2014 . 3 . 21

重瞼術切開法は永久的か?。眼瞼下垂手術を併施すべきか?。目頭切開の必要性は?。そのⅠ

私にかかる患者さんに、何故眼瞼下垂症例が多いのか。一重瞼は眼瞼下垂症を伴なっている事が多いと、提唱しているからなのか?。私がここで症例提示する際に詳細に経過を追っているから、結果を見て、読者が理解納得されるから、受診されるのか?。さらに目頭切開眼瞼下垂の原因となる蒙古襞を治すZ-形成法による目頭切開術が効を奏しているために、希望される方が多いのか?。そうだ、前に目頭切開の仕組みを図で詳しく説明したのが、解りやすかったのかな?。

いずれにしても、提示する症例に眼瞼下垂を伴う一重まぶたで、蒙古襞の拘縮をZ-形成法による目頭切開で治すと同時に、どうせ切開するので、重瞼術を切開法で、挙筋前転法を加える患者さんが、多くなっています。

但し、あくまでも、患者さんの希望に応じて行うし、私は詳しく説明したうえで、術式を提示選択していただくのをモットーとしています。その際コスト的な配慮から、症例提示をさせていただくことが多くなっているのも事実です。

今回の症例もそうですが、中国からの留学生です。中国北方の出身だそうで、蒙古系の遺伝子が多く入っていると推測される眼瞼形態です。つまり、一重瞼で、眼瞼下垂状態=挙筋滑動距離は11ミリと低下が見られる。蒙古襞が強く拘縮していて、眼瞼内側が特に開きにくい。眼裂横径が26ミリで内眼角間距離は37㎜。角膜中心間距離は61㎜と目が離れているわけではありません。眼裂が、角膜外側では、7.5㎜あるのに、内側は6.5㎜となっているのは、蒙古襞の関与を示唆しています。

こうなるとやはり、眼瞼下垂症手術をしなければなりませんね。挙筋前転法で可能な症例です。重瞼術は実は3年前に他院で埋没法を受けていますが、消失したそうです。その跡のラインでいいそうです。目頭切開は一辺4mmで60度のZ-形成法の適応と考えられます。もう一度数字的に説明すると、眼頭は左右1.5㎜ずつ開き、距離が34㎜になり、まぶたの弧の長さは3mm延長され拘縮が解除されて、開き易くなるはずです。

症例は30歳、女性。左は術前写真、右はデザインです。重瞼術の切除線と目頭切開の上辺を繋がる様にしています。全体写真なので解りにくいかも知れません。それにしても、術前の眼瞼は可哀相なくらい下垂です。

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術直後の写真は、腫れていますから、形態が良く判りませんが、腫脹の軽い右側は充分に結果を見せています。

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上の術前写真でご覧いただける様に、眼球の位置は離れていないのに目頭に蒙古襞の皮膚が被さっていて眼の内側が隠れているために、相対的に目が内側に寄ったように、つまり寄り目に見えています。たまに患者さんに「目頭切開したら、目が寄ってしまいませんか?。」と聴かれますが、逆です。今回は経過を診ていくとよく判ると思いますから、その観点でも見ていきましょう。本題に戻ります。この今日のお題にある三点に付いての詳細な回答は、次回お話しします。

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