2023 . 1 . 7

上口唇短縮術は両側鼻翼間を同幅切除。筋は縫縮。両側鼻柱基部と人中稜部を内側に寄せて赤唇と人中をイメージアップ。

今や上白唇短縮術は定番になりました。一つには形態的なアンチエイジング手術として、一方鼻の下が長い人は、特殊なイメージを見せてしまうから若年からでも治したくなります。

ところで一般人が鼻の下と呼ぶのは仕方ないのですが、下ではどこの部位か解りません。部位を示すなら白唇の最上部です。鼻孔底隆起は鼻の最下部ですから、その直下からが鼻の下で、そこから下が白唇です。ここを切除して縫合すれば白唇は短縮し、赤唇が外反して厚くなります。これがいい感じなのです。

何故なら、赤唇は擬態です。洋語でLabia は唇ですが、上下を指します。つまり赤唇は一種の性器を凝らします。多くの哺乳類はバックを使います。ですから例えば、お猿の臀部も赤い性器です。人間は通常正常位を使いますから、目に入るのは顔で、下の唇の替わりに口唇に魅入られます。だから加齢に伴って赤唇が薄くなると、性的魅力が落ちます。元来薄い赤唇の人は酷薄にみられます。更に白唇と赤唇のバランス、比率も影響します。

手術方法は、上白唇の最上部両側鼻翼間の皮膚と皮下脂肪を全層切除して、口輪筋を縫縮して、縫合します。ポイントは真皮縫合を丁寧に細かくして隙間をなくすることです。傷跡が目立たなく、または見えなくなるかどうかが重要です。美容”形成”外科医にお任せください。

私の様に、優しいまじめな美容形成外科医が、時間を掛けて縫合しないと傷跡が目立ちます。対して、コマーシャリズムに頼るチェーン店系美容整形屋では、手術時間が限られますから無理筋です。何故かといえば、TVCMをはじめとした広告費に、売上の半分近く費やしていますから、倍の手術数をこなさないと元が取れないので、手術時間を半分しか使えないのです。実際以前にSで働いていた事がある医師から聴いた話しですが、上口唇短縮術を1時間以内に終えないとクビになるそうです。それではもちろん、真皮縫合は4針程度しか出来ません。当然に数週間後には創跡が拡がり後戻りします。この点は私も跡を診て知っています。因みに私は真皮縫合を最低18針加えます。結果!、後戻りはゼロです。

巷間では人中短縮術と称します。エエー!、”人中”って”人の真ん中”って言う意味ですよ。赤唇縁の中央にはCupid’s bow, キューピットの弓の持ち手があります。両側の弓の頂点の上に人中稜があり、間の溝は人中溝です。上方は鼻柱基部に止まります。人中だけ短縮したら、富士山型の赤唇になります。実は人中短縮術との手術名は韓国で流行らせました。彼の国はハングルを使いますが、漢字も使える人が居ますが、テキトーな意味使いをします。それを視た日本人や、医学に疎いチェーン店型の美容整形屋が使い始めました。芸能界に限らず、文化文明も美容医療の分野も、韓国に侵されています。旧T教会が日本から多額を騙し取っているのと同じ構造です。

また、唇は白も赤も含みます。江戸時代までは、赤唇は恥じらう様に薄いのが美人とされました。ただし白唇が長いのは”鼻の下が長い”として助平顔とされ、下品な性格とされます。アジア人はセックスアピールを恥じらう文化を持っています。所謂儒教文化ですが、性的文化を忌み嫌うのは、農耕社会の貧しい国家では、お互いに仲良く暮らさないと生きていけないからです。よく分かりませんが、ムスリムも同様で、女性が顔を隠しますよね。最近日本国では、国民の包摂が崩れてきましたから、セックスアピールを魅せる事も正しい行為とされつつあります。

今回はなんだか、話しがアッチコッチに跳びました。とにかく、私は真面目に丁寧に心を込めて手術します。生涯一美容外科医をモットーとしていますから!。

症例は45歳女性。遠方から来院されました。とは言っても紹介です。カルテを見直してみると、昨年初診時に口元を診察して計測しています。人中部の白唇縦長は19㎜。上顔面58㎜:中顔面62㎜:下顔面67㎜と下が長い。上口唇(白+赤)25㎜:下口唇(赤〜頤尖)42㎜で黄金分割比率の5:8ではあります。人中が狭く、弓はカーブがあります。結節を求めて寄せるのは良いかと思います。内眼角間35㎜:鼻翼幅34㎜:口唇横径46㎜で、黄金分割比率になる様に三角関数で計算すると口角は45度方向に6㎜挙げたいサイズです。他にJowlは広範囲剥離リフトの適応。眼瞼は重瞼が浅い。眉を上げる12㎜は取れないので、重瞼を強化しながら8㎜切除なら可能。

本年に入って再診しました。2月に他院でボトックスを額に打ったら前頭筋が動かなくなって重くなり、前葉性眼瞼下垂症状が悪化したので、眉下切開術(眼瞼下垂手術その他の方法)からしましょうとなりました。リフトは次にしましょう。二重顎に対する頤下リフトは脂肪吸引が先行的に必要で、下顎縁下までのリフトの後が適切。眼瞼の手術から致しました。

遠方なので紆余曲折あって8月に再診されました。蒙古襞の拘縮が目立つので、目頭Z-形成術の適応はありますが、今回時間が取れたので、まず口周りから手術希望されます。予定通り白唇4㎜短縮で、人中を1.5㎜寄せて強調します。口角は45度方向に6㎜挙上します。都合を合わせて今回10月に手術となりました。

画像は各方向を経時的に視ましょう。正面像から。

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術前像と予定のデザイン画像。

IMG_4043術直後です。腫れています。

翌日診ます。血痂が少々付着していました。除去します。内出血はすでに露見されます。腫脹は48時間がピークでしょう。自ら鏡で観て「可愛い!。」と感激されました。お悦びです。今後は地元で抜糸してもらい。画像を送ってもらいます。

image12術後1週間の画像を送って下さいました。ちょっと荒いのですが、形は見えます。残念ながらコメントを添えてもらう様に伝えませんでした。

近接画像で術中画像も観てください。

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術前画像とデザイン画像が・・。

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下から観ても鼻の下の切開線は分かりません。実は口角手術の切開線は浅くトレースしておきます。その後いきなり上口唇短縮術を開始しました。画像は撮り忘れましたが、上右図は切除した皮膚皮下脂肪です。デザイン通りの形でしょ!?。

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上左図は切開部の底にある口輪筋を折り畳んで縫合しています。上右図は筋縫合後です。デザインで取る幅の半分の幅になっています。白唇が外反しています。

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次に鼻翼基部を垂直方向に真皮縫合します。上左図が右鼻翼基部、上右図は左鼻翼基部。

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鼻翼基部を真皮縫合で隙間なく縫うと、鼻翼の外側に組織が余ります。そこで”つじつま”を合わせるために、上左図は皮下を剥離して弛ませて、上右図は皮下脂肪をトリミングして膨らまない様にしています。

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さていよいよ鼻柱部と人中稜をずれして縫合します。まず上左図の如くに、鼻柱基部と直下の人中部にマーキングし、次に上右図の如く、物差しを当てて人中部はマーキングよりも1.5㎜外側にもう一点マーキングします。

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上左図は両側鼻柱部と人中稜に真皮縫合糸を掛けて、二本の糸を引いてみます。上右図は結紮(結ぶこと)後で人中が狭くなりました。術前画像と比較すれば解ります。弓が明瞭になり、上赤唇中央部の膨らみ=口唇結節は前を向きますが、術直後は腫脹のために形態変化は判別出来ません。

この後皮膚を連続縫合しました。続けて口角挙上術に戻ります。

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またまたいきなり、上左図は口角の上の三角形の皮膚皮下脂肪を切除しました標本です。続けて、上下の赤唇縁を切開し、さらに直下の口輪筋を全層に亘って分けていきます。その後、赤唇側の横V字形の筋皮弁を挙上して、決めた点に口角を縫合します。赤唇には真皮がありませんから、筋と白唇部の真皮を縫合します。上下口唇部もです。白唇の皮膚対赤唇の粘膜を縫合して、上右図の様に挙上されました。

image17術後1週間の解像度の高くない画像でも、形態はいい感じです。

IMG_4057下面図では白唇の傷は見えない線ですが、口角の傷は赤唇粘膜は柔らかいので糸が食い込んで芋虫状になっています。術後1週間の下面像では、芋虫状かどうかも判りませんが、鼻の下の傷跡は目立たなくなってきました。

4方向で見比べてください。

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ご覧の様にE-ラインはほぼ直線上ですが、白唇がモッタリして、口角が下がっています。

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術直後の側面像や斜位像は腫脹でぶっくりして見えます。

今回手術中の写真を載せて手順を追って説明しました。今後の経過をお楽しみに!

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術後1週間の4方向では、露光の関係もあり何となくの形態が判ります。口角が下がっていないと優しい感じです。

次回術後1ヶ月の画像は、12月中に頂けます。そして多分、来年に入ったら上京してくださる予定です。その際はコメントも頂けるでしょう。お楽しみに!

術後3ヶ月で来院されました。

とにかくご満足されていて、次の手術の話が持ち上がりました。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円+税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。