口周りの手術は最終兵器だと提唱してきました。いやこれまでに、その様な患者さんが多く居たからそう思って来ただけでした。
実際に顔面の容貌は部品が優先事項ですから、眼瞼は二重でパッチリ開いているのが絶対条件ですし、鼻も低くて上向いていたら美貌と言えません。いくつもの治療法が駆使されて来ました。
更に顔面の輪郭も重要です。正面輪郭で顔が面長か幅広かエラ張りかも、頤の長さも適切な数値がありますし、側面輪郭で口がE-ラインより前にあるかとか、額や頬前(鼻の横)の前突の程度も理想的な形態があります。だから3次元的に診て輪郭はバランスが重要です。ここでも骨切りやプロテーシス、脂肪吸引等が適応します。
こうして、顔面全体の形態を整えていって可愛く美しくなって来ると、白唇短縮術を受けたくなります。もちろん数字的に長い人(人中部で15㎜以上)は治したくなりますが、赤唇の薄い人や赤唇縁のだらっとした人、人中が平坦な人、上口唇結節が欲しい人等も適応になります。口唇は擬態です。人間は直立していますから、性器に目が行きません。替わりに形態を色が似ている口唇が性的な効果を与えて来ました。だから、美しい人も異性に見せる為には、赤唇がよりセクシーな方が好まれます。好まれるとは可愛い女性とも繫がります。女性の美しさは性的魅力にも依存するのは絵画でも観られる論理です。
もう一つ、可愛くなるのに笑顔はやはり武器です。口角を挙げる表情です。口角挙上術は口角の位置を変えまるのですが、笑顔をデザインの基準の一つにします。もう一つ口の幅が小さい人は横にも拡大できます。いつも私が書いているデザイン=上下赤唇縁を切開する手術法でしか不可能なのです。三角関数でサイズと方向、鼻翼下まで緩やかに挙げるデザイン。結構バリエーションがあります。白唇部短縮術の切除幅にも関係します。
こうして白唇短縮術は可愛らしさと美しさの両面を造り上げられます。だから最終兵器なのです。でも、本症例はいろいろな面に於いてイマイチな結果が残っているために、その相談も受けました。私の診療=顔面全体のバランスを考えて出来ることを提示する。この方針を知っている患者さんでした。この面も私の真骨頂ですから美容外科医冥利に尽きます。今やその点で口周りの手術は最終兵器ではありません。でもまだまだ患者さんは尽きません。
症例は36歳女性。いろいろな点に対して相談しに来院された。眼瞼は切開法と目頭を12年前に受けたが、蒙古襞の狗縮が残る。私の得意のZ−形成術の適応。開瞼にも左右差がある。どうも医原性と思われる。一応フェニレフリンテストを患側にしたら挙がる。やはり腱膜損傷に依る医原性と考えられる。ラインも拡げたい希望。どちらも重瞼の引き込みが浅い。これらの問題は後回しにして、本題の口周りの手術の診察に進んだ。
これも別部位ですが、鼻翼は張り出していたので外側切除で33㎜になったがペチャンコ型になった。創跡部の糸の跡が目立ってCO2LASERで焼いたら幅が出来た。白唇短縮術の際に創跡を切除出来ると考えた。
人中部白唇長21㎜で6㎜切除したい。頤にH−Aが入っていてE-ラインより口が後方にある。人中は浅い。弓は明瞭だが幅が広い。口唇結節がない。1㎜ずつ寄せる。顔面横部品は内眼角間32㎜:鼻翼幅33㎜:口唇幅49㎜で黄金分割比を適用して口唇幅は53㎜目標と考え口角挙上術の方向は30度で6㎜引き上げる予定とした。今回は白唇短縮術から施行することとした。先が長いので一つ一つ取り組んでいきます。
画像を診ましょう。
正面像近接像では人中部の長いのと頤が長いのが共存しています。
デザインで鼻翼横の傷跡も切除します。左右の鼻翼基部の高さが違いますが、左の鼻翼基部の切開線をちょっと挙げて合わせます。
やはり6㎜切除ですが、人中部は両側鼻柱基部(鼻柱が白唇に交わる谷線も左右)の切開線よりも白唇の切開線を1.25㎜ずつ外側を縫合して人中とCupidの弓を寄せる事にした。両側で2.5㎜人中の上方の幅が狭くなります。寄せられて弓も急になり、赤唇の中央も前突して結節が出来ます。でも術直後の画像では腫脹で判りにくいかも知れません。
寄せても口唇の幅は縮小しません。赤唇は露出します。外反C-カールも軽度造られます。
斜位像や側面像では術直後で腫れていても形態的改善はわかります。
翌日診ると疼痛が強い。腫脹亢進。内出血ない。形態は不明も弓は出来ている。
さすがに48時間後までは腫脹が亢進し、形態的良好性が判断出来にくくなります。
術後1週間で抜糸しました。
翌日と比べて、腫脹は軽快しています。何度も言いますが48時間がピークです。代りに内出血がそれも赤唇に顕在化しました。その目で見ると翌日の左赤唇の腫れが多いです。腫脹は内出血が、つまり血液が原因なのです。あとから表に見えてきます。
腫脹は軽快中でピーク時の半分くらい残存しています。内出血は黄色くなりました。あと1週間くらいで黄色くなくなるでしょう。それにしても形態は可愛く、赤唇の外反C-カールもちょうどいい感じ。
今回は術後1週間までの画像提示しました。今後経過を追っていきましょう。
術後2週間でも画像を戴きました。
口紅を引いて魅せてくれました。赤唇がセクシーです。
術後1か月です。
今回も口紅を引いて撮影しました。可愛い色です。何しろ赤唇が露出して上下の口唇の比率が適正化したので、日常的に美しく魅せたくなるのでしょう。患者さん自身の美的センスが高いのです。
近接画像出の傷跡はまだまだ目立たなくなります。やや赤みが強いので念のため内服薬を御持ち戴きました。肥厚性瘢痕は6週間目までに発生します。その後治っていきます。本症例の程度だと術後3ヶ月で見えなくなるでしょう。
E-ラインが整っているため品がある口元で更に色っぽくなりました。この後鼻の位置が治り、口も力を入れないで閉じます。次回をお楽しみに!
術後3ヶ月で画像を戴きました。
創跡はメイクで隠せます。肥厚性瘢痕はありません。赤唇が外反して口紅が映えます。
今後眼瞼や、ゴルゴ線の改善を希望されています。その際もブログ掲載を承諾されたらいいですね。楽しみです。
当院は、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。