症例は50歳、女性。埋没法による鼻翼縮小術の2回目の症例です。先ずは画像をご覧下さい。
上の列は術前。方向を変えてみましょう。
上の列が術直後。明らかに変わってお悦びです。
鼻翼縮小術はサイズが問題です。アジア人は鼻が低いのですが、実は幅があるから、3次元的に見るとより低く見えます。中学校で習った縦横上下の軸を頭の中に書いてみましょう。アジア人の外鼻は上下にも短いのですが、中顔面が短いので仕方なく、鼻根が低いと外鼻の全長が短く見えます。最大前後長(縦軸)は短いのは下から見れば判ります。最大幅(横軸)は鼻翼の幅です。
白人では縦長が横長より大きい人が多いのに対して、アジア人では縦長より横長が大きい人は滅多に居ません。人の目にはやはり、縦横比が三次元的に認識されます。ちなみに人間は哺乳類の中で二つの目がもっとも前を向いているので、遠近感を認識出来る動物なのです。こうして見ると、鼻翼最大幅のサイズ変更は、すごく価値があります。
鼻翼の手術は適応診断が非常に重要です!。大きく分けて外側切除術と引き寄せ法があり、引き寄せ法には内側切除術と埋没法があります。
外側切除法の適応は特に限定されます。鼻翼が折れ返りより横に張り出している場合に限られ、シミュレーションで判ります。適応外の症例に施行すると、鼻翼が動物みたいにペチャンコになり変です。父が約30年前に適応外の症例にも施行したのですが変です。その後私が診ていますが、今でも気になります。また、未だに巷間のチェーン店系美容整形屋が、金儲けの為にしてしまいます。たまに手術後を診ますが、治すのに苦労します。ブログにも何例かあります。
鼻翼と顔の折れ返り線が大きい人が大多数です。この場合溝を引き寄せるべきです。糸だけに因る埋没法と内側切除または真皮弁法がありますが、いずれにしても最大幅を計り、縮める量を決めて、後戻りを予定してオーバーコレクションします。埋没法では平均的に寄せた量の半分が戻ります。切除法でも数㎜戻ります。
内側切除法はもちろん切るので腫れます。埋没法を併用することもあります。それでもある程度戻るので採用する症例は半分以下です。埋没法は糸で寄せるだけですが、ある程度は定着します。手は短時間で出来ますが、糸を通す際の麻酔が意外と痛いのです。また術後の拡げる表情で痛いのですが、だから拡げなくなるのを良しとする人が多いのです。
埋没法との名称の通り、後戻りは否定出来ません。眼瞼でもそうですが、簡単な手術は戻る可能性を容認して貰います。最近TVCMで何年間は治しますと流れていますが、これはビジネス上のサービスで、オートメーション化(ベルトコンベアー)化して診療しません。私は、戻る可能性を予想して説明して、それよりもデザインを丹念に検討する方が真面目で優良だと思います。
今回埋没法と称しました。どれだけ戻るかは判りませんが、患者さんは満足しています。まだ術直後ですから、「さあーて、術後1週間が後戻りの時期です!、来週診せて下さいね?。」と告げました。読者の皆さんも次週をお楽しみに!。