2021 . 12 . 25

4年前からの患者さん。いつも明るい楽しい患者さん。目元を更に明るく、綺麗にして似合います。

症例は26歳女性。3年以上前に初診。先天性二重まぶたも前頭筋は収縮。LF右11:左12と右が弱かった。前転が必要。重瞼は右の上にすると蒙古襞が目立つから上から2番目の線。フェニレフリンテストで半分挙がった。術当日。平行型希望なので目頭切開が必要と説明すると、当日は予定が立てられないので、6ヶ月以内なら同時施行扱いですることになった。左のラインで2㎜幅切除し、1点ずつ挙上前転し、2点ずつLT法で重瞼固定した。前頭筋使わなくなって喜んでいた。その1週間後に抜糸時には、開瞼が良好で、腫脹で幅が1.5倍以上でも重瞼がくっきりしていた。その後来院をされずいつ出来上がったかは不明。いつ頃か後戻りが起きてきた。

今回、LF右13㎜:左14㎜で右が再発した。右は先天性後は性眼瞼下垂症を伴っていたからでしょう。再切開法で短縮を強固に留めようと提案した。とその時患者さんは「今回はやはり目頭も治したいのです。」と依頼された。そこで私は”それは良かった”と思いながら診ると、患者さん「蒙古襞に左右差があるでしょう?。」と申告して下さるので、細かく診ると、確かに蒙古襞の被さり量に左右差があった。右は斜めでつっぱりが少なく、左は縦でつっぱりが強い。目頭Z-形成術は、一辺を右3㎜、左4㎜とデザインを変えることにした。

前回の画像を視ましょう。

IMG_6361IMG_6362

術前の眼瞼部の遠近二図。右眉が挙がっています。患者さんもこれで気付いたのです。3年前の術前もそうでした。3年前の術後は1週間までしか画像がありませんが、眉は挙がっていませんでした。年単位で重さを感じる様になり、頭痛、肩こり等の代償性随伴症状も伴う様になったのです。

IMG_6364

上に前回の術後3ヶ月での左右眼瞼の近接画像。確かに違います。

その後右側目頭に対して、変形Z−形成術とW−形成術を加えて、お好みの平行型重瞼線が得られ、患者さんも「完成!。」と言ってくださいました。 そしてその後、左の重瞼線が末広型で治したい希望を述べられました。下からは今回の画像。

IMG_4353ご覧の様に、目頭に向かって重瞼線が狭くなっていくのを末広型と言います。さらにご覧の様に、中央部の重瞼線が水平気味に一度狭くなっているのも治したい希望がありました。

前者は埋没法では相手(挙筋または瞼板)がないため不可能で、切開し眼窩隔膜に癒着させて引き込みを作るしかないと説明しました。切れ長整形の目頭版です。これも私のオリジナルで、昔父が、皮膚ー瞼板ー皮膚と表から糸を掛けるK-B-C法を行っていたのを応用した方法です。

後者は埋没法でも重瞼線を変えられますが、患者さんは確実に持続的に造って欲しいと希望され、切開し定着することとなりました。 それでは今回の画像を診ましょう。 IMG_4352IMG_4356

両側眼瞼部像の術前と術直後。今回目頭の上まで切開を繋げて、ほじくって眼窩隔膜をつまんでから糸を掛けたので、内側方面の腫脹が強くなります。目頭部の重瞼線は腫脹で隠れて見えません IMG_5231術後1週間で抜糸の際に来院されるなり、患者さんは「私は腫れやすいのですが、もう開いてきました。」「ラインが綺麗に繋がりそう。」と評価をいただきました。私もまだまだ腫れているのは承知で「左右揃ったみたいです。」と言いながらほっとしました。上にもありますが、確かに腫れが体質の様です。

近接画像で細かく診ても腫脹は重度な方です。

IMG_4353IMG_4358

術前と術直後の左眼瞼の近接画像。内側の重瞼線は切開線が見えますが、引き込まれています。

IMG_5232IMG_5233

上左図は術後1週間の左眼瞼近接画像で、上右図は右眼瞼の反転像です。内側から外側に懸けて重瞼線が同じ様になりました。

本年に入ってから4年振りに修正術をしました。そこで前回のブログに加筆して今回の経過を術後1週間まで載せました。この版は一部ピックアップして、書き加えます。

こうして術後1ヶ月が参りました。

IMG_5145IMG_5146

予期しない経過が招来しました。今回は内側の目頭形成術の直ぐ上の点を、眼窩隔膜に対して引き込んで、重瞼固定しました。すると数週間後目頭形成術の傷跡の肥厚性瘢痕が肥厚しました。

下の近接画像を視て下さい。

IMG_5147IMG_5148

 

目頭形成術の創跡の線の内、上の辺が肥厚しています。発赤も増強し、肥厚して造ったラインが広く持ち上がっています。何より肥厚が見えます。閉瞼すると、元の下のラインは有り肥厚部の上のラインが不明瞭です。

肥厚性瘢痕なら、軽快する筈です。今後数週間経過を見る様にお願いしました。

という訳で、術後10週間弱で来院されました。目頭に1㎜のW−形成術を施行してから3ヶ月です。やはり肥厚性瘢痕が増強して、上に作った重瞼線が二股のままです。触診上は硬結は触れませんが、拘縮感を自覚するそうです。発赤もあります。肥厚性瘢痕の上に重瞼線を作ったのと下に元の重瞼線があるために二股なのです。

IMG_6945IMG_6947

こうなるとやはりケナコルト注射を要します。重瞼固定の部位にステロイドを入れると癒着を阻害して外れる可能性があったので見合わせていましたが、もう打つべきでしょう。

IMG_6946IMG_6948

画像は打った後なので、肥厚性瘢痕の部位が膨隆しています。リザベンも1ヶ月内服してもらい今回2週間後には見たいと思います。

当院では、一昨年に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」を遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用は眼瞼下垂症の診断が得られれば保険診療で3割負担は約5万円(出来高請求)。角膜に掛かる程でないと保険は適用出来ません。目頭部の重瞼固定術は自費で7万5千円+消費税ですが、今回は繋げて切開したのでフリーとしました。なお、ブログ提示を頂けたら、その部分だけなら20%オフ、全顔なら40%オフとします。