2017 . 9 . 27

鼻尖増高と下制術の耳甲介軟骨移植法。経過を経て完成が半分見えてきました。

私は現在鼻尖に対して耳介軟骨移植術を頻用しています。1~3枚で1枚1mmと考え、前か下に増大しています。それが悦ばれます。それに耳介の耳甲介部から採取した軟骨は、鼻尖の湾曲にマッチしますから、自然な形態が作れます。

症例は、27歳、女性。3か月前に鼻尖縮小を先行した。今回鼻尖を高く、位置を下げるために増高術をします。10×15mmの耳甲介軟骨を採取して、3つに分けて3段重ねにしました。軟骨移植手術では、Donorが必要ですが、耳介からの採取の場合、傷跡が耳介の後部の溝であるため目立ちません。画像を見ましょう。

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上の四葉は正面像:上左の術前は鼻尖が大きいし、上右の術直後は腫脹が加わってむしろ鼻尖が大きくなっています。ところが下左の術後一週間を見ると!、見事に縮小効果が見えてきました。その後夜間だけのテープでとしました。下右の更に1か月ではどうか?、鼻尖の両側の溝がはっきりしてきれいですが、サイズはまだ完成していません。触診すると、鼻尖に入れた軟骨の両外側の皮下にまだぶよぶよ感があります。これはまだ皮膚が浮いていると考えられ、瘢痕コラーゲンが生成しない様に祈ります。テープを下図の様に小さく丸く抑える様に指導しました。縦10㎜×横7mの軟骨です。

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上の四葉は下面像:三か月前に軟骨縫合をしたので、今回の術前でもちゃんと鼻がっていますが、大きく、溝が深すぎて不自然です。鼻尖の両サイドを剥離挙上したので皮膚皮下脂肪が浮いていますから、術直後の画像では鼻尖と鼻翼の境が不明瞭になっています。ところが術後一週間の画像では、鼻尖と鼻翼の境界が自然形に再現されています。しかも縮小しています。1か月でもいい形です。更に創跡が目立たなくなりました。

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上の八葉は右斜位像と右側面像:右斜位と右側面像では、どろーんと下がった鼻尖がストレートになり、鼻尖の消失点がかなり下になりました。ついでに鼻唇角プロテーシスを挿入しましたから、鼻唇角の喰い込みもなくなりました。鼻尖は鼻稜の延長線よりもわずかに前にあるのが美しいのです。これをアップノーズと言います。間違えないでください!。鼻尖の位置が上にあり鼻が短いのはショートノーズです。それはUp Noseではありません。ネット情報は間違っています。術後一週間でも4週間斜位でも鼻尖の明瞭化が診られます。ハイライトが鼻尖の輪郭を醸し出しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA移植軟骨です。耳甲介とは、耳介のうち外耳道(=耳の孔)の後ろの丸いお椀の様な部分です。丁度母指(おやゆび)の先が丁度はまるくらいの窪みです。これが、鼻の湾曲にピッタリマッチします。10×15㎜の耳甲介軟骨を採取しました。これを上の画像に書いてある青い線で切り分けました。三枚を重ねて糸で突き通してピラミッド状に作り上げます。

本症例でも、形態が魅せられません。オープンで皮膚皮下組織を剥離し持ち上げると、腫れます。厚くなるのです。特に今回の症例では、皮下脂肪が厚めでしたし、剥離範囲も広げました。皮下脂肪層は浮腫むとぶよぶよします。ここにコラーゲンが析出すると、厚いままになります。皮膚側から押さえ付けて余計な瘢痕が出来ない様にします。そこでまだまだテープが大事です。腫脹した皮膚、皮下脂肪組織はいつかは戻りますが、剥離した皮膚皮下脂肪とベースの癒着には数週間を要します。移植軟骨軟骨の上は緊張が有るので瘢痕が生じえませんが、両サイドに瘢痕が出来易いのです。テープを貼った画像を見れば移植軟骨の形が表から見えますがそのように皮膚が癒着するのを助ける為にテープは効果的です。

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再びテープ固定をしました。鼻尖を縦10㎜×横7㎜に締めましょう。

ご覧の様に見事な鼻尖が作り上げらる筈です。まだまだ中期的経過を診ていきましょう。この様な、テープ固定した様な形態に完成しますから、お楽しみに!。