2017 . 9 . 16

鼻尖増高と下制術。耳甲介軟骨移植法。形態が見えてきましたがまだまだ!

このところ軟骨移植が流行っています。このブログも流行っています。私は現在鼻尖に対して耳介軟骨移植術を頻用しています。1~3枚で1枚1mmと考え、前か下に増大します。これが恰好良い!。それに耳介の耳甲介部から採取した軟骨は、鼻尖の湾曲にマッチしますから、自然な形態が作れます。

症例は、27歳、女性。3か月前に鼻尖縮小を先行した。今回鼻尖を高く、位置を下げるために増高術をします。10×15mmの耳甲介軟骨を採取して、3つに分けて3段重ねにしました。軟骨移植手術では、Donorが必要ですが、耳介からの採取の場合、傷跡が耳介の後部の溝であるため目立ちません。画像を見ましょう。

各方向とも、左から術前、術直後、術後1週間、術後2週間です。

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上の列は正面像:術前は鼻尖が大きいし、術直後は腫脹が加わってむしろ鼻尖が大きくなっています。ところが術後一週間を経ると!、見事に縮小効果が見えてきました。前回術直後に、皮下脂肪が多いために長引くでしょう。と記しましたが、想定外に早く治ってきています。もちろんもっともっと、縮小してテープ固定時の様な形態になる筈です。

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上の列は下面像:三か月前に軟骨縫合をしたので、今回の術前でもちゃんと鼻がっていますが、大きく、溝が深すぎて不自然です。鼻尖の両サイドを剥離挙上したので皮膚皮下脂肪が浮いていますから、術直後の画像では鼻尖と鼻翼の境が不明瞭になっています。ところが術後一週間の画像では、鼻尖と鼻翼の境界が自然形に再現されています。しかも縮小しています。2週間経ると自然な鼻尖です。

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上の二列は右斜位像と右側面像:鼻尖の手術は腫脹で増大しますし、そのため上方に押し上げられます。術後数週間を経て意図した位置に下がってきます。

右斜位と右側面像では、どろーんと下がった鼻尖がストレートになり、鼻尖の消失点がかなり下に成りました。ついでに鼻唇角プロテーシスを挿入しましたから、鼻唇角の喰い込みもなくなりました。鼻尖は鼻稜の延長線よりもわずかに前にあるのが美しいのです。これをアップノーズと言います。間違えないでください!。短いのはショートノーズです。術後2週間では斜位でも鼻尖の明瞭化が診られます。ハイライトが鼻尖の輪郭を醸し出しています。

形態的な評価はまだまだ変遷します。次回も比較して説明します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA移植軟骨です。耳甲介とは、耳介のうち外耳道(=耳の孔)の後ろの丸いお椀の様な部分です。丁度母指(おやゆび)の先が丁度はまるくらいの窪みです。甲介とは、二文字で、よろいとか、かぶととか、甲羅という意味です。言葉の意味に合っていたのですね。上の画像でも鎧の様な形に見えなくもありませんよね。これが、鼻の湾曲にピッタリマッチします。下の画像で証明します。ですから、私は好んで使います。上の画像の如く、10×15㎜の耳甲介軟骨を採取しました。これを上の画像に書いてある青い線で切り分けました。画像で左側の部分が一段目、右の部分の斜めの帯状の部分が二段目、その両側の二つの三角形を組み合わせて三段目にしました。三段を重ねて糸で突き通してピラミッド状に作り上げます。鼻が低いアジア人でも美しい鼻尖はダイアモンド型を理想形と考えて来ました。

本症例でも、まだ腫脹が残り、形態が魅せられません。オープンで皮膚皮下組織を剥離し持ち上げると、腫れます。厚くなるのです。特に今回の症例では、皮下脂肪が厚めでしたし、充分に効果を出したいので剥離範囲も広げました。上の術直後の画像でぼてっとしている範囲はすなわち剥離範囲です。

そこでまだまだテープが大事です。腫脹した皮膚、皮下脂肪組織はいつかは戻りますが、剥離した皮膚皮下脂肪とベースの癒着には数週間を要します。空洞にコラーゲンが析出して瘢痕が出来ると厚くなってしまいますから、術直後から押さえ込んで癒着を図る為に、テープで皮膚側から圧迫するのです。移植軟骨軟骨の上は緊張が有るので瘢痕が生じえませんが、両サイドに瘢痕が出来易いのです。テープを貼った画像を見れば移植軟骨の形が表から見えますがそのように皮膚が癒着するのを助ける為にテープは効果的です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA術後1週間の画像を撮影した後に、再びテープ固定をしました。

ご覧の様に見事な鼻尖が作り上げられます。その筈です。つきましては中期的経過を診ていきましょう。みなさんはテープ固定しているじゃないか!。とお思いでしょう。まず間違いなく!、この様な形態に完成しますから、お楽しみに!。