併しているため(特に眼瞼内側付近の直線化に関与している。)両側にZ-形成術による解除の適応がある。

さすがに目頭切開手術はダウンタイムが必要なので、先ずはダウンタイムの短い黒目整形非切開法=NILT法を施行しました。上の正面像ではクッキリパッチリの方向性が診られます。術前、術直後の近接画像もご覧下さい。左から右眼瞼の術前、術直後、左眼瞼の術前、術直後の順です。

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本症例の改善点は、1、開瞼の良好化 2、瞼縁のカーブのアーモンド化 3、重瞼線は若干挙げる目的があり 4、明瞭化と持続性も求められます。

それぞれに評価していきます。1、開瞼は強化されていますが、術直後には撮影時の力の入れ方次第です。術中にが動的に明らかに開瞼がアップしていました。この点は次回以降に評価して下さい。2、形態的に窓の形は内下がりになる構造の人です。眼瞼を裏返して瞼板を見ると、内側が細くなっていました。この場合内側に挙筋もございません。しかも、蒙古襞の拘縮が残存しているため、窓の内側が突っ張っています。目頭切開の効果が得られていません。何度も強調して来ました。目頭は蒙古襞の拘縮を解除するのが目的ですから、Z−形成法以外はするべきでは無いと思います。近々ダウンタイムを取れる時期に施行する予定です。その際も症例供覧したいと思います。3、重瞼線は1㎜挙げました。でも開瞼を強化すると、瞼縁は挙がり、皮膚は持ち上がらないので開瞼時の見た目の幅は余り広がりません。でもそれが綺麗です。クッキリ入ってパッチリ開いています。4、重瞼線は明瞭化していますクッキリ度が上がっています。術直後は腫脹も伴い、点が強く引っ掛かっているのでラインは乱れていますが、数日後にはカーブを描く様になります。持続性ですが、黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法をして、挙筋腱膜とミューラー筋と眼瞼結膜を縫い縮めると、引き上げの力が強まるため、重瞼の引き込みも強くなり、結果的に長持ち=持続性も延長します。

本症例は近々目頭の蒙古襞の拘縮解除と、創跡の拘縮解除を目的として、Z−形成法での目頭切開を予定しています。その際の症例提示も含めて、今後画像供覧をしていきますので、経過を見ていきましょう。