2023 . 7 . 30

こめかみリフトは方向と切開線と剥離範囲を使い分けます。

広範囲剥離リフトの中でもこめかみリフトは受けやすい部位です。だから流行っているのかどうかは定かではありませんが、私がこれまで載せてきたブログで観ても、ダウンタイムが短いのは確かです。その仕組みは、さすがに剥離範囲が少ないからです。ですが、中顔面は顔の中心部なので効果は観て解り易い部位だから、画像を視るとやりたくなるのでしょう。もちろん剥離範囲が少なく切開も短いから手術時間が長引かないので価格設定も下げているから受けやすいとも言えます

私がよく行う皮下広範囲剥離リフトは、時間と侵襲度の為に上中下に分けています。その前に一般人や不勉強な医師は間違っている上中下を教えましょう。医学的な上顔面は生え際〜眉下、中顔面は眉下〜鼻下、下顔面は鼻下〜頤先端です。

中顔面リフトはこめかみから上下眼瞼部を中心に挙げられます。でも目周りは広範囲剥離と言っても層が違う為触れません。また、中顔面は後ろから前に向かって湾曲があります。こめかみから目尻下の眼窩外側までは横を向いていて、前方は目が前を向いているから顔も前を向いていますから、剥離操作が曲面で難しいからです。通常私はゴルゴ線の外側までの剥離をします。

ただしこめかみリフトは3〜4㎝程度の切開から引き上げますから、どの部分をどの方向に挙げるかをよく検討しなければなりません。中顔面は広く、部品も並んでいますから、生来の顔面の形態や輪郭も考慮しなければ意味がありません。

上から上眼瞼目尻側、下眼瞼の目尻側、頬骨隆起部のたるみ、ゴルゴ線、たこ焼き状のたるみの下垂などいくつかの目的が考えられ、患者さんが挙げたい部位を知ることが必要です。方法は私が用手的に引き上げてみます。約3㎝指の腹を当てます。それもこめかみ部を引き上げるのではなく。目尻の上下を場所を変えて、方向を変えて挙げて患者さんに鏡で見せます。そこがポイントで、剥離の最前部を挙げて見せます。広範囲剥離ですから!。決まったら直ちにデザインします。指で挙げたところに線を引き、そこから引き上げる方向に線を描き、3㎝幅に2本の点線を描いてこめかみに当たったらそこが切開線です。これまでのブログでご覧になれる様に、デザインは微妙に違います。今回はどんな目的でしょう?。

症例は49歳女性。いきなりこめかみリフトを希望されて来院されました。7年前にスレッドリフトを受けたそうですが、後戻りが早かったそうです。患者さんの訴えを書きます。「上眼瞼外側が落ちて垂れ目なのがイヤ!。」そうですね。「ゴルゴ線もあります。」浅いけれどあり、Malarが平坦な貧相感。「張りを持たせたいです。」こめかみリフトは中顔面に張りを持たせます。面長なのですが、頬骨隆起だけが横張っているので、Malarがフラットで無くなれば目立たなくなります。「毛孔が開いた感じも治せますか?。」用手的にシミュレーションして引くと効果がありそうです。上に書いた様なデザイン法です。

スレッドリフトは溶けない糸と言われたそうですが、剥離腔に出たら切れば良いのです。目尻を挙げる35度方向に挙げます。

術直前に確認します。35度方向。ゴルゴ線は浅いが靭帯切離のために広範囲剥離が適応です。

画像は各方向を経時的に観ましょう。

正面像の上左図が術前。上右図が術直後。今回最大18㎜も切除した為かなり引っ張られています。私実は、結構やりすぎと思っていました。胸の中で”どうかな?。局麻の影響だろうな”と呟いていました。”でも効果抜群だな”と落ち着いていました。

翌日の経過観察に来院されました。他医に診てもらい、画像を頂きました。これまでの症例に比べても回復が早いのでびっくりしました。スタッフに「直後はどうなることかと思っていました。」と言ったら、全員に「引き過ぎ感あったよね!?。」と云われました。

上右図は術後1週間の抜糸後です。私診るなり「たっぷり引きました。どうですか?。」と開き直って告げると、患者さん「ええ〜、予定通りの素晴らしい張りで大満足です。」とお悦びです。ほっとしました。

上左図:術後2週間でも診せて下さいました。予定通りの効果です。上眼瞼外側が落ちて垂れ目なのが嫌なのが解消しています。浅いゴルゴ線も無くなりました。Malarが平坦なのも何故か丸みを造れました。張りを持たせられました。頬骨隆起が出張っているのは、凸が減りました。皮膚に張りを持たせると毛孔が開いた感じも治ります。副次的に色々な効果を出せるのです。ですから患者さんも大満足です。上右図は術後1ヶ月です。中顔面に張りが診られます。

左の図は術後3ヶ月です。「完成ですね?。」と告げたら、「キリッとしました。」とお喜びでした。笑顔が似合います。

4方向を経時的に観ましょう。

左側面像の術前と術直後。目尻が引き上げられるのでなく引っ張られています。

翌日は治っています。回復が早いです。やはり局麻が影響していたのでしょう。術後1週間では患者さんも泰然として写っています。

上左図の術後2週間では、優しく微笑んで写りました。上右図は術後1ヶ月。

左図は術後3ヶ月で完成像。

 

右側面でも目が吊り上がっています。

翌日と術後1週間は張りが出てお悦びでした。

上左図の術後2週間では、優しく微笑んで下さいました。上右図は術後1ヶ月

左図は術後3ヶ月。

右斜位像では目尻の吊り上がりが目立ちました。

翌日と術後1週間ではMalarの張り。目尻の位置が適切で垂れ目が解消。眼窩下縁のたるみは解消。

上左の術後2週間では、後戻りはゼロです。上右図の術後1ヶ月でもです。

左図は術後3ヶ月。

 

術前の左斜位像ではMalarの弛み感が見られます。術直後は吊り上がりました。

翌日はまだ薄く内出血が透けています。術後1週間でスッキリした容貌です。

上左図:術後2週間では張りが出て皮膚の質もツルツルです。上右図は術後1ヶ月でも。

左図は術後3ヶ月。

下からは傷の画像を追います。

上左図は左こめかみの生え際を切開した後に、剥離して引いてみて、18㎜の割を入れた後。この後トリミングしました。上右図はその皮膚片。

術直後の傷。血液が付着。翌日は腫れてシワ術後1週間で抜糸しました。私が引っ掻いてしますので赤いですが、いつかは白くなります。

下には術後1ヶ月の傷痕です。

コメントをいただきました。目元の位置に見慣れた。若々しい。Malarに張りが出て、毛穴が浅くなって、化粧の乗りが良いと。洗顔さえもし易くなりました。

こめかみリフトは中顔面なので、色々な効果が得られます。

傷痕はまだ発赤も、髪で隠れる。

上二葉は術後3ヶ月の傷痕です。まだ赤いのですが、必ず消えます。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守し、ホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。こめかみリフトは40万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、こめかみリフト手術後は、顔面全体を載せますが、個人認識できない様に角膜(黒目)を隠します。出演料として20%オフとなります。