2018 . 4 . 24

定番となりました口周りの手術でも、個体差はあります。

毎日口周りの手術を行っています。口周りの手術に於いてはバランスが重要です。私は毎回強調してきましたが、顔面全体の中での縦横の比率に応じて治すべきです。その点では症例ごとにバリエーションがあります。実際にいくつかの手術を組み合わせた症例も多くありますが、白唇が長い人を短くする手術が基本です。白唇部だけ短縮すると99%の症例が相対的に口角が下がるので、口角挙上術を併施します。また、白唇部は加齢に因り長くなり、赤唇部は加齢に因り薄くなり貧相になります。だから加齢顔貌の改善のためにも効果的な手術です。だからこそ逆に、先天性に長い場合それだけで人格に影響してしまいます。

症例は37歳、女性。上顎が下がっていて弛みや間延びした印象があると感じて来院。その前に丁寧にメールで相談事項を送ってこられました。来院されたので早速診察しました。白唇長:鼻柱基部~Cupid’s bow,赤唇の弓型の底が20㎜と長い。最大でも15mmが望ましい。赤唇が薄いので露出させたい。

顔面を計測すると、縦の比率は上顔面(生え際~眉):60mm、中顔面(眉下~鼻下):60mm、下顔面(鼻下~頤尖):62mmと下顔面が長い。下顔面の中で上口唇(白唇部+赤唇)長25mm:下口唇(赤唇+頤尖)長38mmで、黄金比の5:8よりは上が長い。

いずれにしても口唇は短くしたいので5mm切除したい。若干赤唇の露出を増やすために口輪筋上までの切除として、C-カール(横から見ての上白唇から上赤唇にかけての湾曲)を増強したい。

横比は内眼角間:34mm、鼻翼幅34mm、口唇幅50mmであり、やはり黄金比率の5:8を求めて2㎜ずつ横に拡げたいから5㎜挙上なら40度方向に挙げたい。手術デザインのプランは立てました。下の画像は術前の正面像とデザイン画です。

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上左図のような口元を上右図の如くデザインします。

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上図の正面像は左から術前、術直後、手術翌日。術後1週間の抜糸後。

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上の斜位像は術前、術直後、手術翌日、術後1週間

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側面像では術直後は腫脹も強くて白唇部がボテッとしてしまいます。手術直後はC−カールが得られていませんでした。再右の術後1週間の画像ではちゃんと出来ています。術前よりもくるんとしました。要するに手術後の腫脹によって白唇の外反度は見られません。ですから、予めある程度の外反を求める際には、そのつもりで切除の深さに留意しなければなりません。本症例では軽度の外反を目論んで口輪筋の上まで切除して口輪筋を縫い寄せました。

本症例の患者さんは丸顔で可愛い人です。契約上画像のトリミングをします。口周りの手術の際には中下顔面のそれも横幅は両側目尻(顔を5等分すると中3分)の下までしか載せません。正面画像では中下顔面の輪郭から丸顔感が推察されるでしょう。丸顔とは顔面縦横の比が5:8の黄金比率より横長なことです。今回は精密には計っていません。丸顔は優しく可愛い感じをです。でも、その中で下顔面の上口唇だけが縦長でした。上の数値が示しています。正面像でも斜位像でも側面像でも解ります。患者さんはいい所に目をつけました。上白唇の短縮術が適応なのです。結果を見れば明らかに可愛さ倍増しています。

口周りの手術を受ける症例のうち、丸顔の人と面長の人の比率は1対2くらいでしょう。

面長は顔面縦横の比率が5:8に近い人で、顔の幅は無い訳です。顔が大きいというのは正しくは幅があることを言います。顔が長いとは違います。したがって、面長の人は小顔ですが、縦長の中に下顔面の比率が多い人がいます。これまでの症例の数字を見れば判ります。下顔面のうち下口唇から頤が長い人は居ますが、これは骨の手術を要します。その後、上口唇の赤唇と白唇の長さが目立つようになる症例が多い様です。最近はこの様な段取りで手術に到る人が多くなりました。

丸顔の人は顔面縦長はないのですが、その中で下顔面だけ長いとより目立つ訳です。通常丸顔の人は頤が長くなく、下顔面が長いなら上白唇が長いのが原因です。この場合白唇部短縮術の適応であるのは間違いない訳ですが、そのためには計測が重要です。

本症例は数字的比率的にとても良い適応症例です。それが証拠に可愛く出来上がりつつあります。まだ術後1週間までですから、表情筋の運動機能低下が残っています。2~4週間で正常化します。腫脹もまだ30%以上残りますが、側面像で診られる様に白唇部のC-カールは出来てきて、可愛くなりました。術前は平坦でストンっとしていた白唇が適度に外反しました。

本症例は、丸顔で上白唇が長く平坦で、上下の赤唇の厚さが寂しいのでした。赤唇の幅はやはり上:下=5:8の黄金比率が理想とされます。手術によりその点も作り上げられました。

術後2週間で来院してもらいました。

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ノーメイクだと傷跡はまだ見えます。今後まだ術後経過で変遷しますから、お楽しみに!