口周りの手術が大流行りです。毎日何人かが、即ち人中短縮術を求めて来院します。だからと言って人中部だけ短縮してはいけませんよ!。両側の鼻翼の下の間を同じ幅切除しないと富士山型唇になります。人中とは溝の部分です。
唇は赤い部が赤唇でせきしんと読みます。そに上の皮膚の白い部分も唇で、白い唇と書いてはくしんと読みます。英語で赤唇をVermilionと訳しますが一般用語です。朱の意味で口紅もその色が好まれます。白唇はWhite lipと読んで字のごとくですが、これも一般人に通じます。なぜこんなことにこだわるかというと、赤唇と白唇は一体に形成されるからです。だから口唇裂では両方割れます。そして人中部を中心とした白唇短縮術では赤唇にも影響が出るのは当たり前ですが、赤唇の露出度と白唇の外反、これをC−カールと言いますが、これらをあらかじめ決めたように手術中に調整します
また、人中の幅や深さやCupid’s bow,赤唇縁の弓形。赤唇中央のトンガリ、これは口唇結節と言いますが、これらもあらかじめ決めたデザインで造れます。こんなに細かいことに留意していますが、こだわりすぎではありません。その証拠に、患者さんは結構理解出来ますから、術後喜びます。
その意味では口角に手を付けないと術後どうなるかも予想できますが、最近は二回に分けて受ける人が増えました。このブログでも書いたように一つずつ手術していくとダウンタイムが軽くなり短くなるからです。2回ダウンタイムを過ごさなくてはならないのですが、時間的には1+1=1.5くらいになり、抜糸後は露出できるほど軽い場合さえもあります。さらに自分勝手なことを言うと、当院は手術時間枠が少ないので、単独手術の方が手術予定を立てられやすいからです。結果的により多くの患者さんに喜びを供与できます。
今回の症例は白唇部短縮術単独施行です。どうでしょうか?。この点もブログを見ながら検討していきましょう。
症例は24歳女性。先ず一昨年暮れに来院。人中中央部の白唇の長さが18㎜で5㎜切除可能。ただし、鼻プロテーシスが入っている。赤唇が外反しているが、下口唇が突なので上を外反したい。鼻唇角には追加したい。人中と弓は強調したい。翌週再診し計測。上顔面62㎜:中顔面62㎜:下顔面65㎜と顔面縦長。上口唇25㎜:下口唇40㎜で6㎜切除可能。人中部で寄せる。顔面部品横比は内眼角間33㎜:鼻翼幅32㎜:口唇幅46㎜で口角は拡げたいが後日を希望。
手術に当たり身体機能の検査として採血したら、白血球が高く、再検査を要した。そうこうしている間にヘルペスを発症。昨年初めの手術を延期した。
本年再来。折角だから人中部を左右1㎜ずつ寄せる。口角は下がっていないのでダウンタイムを短くする為に上口唇短縮術単独施行にした。
手術当日もう一度診察。珍しく鼻唇角プロテーシスが入っている。E-ラインは下口唇が線上。外反C-カールは欲しい。5.5㎜切除。もう一度計測すると、上顔面68㎜:中顔面60㎜:下顔面65㎜とやはり下顔面が長い。その中で上口唇24㎜:下口唇41㎜で上がも下も長い。いつか骨切りをする予定もあるとのこと。
画像は各方向別に見ます。
上が術前二葉。笑顔で口角を挙げて撮りました。これなら口角挙上術はいらないように見えます。
上は術直後と術後1週間での抜糸直後。下に近接画像。
術前とデザイン後。
術直後と術後1週間の抜糸直後。下には右斜位像。
左から術前、術直後、術後1週間。下には左側面像。
左から術前、術直後、術後1週間。
本症例は経過が早い。やはり人中部白唇短縮術単独だからでもあります。
確かにご覧のように口角は下がっていませんから、一次的には白唇短縮術が適応でした。ただし術前よりは相対的に下がっています。しかも、口が小さいので私の行う口角挙上術の適応です。黄金比率に合わせてサイズを決めて、三角関数で計算して方向を決めて赤唇の横のサイズと挙上距離を決めます。何㎜横に何㎜上に動かすかは顔面部品の比率だけでなく、顔面輪郭との比も加味します。黄金比率はレオナルドダビンチが提唱した数字ですから、白人対象です。日本人では口が小さいし、小さいのが良しとする人もいますから私は口の黄金比率を1:1.6(5:8)ではなく1:1.5で求めています。いずれにしてももう一度シミュレーションして考えましょう。本症例は面長なので口がそんなに大きくなくてもいいでしょう。
まだ術後1週間ですから今後検討していきましょう。最近二回に分けて手術する症例がいらっしゃいます。ブログにも載せています。早い人は1ヶ月おきにしました。いずれにしても次回以降に相談しましょう。
術後2週間で画像を戴きました。
な〜んか口角下がっていないですね!。口角挙上筋が強いのでしょう。アッ、確かボトックスもしていたのかも?。ならば経過次第です。
傷跡はどんどん目立たなくなります。身体能力が高いのでしょう。助かります。
本症例は都合により術後1.5ヶ月の画像を戴きました。
口紅が色っぽく、口角を挙げて書いていますから、やはり挙上術の必要はなかったのです。
斜位像、側面像では美しいE-ラインも相俟ってセクシーで、品性が感じられます。骨格的に口が出ていない人は、口唇が外反するとものを言う様です。赤唇の上下比率も黄金比率の5:8となり、唇が訴えます。
やはり都合により術後4か月で来院されました。ブログの趣旨からすれば、術後期間は長い方が判りやすいです。
ご覧の様に一部の創跡に凹凸が診られたのでケナコルト(局注用ステロイド)を何点か入れました。痛いだけでなく赤くなりました。
という訳でもう一度魅せてもらえそうです。それにしてもなんと魅力的なんでしょう。今度もフルメイクの画像を期待してワクワクします。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。