症例は16歳女性。他院Sで鼻尖を切らないで軟骨寄せた。高くなったが小さくならなかった。そして戻った。鼻翼幅35㎜:鼻尖幅22㎜:内眼角間35㎜。鼻翼は丸く張り出していないで、幅がある。だが鼻尖は鼻翼の1/2より大きい。
小顔の割に大きい鼻翼をまず縮小したい希望に応え、バランスを考えて目頭形成をする条件で鼻翼縮小術皮弁法から施行し鼻翼幅33㎜にした。
後戻りが止まったのを確認して、鼻尖縮小術を施行することとした。鼻翼縮小術の影響で鼻尖は上方へ移動していたので、軟骨3枚を下向きに入れて下方移動も加えることとなった。1枚目はダイアモンド型でも下向きに入れる。2枚目を鼻柱前に帯状に入れて下げる。3枚目を粒状に高く入れる。術前に私がこのデザインをイラストに書いて見せた。
とにかく画像を見比べましょう。術前から各方向を提示します。
鼻翼を小さくしたらやはり鼻尖が相対的に大きく見えます。正面像では鼻尖の両側の影が見えません。近接して見える影の感覚は大きく、鼻翼幅の1/2を超えています。下面像でも鼻線がはっきりしません。
側面像でも斜位像でも、鼻尖が上方にあります。しかも、鼻尖の上が陥凹しています。
下にデザインですが、鼻尖の位置となる軟骨を移植する部位をダイヤモンド型に4点囲みました。下面像では鼻柱の切開線を描きました。鼻栓への軟骨移植手術時にはオープン法が適切です。何故かと言えば、自分の鼻尖の軟骨を診ながら、移植軟骨を確実に中央に入れて縫合固定するためで、しかも鼻尖はオープン法でなら視認出来るからです。なお鼻柱切開は三角皮弁を必ず置かなければいけません。一直線に切開すると、線状に拘縮して丸みのある鼻柱が線状陥凹するからです。形成外科医療の常識です。非形成外科のチェーン店系のビジネス的美容整形医が施行した一直線切開の後が凹んでミエミエなのを何回も拝見しました。
術直後の画像を載せます。直後でも腫脹してしまいます。
正面像で診ても、軟骨が入って高くなったのは解りますが、鼻尖の形は腫脹で解りません。下面像でも高くなったのは解りますが、皮膚が腫脹しているために鼻尖の形は皮膚に反映していません。
側面像斜位像では鼻尖が下方移動しています。ここで気がつきましたが、どんな形に軟骨移植したのかは画像もありませんが、説明さえもしていませんでした。下段に説明します。
下に術後1週間での抜糸直後の画像です。この時私が残念ながら診ていないので、コメントをいただけませんでした。
腫脹が軽快してきて、鼻尖の両側の影が見えてきました。しかも、鼻尖の中でも下の方が縮小して綺麗です。移植軟骨がダイヤモンド型だからです。下面像での傷跡は陥凹していますが抜糸直後だからです。約3ヶ月で見えなくなります。鼻柱の傷跡の両端にノッチ,Notch=切痕=楔型の凹みが見られますが、特殊な切開デザインを駆使していますから平らになっていきます。
側面像斜位像では、鼻尖の位置の下方移動が解ります。その証拠は鼻唇角が直角になったから判ります。移植軟骨の2枚目は鼻柱にかけて下に、3枚目は斜め下に尖らせたのです。
耳介後面を切開して軟骨を採取したのですが、傷跡は耳介と後頭部の折れ返りに置いているので見えなくなります。あえて画像でお見せしました。抜糸直後には引っ掻くので出血して、点状に赤くなっています。それに指で引っ張って撮影しているので折れ返りになっていません。翌日には出血も止まり赤くなくなっていきますし、日常は見えない部位です。
上に移植軟骨の形態をちょっと書きましたが、次回もう一度説明します。その時はもっと形がわかる頃でしょう?。
術後3ヶ月で来院されました。術前の画像を再掲して見比べてみましょう。
正面から見て、術前は鼻と鼻翼の境界がはっきりしません。鼻尖の両側の影が不明瞭です。薄い影を測ると22㎜でした。現在鼻尖の両側に影が見られ、その幅が小さくなりました。測ると20㎜でした。下面像でも術前は見られなかった鼻尖の両側のくびれが出来ました。鼻尖の位置も変えました。術前は鼻尖からなだらかに鼻柱に移行していますが、術後は鼻尖が鼻孔と水平な高さまで下がりました。結果的に鼻柱の傷跡は前から判りません。下面像では傷跡が赤い線が見られますが、さらに数ヶ月経ると必ず白い線になりますから見えなくなります。
術前には所謂丸くて大きくて、上を向いた鼻の典型例でした。術後の鼻尖は鼻梁線の延長線よりわずかに前にあります。これが本当のアップノーズです。しかも見事に下方移動しています。鼻スジが通って大人っぽくなりました。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。」医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
本年6月から費用の説明も加えなければなりません。今回の手術は鼻尖軟骨移植3枚で35万円+消費税です。 I型シリコンプロテーシス挿入による隆鼻術は18万円+消費税です。出演料として40%オフとなります。