2018 . 1 . 24

今回はシンプルに眼瞼の修正症例です。2週間の経過です。

今回のお題はシンプルです。3か月前に眼瞼下垂手術を施行しました。

眼瞼下垂手術は保険適応ですから、費用は公的設定で自己負担は3割です。出来高算出ですが、挙筋前転手術は約5万円の自己負担ですから、2割引きでのブログ提示を希望する人は滅多に居ません。当方もお奨めしません。

詳細は省きますが、後天性腱膜性眼瞼下垂手術に対して挙筋前転術を眼瞼結膜側から施行し、弱い重瞼線(しわに過ぎない)をしっかり固定して皮膚性眼瞼下垂状態を改良しました。

前回の手術直後は腫脹があったので、左側眼瞼の内側の開瞼が得られなかったと考えていました。でも今回術後3ヶ月を経て腫脹の影響が解消しても、下左図の如く右側眼瞼に比べ不足でした。こりゃあ残念!、私としては前回手術から6か月待ってもう一度保険請求が出来ると考えました。同じ手術でも(要するに失敗に対する再手術になります。)6か月明けたら保険で請求できるのです。

この様に提案したのですが、患者さんは早く治したいとの希望で、それなら!切らない眼瞼下垂手術は自費手術ですがブログ提示を依頼します。2割引きしますし、一点だけの追加なら費用負担も出来るとのことで早速左側眼瞼の内側にNILT法=黒目整形を施行しました。御陰様でブログに載せられます。

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上は今回の術前と術直後です。眉の位置に注目して下さい。術前左眉の方が右眉より挙げていました。術後は右眉の方が左眉より挙がっています。従って重瞼の幅も逆転しています。眉を挙げるのは不随意的反射運動で、眼瞼下垂状態があると開瞼時に前頭筋が代償的に収縮するから眉が挙がるのです。上左の術前画像では左眼瞼の瞼縁が右眼瞼より挙がっていない眼瞼下垂状態なので代償性に眉が挙がっていて、上右の術後の画像では左眼瞼の瞼縁は挙がったので(ライトの反射の数が増えたのが証拠です。)左眉は下がりました。右は術前と変わっていません。

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上は術後2週間の画像二葉です。目元が魅力的に映りました。キラリクッキリパッチリです。では右眼瞼はどうしましょうか?。そこで近接画像を見直します。

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大事なことは瞼縁の挙がりです。目の窓は上眼瞼挙筋が収縮して瞼縁を引き上げます。そして挙筋が枝分かれして皮膚へ繋がっている高さに重瞼線が出来ます。ですから、開瞼は瞼縁が挙がっているかと皮膚が挙がっているかの二つの要素が影響します。本症例では前回の手術で重瞼は予定の高さに作りましたが、左内側付近の挙筋の強化度が不足だったと考えられます。そこで今回、眼瞼の修正追加手術を加えました。結果はご覧の様に左内側の瞼縁が挙がって、目の窓を綺麗なアーモンド型に出来ました。重瞼が狭くなったのは瞼縁が挙がったからと、その結果眉を挙げなくなったからです。

そうして見ると今度は右眼瞼が気になります。やっぱり内側の挙がりが足りないか?。そこで3か月前の術前画像を見ると、右眼瞼の方が落ちている。術後は挙がったが、内側は外側より低い。術直後は通常、内側の方が腫脹が強く影響も強いし、蒙古襞の拘縮は誰でも大なり小なりあるから、術直後は評価が難しく、術後数日で腫脹が取れてから「やはり弱いか!。」と気になり始めます。今回右眼瞼は様子を見ましたが、3か月経たので先ず左に追加しました。数日後に再診した際には患者さんも「やっぱり右も・・。」とモジモジしながら申告されました。そして、術後2週間で診察したのですが、その件に到りませんでした。アーそうですね!。左の落ち具合に比べると右の形は軽かったのですね。でも内側をしっかり挙げると綺麗ですよ!。目の窓の形はアーモンド形が綺麗なのですが、上眼瞼縁は挙筋に引き上げられた瞼板が形作るので、瞼板のある部分がやや直線的に挙がり、台形に近い挙がり方をするのが優良な機能だと考えられます。私の眼瞼もそうです。

そうして画像を見直してみると、両眼瞼部の画像と近接画像で微妙に違うことに気付きました。そうです。撮影距離や角度や眼位で変わるのですね。両側画像では約50㎝から撮りますから、眼位は輻輳(寄り目)しています。輻輳とは目が内側に向くことですから、目の窓の内側に黒目が掛かります。黒目の上に掛かる瞼縁が外側より内側が多く見えます。ところが近接画像は正面視して映りますから、右眼瞼の内側と外側の黒目のかくれる量が等しく見えます。つまり丸い窓に見えます。どちらがいいのかは患者さんの見立て次第です。眼瞼は動的Dynamicな機能の臓器ですし、眼球も視線次第で不随意に動きますから黒目を基準にすると評価が難しいのですね。アッいけない!それでは黒目整形と言う名称はまずいことになります。でもそんなことは一般の患者さんは認識していないでしょう?。本症例の患者さんは美的向上心が高いので認識されると期待しています。近々検討しましょう。

今回の画像提示はシンプルに書こうと思ったのですが、細かい詳しい、難しい話題を書き始めたら結構な尺になりました。それもこれも、診療中に検討しなかったからです。すみません!近々診療したいと思います。