2017 . 7 . 20

上口唇短縮術と口角挙上術の組み合わせで可愛い女子の1ヶ月。

可愛い女子には必須の手術となった感のある口唇部手術。白唇部切除術と、口角挙上術の組み合わせでこんなに可愛くなります。手術後1ヶ月も経てば、日常生活上の問題も払拭されてきます。

症例は36歳、女性。上口唇長(=鼻柱基部〜Cupid’s  bow)19mmと長く、鼻翼幅は33mmと大きくないが、口唇幅70mmと大き目。下左図の如く下顎歯槽および下口唇が上口唇より前にあり、そのため上口唇白唇部がだらんと平坦であるため立体感に欠けるため、元より長さがあるだけでなく面が見られ、いわゆる〔鼻の下が長い〕印象を呈している。

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上右図の如くデザインします。切除幅は6㎜です。上口唇の平坦感を解消する為に裏返りをプラスしたいから、皮下脂肪層全層切除で口輪筋は縫縮します。ここがポイントです。口唇幅に比して切除の距離が少ないため口角が下がらない様に、口角挙上術を要します。シミュレーションで口角は斜め45度=頬骨隆起方向へ5mm、赤唇縁に沿って7mmの三角形の切除としました。ここもポイントです。

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上図は左が術直後、中が術後一週間の抜糸時です。この短期的経過で、腫脹と運動の変遷により形態と機能に変化が見られます。また口角の位置は上下と側方とも適切です。術後2週間では右の如く腫脹が軽快してもう運動機能にも支障がありません。術前と比べて上下の赤唇の前後の位置関係が自然になっているのが見られます。しかも腫脹が軽減して、創跡も線だけで目立たなくなり、異常感がありません。口角の挙がりは自然で可愛いでしょう。4週間目には創跡が更に目立たなくなりました。線が赤くても凹凸は無く、細いままで周囲の炎症性発赤はどんどん消えていきます。

下2列で左から術前、術直後、術後1週間、術後4週間の側面像と斜位像を比較して立体感を見ましょう。

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一見して、のぺっとした上口唇が適度に外反し赤唇部は前突し、白唇部が軽度湾曲して唇らしくなりました。やはり唇は、白唇と赤唇のユニットの3次元的形態と動的:Dynamicな形態が見える部位なので、頭に入れながら手術プランを立てる事が重要だと証明されました。静止画像では、解り難いのですが、口は閉じます。むしろ力を抜くと開いていますから、笑顔の様に見えるので可愛い写真となっています。

術後4週間目の画像で変化して来たのに気付きます。下口唇との位置関係が整って来ました。術前では、下口唇が上口唇より前突しています。術後は上口唇が上方移動しました。外反を生じさせたため若干の前方移動していますが、2週間前までは下口唇がまだ閉じていませんから、下口唇の方が前方にあります。今回術後4週間の撮影時には動的形態が静止画像上でも変わったのが判ります。下口唇より上口唇が前方に移動しました。

口元の評価基準にエステティックライン;Aesthetic lineがあります。定式です。側面像で鼻尖と頤の最前点を結ぶ線を言います。口唇、それも下と上それぞれの口唇の位置が、線より前にあるか後ろにあるかを評価します。日本人では上下口唇が線状にあるのが理想です。

線を引いてみました。左から順に術前、術直後、術後1週間、術後4週間

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ご存知に様にアジア人は鼻が低く頤が後退している為に相対的に口唇が前突している傾向にあります。また鼻と頤は骨格が貧弱だからで相対的に歯槽骨が前方にある傾向にあり、その結果出っ歯だッたり、口が尖っていたり、下口唇だけが前突していたりします。外国の漫画でアジア人を揶揄して出っ歯に描かれるのはその為です。白人ではエステティックラインより口唇が後ろにある者が多く、大きな差が有ります。

エステティックラインは人類が直立して来て顔面が直立していくに従って垂直化して来ました。ホモサピエンスの中でも、黒人は原始的ですから口が出ています。白人はエステティックラインが立ち、口が後退(=エステティックラインマイナス化)しました。アジア人の中でもモンゴル系人は寒冷地適応して、鼻が低く頤が下がりましたから、相対的に口が出ています。別に退化した訳ではありませんが、貧相になりました。いつも言う様に霊長類は口で啄まないので口が後退しました。だから口が出ていると退化して見えます。だからエステティックラインゼロに品性が感じられます。

本症例は、アジア人の中では鼻が低い方でも頤が後退している方ではなく、歯槽骨が前突している方ではなく咬合も正位ですが、上口唇に比して下口唇が前方にありました。エステティックラインプラスでした。上口唇が長く貧弱で間延びしていたから下口唇を押し出していたのです。だから手術適応なのですが、結果的に上口唇を外反させて、上口唇縁を上方移動したら相対的に下口唇が締まり、上口唇と同列の前後位置関係になりました。エステティックラインが綺麗にゼロ化しました。見事な結果と言えます。いや、それは症例患者さんの美容的観点が正しかったからです。

ただし口周りの手術は経過が長いです。切開手術をすると腫脹と内出血が必発です。ただし血行が豊富なので、意外とドレナージ(液性分排出)も良く、術後2週間では運動も自然です。実際には、手術侵襲による口輪筋のダメージは回復しきってはいません。力を入れないと開いています。必ず治ります。これまでの症例経験から解っています。患者んも信頼されていて、安心していますし、既に大喜び状態です。術後4週間では表情が自然に撮れました。だから、エステティックラインも綺麗に写せました。

上口唇が短くなり、すっきりとしていながら立体的な表情の豊かさが醸し出されると、静的;Staticにも動的Dynamicにも、あたかも表情が相手に好意を示すかの様に感じられます。つまり好意を得られます。周囲の誰もが可愛く感じると予想されます。