2019 . 7 . 30

適応なら鼻唇角プロテーシスは人中部白唇短縮術の際に同時に。その後口角挙上術。眼瞼も。

私は口周りの手術の専門家と思われている様です。違いますってばあ〜!。只の、ベテランの美容形成外科医です。でもそのカテゴリーを名乗れる医師は日本に百名は居ないと思います。

どの様な意味かと言えば、私は30年以上前に医師となって直ぐに大学病院の形成外科に入局しました。同時に父の銀座美容外科も手伝いました。先ずこの様な経歴の人は数少ないと思います。その後大学病院から派遣されて一般病院で形成外科を診療し、医療を詳しく勉強して、学会から専門医に認定されます。ただし大学病院形成外科では美容外科診療の機会が少ないので、大学病院では私が美容外科の教育担当として診療もします。

北里大学病院の形成外科に在籍した15年間で形成外科診療と知識の吸収、美容外科診療法と手術の経験を積み重ねて日本美容外科学会,JSAPSで、形成外科の9年以上の経歴者しか取れない専門医も取得します。その後当院の東京皮膚科形成外科で10年以上診療して来ました。

通常大学病院の形成外科医局に在籍していながら美容外科診療の機会は少なく、出来ても症例は数少ないのです。全世界的には、形成外科と美容外科は同一科目ですが、日本では別です。だから、形成外科と美容外科を同時に学ぶ機会も数限られます。でも逆に、世界的潮流として、形成外科医療技術と知識を学ばずして美容外科診療をする医師はあり得ません。私は日本では稀な環境に恵まれたのです。

口周りの手術には形成外科の知識と技術が欠かせません。創跡が顔の前にあるかず少ない美容形成外科の手術だからです。形成外科の縫合技術を持っていなければ手を付けてはいけない手術です。ただし口周りの手術には美容学が必要です。形態のバランスと人格との調和が求められます。例えば可愛くしたいのか美しくありたいのか?、セクシー感を求めるのか若さを醸し出したいのか?等夫々の症例にあった術式がありますから、選択には美容的素養と知識が、診療には時間をかけての計測が必要です。

私は美容形成外科医として真面目に診療(診察と治療)、中でも時間を掛け手丁寧に手術をして来ましたから、口周りの手術で良好な結果を得て来ました。美容形成外科医だから出来る事です。新人時代から、または他科からの転向で美容外科だけ診療(ビジネス)しているコマーシャリズムの美容外科チェーン店の医師とは違います。かといって形成外科だけ学んで来て美容外科診療の経験が乏しい医師には持ち得ない知識も身に付けています。

だから口周りの手術の専門家みたいに思われていても仕方ない事です。実際他には、皮弁法を用いたZ−形成法での目頭形成術(目頭切開ではない)や切開法での重瞼術兼眼瞼下垂手術や軟骨移植に因る隆鼻術は美容形成外科医の独壇場ですし、切らない手術や注入術も手術経験に長けた医師が美容的知識を揮える場面です。今回は口周りのありきたりでない症例をお見せします。

症例は49歳女性。本年当初に来院。私に罹らないで他医にて鼻を治したり、なんちゃって口角挙上術を受けた。数週間して白唇が長くなったのが気になり、私にたどり着いた。

早速診療すると、白唇長18㎜。鼻唇角が食い込んでいる。赤唇が薄くなった。4㎜切除を希望。人中と弓は作りたい。頤も検討課題であった。これまた他医での上口唇小帯の手術では変わらなかった。口角は前医で挙がり不足だったので3ヶ月あけて追加挙上を予定した。現在口唇幅が48㎜で顔面や鼻翼との比率からして口唇が小さい上に挙上の不足と見える。口角は上にちゃんと挙げたいし、横に拡大したい。

白唇部短縮術の手術前の各方向の画像から見ます。

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デザイン画です。

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術直後は鼻翼が横にも下にも引っ張られています。

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赤唇が露出して若返ります。

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上が抜糸直後、下が1ヶ月。

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創跡の治りが早い方です。

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実は、この後顎のプロテーシスを入れ替えています。画像で解りますよね。別の回にあります。

眼瞼の手術を予定していて、同時に口角挙上術の2度目をしようとなった。

白唇短縮術後3ヶ月以上。前医でのなんちゃって口角挙上術後3ヶ月以上経たので口角挙上術の追加修正を載せます。ご覧の通り、口角は左右差があり、左30度、右40度方向に4㎜追加挙上術を予定した。

各方向の術前と術後を並べます。

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正面像では予定のサイズに治して左右対称性を取りました。ところで頤(下顎先端)は折角格好良くしたのに腫れてボテッとしてしまいました。もちろん治ります。

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近接画像で見ると、デザイン画にある三角形の頂点に術後の口角があるのが分ります。

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口角挙上術だけでも口周りは腫れます。

本症例は術後経過が良好ですが、次回の画像をお楽しみに!

術後1週間がやって参りました。

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抜糸直後の画像は糸はないのに傷跡周囲が赤くかぶれた様になります。どうしても引っ掻いてしますからです。翌日から赤みは消えていきます。ところで口角の高さは対称性がとれた様に見えます。微妙な差でしたが、うまく合わせられました。

IMG_0819IMG_0816実はまだ、腫れていると口輪筋は弱く口が閉じにくい時期です。でも、形にはご満足いただけています。

次回他の面も含めて画像提示していきます。

口角挙上術後2週間です。頤プロテーシス入れ替え後1ヶ月です。

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そして実は、口角挙上術の際に、上眼瞼にNILT法、下眼瞼にNSLT法を施行しました。術後原因不明の痛みがあったため、眼を開きにくくなったので、掲載を見合わせていました。

IMG_0639術前から開瞼は大きかった。下眼瞼はたれ目にしたいそうです。

IMG_0645術直後に痛くて開きにくいのはありがちですが、それにしても痛みが強そうです。

IMG_0812口角の術後処置もあるので、術後1週間迄何回か見ました。開いて写ってくださいましたが、左上を向くと左外側にゴロっというかチクというか痛みがあり痛くて閉じてしまうそうです。慌てて眼瞼を翻転してみましたが、糸は露出していません。角膜糸など異物が当たった際はキリキリ痛くて眼を開けなくなりますし、白目に充血します。そうではないようです。

IMG_1754術後2週間では、なんとか軽快してきたそうです。糸は露出していなくとも眼球結膜に引っ掛かっているとその方向を向いた時にチクっとすることがあります。眼瞼結膜(瞼の裏側の粘膜)は眼球結膜(白目の表の膜)に連続して同じ層で繋がっているので、LT法で眼瞼結膜を縫い縮める際に眼球結膜を巻き込んでしまうことがあります。これまでに私が2例、同僚が2例経験しています。

眼球結膜に掛かるとその方向を向いた際にピリッと感じます。そして眼球結膜が引っ張られると複視を呈します。二重視のことです。でも、本症例は複視になりませんでした。複視は必ず1〜2週間で治ります。

もう一つの下眼瞼NSLT法は切らない垂れ目手術です。よく下がっていてお喜びです。

本症例は今後の変遷が楽しみです。幾つかの手術結果を並行してみていきましょう。口角挙上術後1ヶ月を経ました。

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術前と比べて見事に上りが保たれています。本症例は下口唇の傷跡ももちろん上口唇の傷跡も目立ちません。

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当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。