今回のお題はシンプルです。3か月前に切らない眼瞼下垂手術を施行しました。
いきなり接写写真を提示します。上左図は右眼瞼、上中図は右眼瞼?、左眼瞼?、上右図は左眼瞼。答え:上中図は左眼瞼の左右反転画像です。髪を見れば判ります。ばれていますよね?!。右眼瞼とそっくりなのを魅せたかったのです。よく見ると反射しているライトの点も同じです。それだけでなく眉の位置も同じです。それだけ開瞼が揃っているのです。術後3ヶ月ですが、とっくに揃っていたそうです。
眼瞼下垂手術は保険適応ですから、費用は公的設定で自己負担は3割です。出来高算出ですが、挙筋前転手術は約5万円の自己負担ですから、2割引きでのブログ提示を希望する人は滅多に居ません。当方もお奨めしません。
初回手術は約9か月前に、後天性腱膜性眼瞼下垂手術に対して挙筋前転術を眼瞼結膜側から施行し、弱い重瞼線(しわに過ぎない)をしっかり固定して皮膚性眼瞼下垂状態を改良しました。9か月の手術直後は腫脹があったので、左側眼瞼の内側の開瞼が得られなかったと考えていました。でも術後3ヶ月を経て腫脹の影響が解消しても、下左図の如く右側眼瞼に比べ不足でした。
患者さんは早く治したいとの希望で、それなら!切らない眼瞼下垂手術は自費手術ですがブログ提示を依頼します。2割引きしますし、一点だけの追加なら費用負担も出来るとのことで左側眼瞼の内側にNILT法=黒目整形を施行しました。御陰様でブログに載せられます。
上は3か月前の手術時の術前と術直後です。眉の位置に注目して下さい。術前左眉の方が右眉より挙げていました。術後は右眉の方が左眉より挙がっています。従って重瞼の幅も逆転しています。眉を挙げるのは不随意的反射運動で、眼瞼下垂状態があると開瞼時に前頭筋が代償的に収縮するから眉が挙がるのです。上左の術前画像では左眼瞼の瞼縁が右眼瞼より挙がっていない眼瞼下垂状態なので代償性に眉が挙がっていて、上右の術後の画像では左眼瞼の瞼縁は挙がったので、左眉は下がりました。右は術前と変わっていません。
上は術後2週間の画像二葉です。目元が魅力的に映りました。キラリクッキリパッチリです。では右眼瞼はどうしましょうか?。そこで近接画像を見直します。
大事なのは瞼縁の挙がりです。目の窓は上眼瞼挙筋が収縮して瞼縁を引き上げます。そして挙筋が枝分かれして皮膚へ繋がっている高さに重瞼線が出来ます。ですから、開瞼は瞼縁が挙がっているかと、皮膚が挙がっているかの二つの要素が影響します。本症例では前回の手術で重瞼は予定の高さに作りましたが、左内側付近の挙筋の強化度が不足だったと考えられます。そこで今回、眼瞼の修正追加手術を加えました。結果はご覧の様に左内側の瞼縁が挙がって、目の窓を綺麗なアーモンド型に出来ました。重瞼が狭くなったのは瞼縁が挙がったからと、眉を挙げなくなったからです。
そうして見ると今度は右眼瞼が気になります。やっぱり内側の挙がりが足りないかも。そこで3か月前の術前画像を見ると、右眼瞼の方が落ちている。今回右眼瞼は様子を見ましたが、数日後に再診した際には患者さんも「やっぱり右も・・。」とモジモジしながら申告されました。そして、術後2週間で診察したのですが、その件に到りませんでした。
そして3か月を経た現在、右眼瞼は許せる範囲の下垂です。左眼瞼はキラキラです。診察時に私は見つめられると、明るくて表情に富んだ、うっとりさせる様な目付きでした。完成です。
重瞼術+眼瞼下垂手術の切開法は定着率は高く二重は外れません。もし万が一外れたら治します。でも眼瞼挙筋の強化は、左右で最低四点を縫い縮めますがバランスが合わないこともあります。その際も縫縮を追加します。一点の追加で済むことがほとんどですから、二次手術に於いては時間を掛けて場合に依っては何回も掛け直して合わせます。本症例の二次手術は一発で決まりました。ややオーバーだったかもしれませんが若干の緩みを計算済みでのことです。実際いい感じに仕上がり患者さんはニコニコです。