口周りの手術は適応が広く、白唇部長が15㎜以上ならば適応症例と成り得ます。ただし顔面の形はバリエーションがあります。
面長の人は大抵下顔面が長く、下口唇から下も上白唇も両方長く、上白唇の切除幅のバランスを取らなければなりません。でも、先ず白唇部短縮術から入る人も多く、逆に頤骨切り術を受けてから口周りの手術を受ける人も多いのです。
対して顔面の幅がある人で縦横の比が丸顔なのに、下顔面のしかも上白唇が長い人はアンバランスですから、白唇部短縮術の適応性が高いのです。そうなれば頬骨骨切りやエラ手術との前後して受ける症例もあり得ます。
顔面縦横の比は頬骨幅:顔面上+中+下長+髪で表わせます。またぞろ黄金比の5:8を当ててももアジア人では縦長の人は少ないのですが、頬骨幅が130㎜以下の人が細面=面長。135㎜以上の人が丸顔と分けておきます。本症例は丸顔例です。
そのような様々なバリエーションを検討出来る美容形成外科医は多く存在しません。医学的な解剖学的または生理学的知見が伴う医師はチェーン店には居ませんし、逆に形成外科医の多くは専門分野以外の、特に美容外科分野の口周りの手術や目頭の手術を嫌う医師が多く、顔面骨手術の次を私に依頼してきます。それはそれで良いのですが、むしろ巧くないチェーン店系の医師が手を出してからの御治しが面倒です。
症例は22歳、女性。白唇長(鼻柱基部~弓の底)18mm。赤唇は外反しているが、白唇は歯槽の形に押し出され、富士山型に盛り上がっている。
顔面縦比は上顔面(生え際~眉下)60mm:中顔面(眉下~鼻下)50mm:下顔面(鼻下~頤尖)65mmと下顔面が中顔面より明らかに長く、そのうち上口唇(赤+白)27mm:下口唇(赤+頤)41mmで黄金比率の5:8に当てると上口唇が下口唇に比して長い。
顔面横幅は頬骨最大幅135mm:下顎角部幅108mmといわゆるエラがある。この面に対しては骨切りを予定している。両顎骨切り術は口周りの傾斜が変わるので口周りの手術のデザインに影響するため、骨切り手術を先行してもらった方が良いのですが、(最近は実際コラボして順々に受けて行った症例が何例かあります。)頬骨骨切り術とエラ骨(人間には鰓は無いが、胎児の時に原基はありそれが耳や顎になります。)正しくは下顎骨角部骨削り術は影響がないので口周りの手術を先行しても良いのです。
顔面部品の横比は内眼角間33㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅49㎜で6mm拡大したい。
白唇は口輪筋上5mm短縮し、口輪筋を折り畳んで軽くカール。口角は目尻と頬骨隆起の中間に向けて30度方向に5×7mm挙げる。実は当日に1月の骨切り予定を告げられましたが、問題なく口周りから手術します。ついでにほくろ5個の焼灼も希望されました。
画像を診ましょう。下右正面像は笑ってもらいました。
上右図は翌日の接写像です。下に手術後1週間の正面像と接写像。
創は抜糸したばかりで、メイクもしていませんから見えますが、今日からメイクで隠せます。腫脹の軽快は早い方です。内出血がないので目立ちません。
そして術後2週間で来院してもらいました。
まずメイクをしたままの画像です。上左画像ではカモフラージュして傷跡があまり判りません。上右は笑顔を湛えてもらいました。リップカラーが笑顔に似合います。
下に両側面と斜位の4方向を、術前、術直後、手術翌日、手術後1週間、手術後2週間の順に。
上の4方向の画像はよく判ります。さらに術後2か月で撮影に協力してもらいました。何故か画像が足りなかった
折角美しく装ってもらったのですが、今回はメイクを落としてからもう一度撮らせてもらいました。何故かは下に説明を載せます。
術後2週間で美しく見えています。周りに見せたら可愛いと言われたそうです。このように定式の詳しい説明が義務化されましたので、症例ごとの個体差と症例ごとの評価は毎回載せられません。
こんなに可愛い症例なのにつまらないのですが、形態が出来上がりと機能回復が成った術後1か月に詳しく記します。
下に三葉の画像。今回はノーメイクで創跡を見せてもらいました。
さすがにやはり、まだ創跡が見えます。鼻の下の白唇部最上部の創跡は、赤い一本線で、幅がゼロ㎜に近いのですが、線状陥凹は残ります。ただし創跡はデザイン上鼻孔底の畝というかリッジ,ridgeの麓に有りますから、陥凹しているから形状を変えていないし、谷にある創跡は白い線に成れば見えなくなります。対して、口角の傷跡は周囲に色素沈着が有るため幅が有る様に見えます。日常診る口角炎の様に見えます。手術後の経過中は軽度炎症が有るので色素沈着を起こすことが有ります。数ヶ月後には正常の肌色になり、創跡の線は赤唇縁に有るので見えなくなります。
とにかく形態的に満足が得られました。術前画像と比べてみましょう。
上に術前と術後1か月。白唇部(鼻の下)の長さは解消しました。
術後2か月の正面像と拡大像も載せます。
今回はノーメイクで撮影しました。もちろん創跡はまだ見えます。もちろん日常はメイクして隠している様です。白唇部の傷跡は赤い線ですが、赤くなくなれば見えなくなります。口角部の傷跡は口角炎みたいに見えます。口紅で隠せます。
左図は術前に笑ってもらって撮影。上右中図はデザイン後。上右図は術後1か月。笑った時の口角とデザイン画に於ける口角の三角形はピッタリ合っています。手術するとその通りに挙がっています。白唇の長さ反デザイン通りに短縮されています。この弓の形を気に入ってもらえました。まるでキュピット,Cupidの弓の形で、天使に魅入られている様です。
今回術後1か月で形態比較を記しました。そして今回は創跡を隠さずに撮影しました。1か月では形態と機能はほぼ完成していますが、創跡は見えます。ですから、今後毎月診て行きたいと思っています。お楽しみに!
当院は、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
その結果症例写真の条件を統一しなければなりません。医療写真はカルテ(診療録)と同様に診療行為の記載内容ですから、医学的(科学的)な証拠として保存されなければなりません。手術前と手術後経過で比較して患者さんはもとより他の患者さんも診療の効果を確認できるからです。もちろん写真には個人情報保護義務の前段階としての医療者の守秘義務を伴いますから、症例写真を載せるのは患者さんの同意の下で、多くは出演料として何%かペイバックしています。
上に書いたように厚労省の法制化により、ホームページやブログに載せる画像は撮影条件を同一にしなけばならなくなりました。何故かというと、他院の画像提示に於いて、誘引を目的として修正改ざんをしてホームページに掲載されたからです。私達は一度も行っていません。本ブログを見ても確実に経過を追って画像提示しているから、いちいち修正等出来る筈がないがないのは明白です。メイクの有無も条件の差異だと執られかねないので、今回は口紅を落として写真をもう一度撮らせて頂きました。
そして、医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について
・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。