2020 . 6 . 1

早くしたい口周りの手術。ブログ見てダウンタイムも計算して来院。急ぎなら分けて手術予定を組みましょう。

時勢柄マスクをして過ごすのが常識ですし、ところによっては仕事など社会生活も滞りがちなので、口周りの手術のチャンスだとする人が増えています。私は不謹慎な医者なので嬉しい悲鳴をあげていします。もちろんブログを視て期待を持って来院される患者さんが多いのですが、初診時にいきなり、できるだけ早く予定を立てたい本症例の患者さんには、どう対処すればよいのか悩みました。こうなれば分けて手術するしかありません。これまで何百例もの手術をしてきましたが、初療日に上白唇短縮術、翌日に口角挙上術を施行したのは初めてではないでしょうか?。でもダウンタイムは1ヶ月とれる時期で予定を立てられるそうで、早速手術に到りました。初診時から何とも明るく楽しい患者さんですから、更に可愛くして挙げたくなる女性です。

診察内容を記載する前に一般人の皆さんの間違いを指摘します。こちらも無理を聞いたのですから苦言を記する事をお許し下さい。今や一般人の多くはネットで情報を得ています。ただし国民の多くはコマーシャリズムに毒されています。最近はネットもフェイク(誘引行為)に溢れています。医療情報は学問に基づかなければならない筈ですが、あくまでも”情報”で(科学的:美容学も科学)”知識”に欠ける記述が横行しています。特にチェーン店系と韓国が目に付きます。彼等はあたかも有用性を高く見せて一般人を誘引し、騙して釣っています。

三点いつも正す点があります。1、人中短縮術と称していますが、もし人中だけ短縮したら富士山型になります。唇は赤い粘膜だけでなく白い皮膚も含みます。白唇と赤唇と呼びます。形成外科医は知っています。口唇裂は赤白とも割れているからです。韓国は言葉が通じませんから仕様がないのですが、チェーン店も非形成外科医ばかりなので富士山型製造工場化しています。私は上白唇短縮術と呼んでいます。2、口唇を初めとして切除量を検討する為にはバランスが重要です。その際見た目だけでなく、顔面の比率が有用です。私は形成外科医局に入って直ぐに学びました。部品の横比率や上下口唇の比率に黄金分割比(5:8)が適用されるのです。顔面の上中下の測り方も美容学的に常識ですが、下段に基準を載せます。チェーン店の医師はビジネスですから学ぶ余地が無いのです。3、私のオリジナルの〔人中強調=白唇の表情、キュピットの弓,Cupid’s bow(山でない)=赤唇縁の明瞭度、口唇結節(上赤唇中央の膨らみ=赤唇の表情〕を造る技は口唇をよりバランスよく魅せます。画像が証明しています。でもビジネス的美容外科の多くの医師はこの要素を知りもしません。当然ネット情報には載りません。だからこの手技の説明すると、皆さん「そんな事出来るんですかあ?」と驚きます。でも私に罹る患者さんはブログを視て知っている人も多く、本症例の患者さんもしていましたが、理解は難しい様でした。シミュレーションすると結果が目に浮かんで、悦んで頂き、期待されます。

症例は38歳女性。白唇長18㎜。画像の様に口角が下がっている。E-ラインは一直線状。歯牙1が前傾しマウスピースで矯正中。眼瞼が良く開いていてはっきりした顔立ちで魅力的。

先ず口角の為に顔面部品横サイズを計測すると、内眼角間30㎜:鼻翼幅33㎜:口唇幅50㎜で黄金分割比率に近いが、真上は難しいから25度方向に5㎜挙げる適応。

次に上白唇(人中部だけでない)短縮術の為に顔面縦比率を計測すると(これも美容学的に正しい計測法を使いましょう)、上顔面(生え際〜眉下)70㎜:中顔面(眉下〜鼻下)54㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)68㎜と下が長い。下顔面の中でも上口唇(白+赤)28㎜:下口唇(赤〜頤尖)40㎜で黄金比率を適用すると上が3㎜長い。プラスして4㎜切除の適応。白唇が外反していないし、今後歯牙の位置で更に内反し得るからC−カールをしっかり作りたい。人中が浅く幅があり、Cupidの弓ははっきりしたカーブだが頂点に幅がある。口唇結節(上赤唇中央の膨らみ)がなく平板。私が開発した技である鼻柱基部を縫合時にずらして縫合して寄せようと提案した。両側1.25㎜ずつ寄せる。

診察を午前診で1時間弱。上記の所見を得て午後に口角挙上術を施行する時間が取れました。そして翌日に上白唇短縮術を得ました。

そのような訳で1日違いで二つの手術をしますから、同時手術に比べて画像をいつもの2倍頂きました。短期的な経過が視られて参考になると考えたので、画像は各方向を全抜糸まで経時的に載せます。正面像から。

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上左図が術前、上右図は口角挙上術のデザイン後。口角が三角系の頂点に移動するはずです。

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上左図は口角挙上術の術直後。その通りに動きました。上右図は翌日の上白唇短縮術の術前。血液の付着が減ります。

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上左図は上白唇短縮術のデザイン後。両側鼻翼間を全て4㎜切除します。上右図は術直後。鼻柱基部で寄せた結果は、弓の幅に反映して診られますが、人中や結節の造りは腫張で認識不能です。

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上左図は術後1週間で口角挙上術の抜糸後。その翌日両側鼻翼間の抜糸しました。前日にあった糸は見えなかったでしょう?。でも抜糸直後は傷跡が赤い線になりむしろ目立ちます。徐々白くなります。鼻翼の横の糸は次週迄置きます。でも糸があっても透明なので見えませんよね?!。

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上左図は術後2週間で鼻翼の横も抜糸した直後です。癒合は良好ですが、発赤は残ります。本日からメイクで隠して下さいと申し上げました。上右図は術後1ヶ月です。

赤唇縁のCupid の弓は綺麗に強調されました。人中も深くなり、白唇が短縮してスッキリした上に人中も短くて幅が狭くなるったので立体感が出ます。

下列は近接像。

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上左図が術前。上右図が口角挙上術のデザイン後。

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上左図は口角挙上術の直後。右口角に血が滲んでいます。上右図は翌日。

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上左図は2日目の上白唇短縮術のデザイン後。上右図は術直後。人中も深くなっているのが判ります。結節は赤唇全体が腫れていて見られません。

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上左図は1週間で口角部の抜糸後。鼻の下の糸は軟膏に紛れて判りません。ところがこれまで見えなかった右口角の下の斜めシワが出現しました。今後経過中に消失するのを待ちます。上右図はその翌日半抜糸後です。

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上左図は術後2週間の全抜糸後。やはり鼻翼横の傷は発赤が残っています。鼻の下より赤いです。でも鼻翼の傷は創縁の長さが違うので癒合が遷延することがあるので2週間待ちます。発赤が強いのは時間差です。ところで右口角の斜めシワは浅くなってきました。それにしても形態は嬉しそうな口元を魅せています。上右図は術後1ヶ月です。現在白唇長は14㎜で後戻りはゼロです。

下列からは右斜位図と左側面図を経時的に。

IMG_6947IMG_6944術前。E-ラインは一直線上です。ただし上赤唇が薄いのが寂しいです。横から見ても口角は下がっています。

IMG_6957IMG_6954口角挙上術後。口角は水平です。

IMG_7173IMG_71752日目は口角挙上術の翌日。口角手術の影響で上白唇も腫れて長くなって見えます。

IMG_7181IMG_7183上白唇短縮術直後。短くなっても腫張は倍加するのでE-ラインより唇が前に出ます。鼻も引っ張られています。必ず元の位置に復します。

IMG_7251IMG_7248術後1週間で口角部抜糸後。腫れが取れてくると口唇結節は前向きに膨らんでいます。笑顔のような口角が可愛いです。IMG_7148IMG_7150翌日上白唇短縮術の両側鼻翼間だけ抜糸しました。斜位像で人中の深さが見えてきました。鼻の位置は半分ほど戻りつつあります。

上に載せた画像は治療早期の8日間だけです。上段には診察所見をロジカルに評価して手術法を検討し、今回は直ちに手術に到りました。本症例の患者さんはブログを視ているから結果を知っているからです。ならば同様に画像が魅せます。美容形成外科は医療ですから、科学的見地が結果を担保しますが、手術中は患者さんは手技を視れませんから、静止画像しか評価出来ません。手術直後の鏡で見せても記憶には残りません。だから読者の皆さんもブログを視て理解してから来院される人がほとんどです。今回は2日に渉って手術したので画像が倍近くあります。これ幸いと全部載せました。

まず手術前=来院当日から手術後1週間までの画像を載せました。次回術後2週間で全抜糸する際に画像を追加します。やはり各方向別の時系列の画像に追加しました。

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術後2週間での斜位像でも側面像でも、形態は良好です。口唇結節はまだ不明瞭ですが、だんだん見えてくるでしょう。

IMG_7648IMG_7651口角の傷跡は綺麗になります。術後3ヶ月で修正が必要かどうか診ましょう。形態的にはお喜びです。

次回術後3ヶ月で診ましょう。お楽しみに!

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3ヶ月の画像を頂きました。形態的には満足感を表します。傷跡は隠さなくても通常のメイクで判らないそうです。口角の微妙な段差は改善が見られますが、さらに3ヶ月様子を見ても気になるなら再縫合する方法もあると言ったら納得していただけました。

という訳で、もう一度診せてもらえそうです。本症例の患者さんは明るくて、眼力がある美人なので、また魅せてもらえるのを楽しみにしています。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。