1年以上前から、私が手術する切開リフトが大流行りです。もちろんブログのお陰ですが、他医がまずしない、広範囲剥離が有効だと解った患者さんが増えたからです。
最近の美容医療の隆盛は見ての通りです。でも多くの患者さんは間違っています。「美容外科は新しい分野でしょう?。」私は「何言っているんですか?。」と言いそうなのを堪えて「私の父が開業したのが昭和36年。十仁は戦前からです。」と説明し、ついでに「昔の芸能人の多くが私の父の作品です。」と言うと、「あの人が!、本当ですか?。」と一般人は知っていて知らないふり。まあ芸能人は「セーケーなんか受けていません。」と嘘をつくのが商売ですから、仕方ないのかも知れません。
話が飛びました。最近美容外科・形成外科のみならず美容皮膚科と称するものまで、美容医療クリニックが増えました。つまりそれだけ患者さんも増えています。ところがその内容は、手術から遠ざかる傾向にあります。【ダウンタイムが短い】【メスを使わない】などのキャッチフレーズで誘引するからです。やはりインターネットやSNSも含めた広告戦略が関与しています。クリニックとしては同じ費用を掛けるなら、患者数が増える方がコスパが良いわけで、患者さんも飛びつきやすいからです。特にSNSでは中長期的結果を載せませんから、持続性は無視されます。ダウンタイムが短いということはイコール持続性がないのですが、この相反する理屈は広告では明かしません。
私は時代に抗って、手術の紹介にほぼ終始してきました。リフト系でも広範囲剥離リフトが、近年私のブログに毎月の様に載っています。ただしスレッドリフトは少なからず行っています。特にJowlに関しては、効果が得られるからです。何回も書きましたが、Jowlは一般英語です。先日外資系の会社員に訊いたらご存知でした。日本ではブルドッグ顔貌と言えば理解されます。切開リフトで耳前からSMAS下で引き上げても、遠いJowlまでは力が働かないことが、学会でもコンセンサスを得ています。持続する方法は二つ、靭帯法か広範囲剥離です。どちらかは費用と手間と技術により選ばられます。私は広範囲剥離リフトを常用してきました。
そしてスレッドリフトですが、唯一3Dリフトなら、Jowlに効果的です。3Dリフトは、糸に長さ5㎜径3㎜ほどの円錐が1㎝毎に付いています。耳前部の点から挿入して、皮下脂肪層を進めて、Jowlの皮膚から刺出します。すると、Jowlの皮下脂肪と皮膚をまるで抱え上げる様に円錐が掛かり、Jowlから出た糸を引けば、さらに調節できます。逆に引き過ぎて皮膚に凹みが出来たら、皮膚を口内と挟んで下に引けば戻せます。Jowlに対しては、効果は広範囲剥離切開リフトに勝るとも言えます。ただし絶対に非吸収性ではいけません。経年変化で皮膚が薄くなると出てきてしまうからです。3Dリフト糸は約1年で溶けますから、瘢痕ができたとしても持続性は2年以下です。ですからもちろん、術前に念を押しておきます。でも侵襲が軽いから、天秤に掛けて受ける人も多くいらっしゃいます。また、切開リフトでは5年以上若返り、その効果は永久ですが、加齢変化には抗えません。少なからずの患者さんは、5〜10年毎に切開リフトを繰り返し、合間に3年毎とかでスレッドリフトを追加してメンテナンスしています。
症例は78歳女性。10年以上当院に罹っています。主にアンチエイジングのために注射系の治療を定期的に受けてきました。手術は眼瞼形成術や眉下切開で目を開いて若々しくしてきました。糸リフトは2回受けて、2年前から徐々に戻りました。PRPによるAugumentation,増量は前回は4年前で、その後はヒアルロン酸でメンテナンスしてきました。 今回は下眼瞼が寂しい。瞼頬溝はまだ浅いのですが見えます。下眼瞼の面が陥没気味です。今回は目尻までをPRP 2CCで増量しましょう。スレッドリフトは、こめかみからコグ糸を 2本ずつで鼻唇溝の外側のMalarを引き上げ、耳前から3Dリフトをコの字形に皮下脂肪層に、その間にコグ糸を真皮の裏側に2本ずつで皮膚に張りを出します。
術直前に確認します。両側に3D2本+コグ8本を挿入します。PRP2CCで目周り、溝、面、目尻まで増量します。
画像は各方向の術前と術直後から観ましょう。正面像から。
リフトの注目点は鼻唇溝とマリオネットラインです。どちらも浅くなりました。PRPで下眼瞼から目尻に架けて増量して張りを造り出しました。
斜位像を観ます。
術前。デザイン。耳前の2点は刺入点。マリオネットラインの外側のJowlの膨隆部の2点は3D糸の刺出点。鼻唇溝の外側の2点はコグ糸の刺出点。こめかみの一点から眼窩外縁を避けて放射状に入れます。術直後はJowlがスッキリしました。鼻唇溝も浅いし広がったので疲れて見えません。
側面像ではMalar=下眼瞼の下=頬前の弛み感の改善が観られます。
目周りの近接画像では張りが造り上げられました。ゴルゴ戦もクマ(瞼頬溝)も診られないのはフィラーを併用しているからでもありますが、PRPで下地を造っておくと、1+1=3になりお得です
術後 2週間で見せて下さいました。
リフト効果充分で、PRPで明るい。
斜位像でも、側面像でも、ダウンタイムが過ぎて元気度が増しています。
何度でも書きますが、年齢には見えません。定期的に美容医療を受けてメンテナンスしているからですが、私の美容的観点を信じて、私との信頼関係が確立しているからです。
下に術後1ヶ月での来院時。
右から見ても、左から見ても、若々しいです。
術後3ヶ月で後戻りの程度は如何でしょうか?。
少なくても、マリオネットラインは浅くなっています。口角も挙がりを保っています。
側面像でも斜位像でも若々しいです。私チラッとカルテの年齢を見ました。最高齢の一人です。私が「とても年齢に見えませんよね。」と言うと、嬉しそうに「先生のお陰です。」と言いながら嬉しそうに帰りました。でもメンテナンスは欠かしませんよ。
当院では、厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えなければなりません。3Dリフトは14万円+消費税。コグ糸は一本3万5千円+消費税。PRP療法は1CCが10万円+消費税、2CCでは15万円+消費税です。なお、PRP後のYAG LASERは本来1万円のところ、五千円にしています。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。