2015 . 5 . 29

今回は脂肪溶解注射を試したスタッフ

昨日、少々時間があったので、スタッフの要望に応じて、顔面脂肪溶解注射をしました。

Jowl の皮下脂肪を減らしたいとのことです。

DSC00207注射前DSC00211注射直後

DSC00217翌日

近年メソテラピーは進歩して、特に顔面の皮下脂肪の減量には効果を発揮しています。

前回リフトを説明の際、Jowlの説明もしましたよね。もう一度説明します。口角の下のマリオネットラインの外側に貯まっている皮下脂肪塊が、顎のラインを膨らませているところをいいます。動物の垂れ下がった顎と言う意味ですが、皮下脂肪が落ちてきている場合と、ただ単に多い場合があります。

通常加齢に伴い、下垂によりJowlは膨らみます。下垂が原因ですから、リフトが適応になります。フェイスリフトでも、ここを引き上げたいのですが、創から遠いために力が足りないこともあります。スレッドリフトはJowlに直接糸が掛かるので、結構挙がります。ところがJowlは、下垂による膨らみだけでなく、生来の皮下脂肪量の過剰による場合もあります。その場合はまず皮下脂肪を減量してから、皮膚の下垂をリフトすることが推奨されます。

若年者で、Jowlの皮下脂肪が多いのが気になる際、加齢に伴い皮膚が伸びてさらに下垂が加わるのを見越して、また中身を減らしておけば、包みである皮膚の伸展速度を遅らせられることを期待して、減量しておくことを推奨します。今回の症例はその点でいい適応です。

いつも症例写真が、同じシチュエーションでないため、角度によって顎のラインが比較できないことが多いのですが、今回は同じ場所で、同一撮影者(私)が、同じ高さから撮りました。さすがに顎のラインの変遷が判ると思います。注射前と翌日を比べて見ると、違いが見えます。直後は腫れていて大きいので使用前使用後はよく判りません。実は注射直後には減ってます。撮影までの数分で変わりました。翌日は肉ばなれのような痛みだそう。肉じゃなくて皮下脂肪が顔から離れてくれればいいなと思いました。

これらの美容医療では、何と言っても中期的長期的経過が重要です。顔面脂肪溶解注射の標準的な経過としては、直後に50%の効果が見られ、一度腫れて、残りの50%の効果は、約2週間でゆっくり進みます。っと言う訳で、来週、再来週の経過が楽しみです。

ちなみに、リフト効果は加齢にともない、見た目年齢は進みますが、実年齢よりはいつまでも若く見えます。したがって人より若い効果は持続しますが、齢は止められません。それに比べ、脂肪溶解効果は永久的です。一度減った脂肪細胞は復活しません。もちろん体重増量する要因があれば、脂肪は沈着しますが、それは美容内科的分野の範疇です。