2024 . 6 . 26

鼻稜にはI型プロテーシスで、鼻筋はまっすぐに。鼻尖には耳介軟骨移植が定番で、3枚重ねでツンっとさせました。

副題:鼻の非吸収性注入物は、適切な位置に入れないと却って形態不全になるという典型例です。

外国といっても中華人民共和国です。実際には中国は美容医療の後進国です。何しろ一応共産主義国ですから、建前上国民は平等です。だから一人だけ美しくなってはいけない筈なので、美容医療は禁忌だったのです。数十年前に解放政策が執られてからは政策が変わって、美容医療も徐々に容認されましたが、あくまでも経済的に上昇させることを重視してきました。そもそも指導者がいないので医学的な進化は求められません。

ですが、三国志に重瞼術の記載があります。本来中華国は文化文明が発達していたのです。美容医療も文明です。あんなに広い国に、あんなに多くの国民が居るのだから、政治的文化が発達しなければ統合できないので、独裁的でも政治文化は醸成されることになります。ですが、現在は国際的には危ない国家と見られていて、しかも外国に進出しています。人が多いから、外国に移動や移住するのは昔からです。コロナ前まではゾロゾロ(キャリーでゴロゴロ)来日していました。最近は日本在住者が美容医療を求めて、当院にも多く来院されます。その一人をご紹介します。

美容医療は一人一人と相対する個人的関係が必要です。患者さんの社会的背景や周囲の状況を勘案しなければ好評価の結果を得られません。全人類的な理想像はあるとしても、一人ずつの好みも汲まなければなりません。その為にはコミュニケーションが必要です。ですから、外国人の治療は難しいのです。多くの中国人は通訳を兼ねたコーディネーターを伴って来ますが、美容医療に対する理解と経験に差異が多いのです。本症例の通訳は日本語のコミュニケーションが普通に出来ますが、経験が浅く、どちらというとビジネスに徹していますから、私の美容医療に対する長い経験に基づく広いレパートリーに対する理解が不足することもあります。今回は中国で起こした問題をも治すことが主体となりました。幸いその様な症例は多く診てきましたから、私は対応出来ました。

ところで、美容的な理想像は、世界共通でしょうか?。人種に依存するのでしょうか?。正否は考え方に依ると思います。理想とはその集団の総意ですから、人類全体で見れば人間の美しさには理想があると言えます。しかし、各国の各人種ごとに遺伝子は違うので、それぞれの総意も違います。ですから、人類全体よりも狭い集団内での理想像も成立すると考えられます。何が言いたいのかと言えば、日本人と中国人、中間の朝鮮人は、同じ東アジア人種でも混ざり方が違う為、平均的な標準像に微妙な差があります。中国には古来から白人種も少なからず入っています。社会的な文化にも差があります。ですから、美容上の形態的および機能的な理想像にも差があります。

例えば韓国では、誰が診ても一目で、美容治療を受けたことが判る様な患者さんが多く居ますが、変人視されません。逆に日本で、は危ない美容整形屋が横行したので、歴史的に美容医療に対する忌避観念を持つ人が居る為に、現在はバレバレのセーケー結果は滅多に見られません。中国では最近美容医療が流行してきたのですが、まだまだ経済的余裕のある人が受けるものなので、ある程度バレバレでも逆にステータスとみられる様です。

形態的には東アジア人の中でも集団間で遺伝子の種類に差があります。簡単に言えばモンゴル系と南方系の混じり具合が、影響しています。ですから、中国でもルーツ(毛沢東がごちゃ混ぜにした)の南北により違います。韓国人はモンゴル系の遺伝子が蔓延っていますから、本当は例えば大多数が一重瞼でエラが張っています。日本人は南北系が混じっていますから、先天的には二重瞼と一重瞼は半々です。逆に腋臭症が少ないのは東アジアに共通の特徴です。

症例は36歳女性。先月コーディネーターを兼ねた通訳に連れられて来院。これまでにも中国や日本で美容医療を受けて来たそうです。実際には現在は日本在住者です。PRP注入と窪み目に対する切らない眼瞼下垂手術と、ボトックスの追加を先行的に希望されました。

続けて当日、鼻の治療を希望されました。診ると、鼻尖が上方にあり大きい。眉間から鼻根には中国で3年以上前にヒアルロン酸注入を受けたらしい。私診るなり「減った?。」「本当にヒアルロン酸?。」答え「S.で溶かしたけれど残った。」私「まだ多いよね。」「そこだけ入れたの?。」と質問攻めにするも、患者さん「ヒアルロン酸と云われました。」「減っていない。」と言うが、触診では確かにヒアルロン酸の硬さでした。さらに「それにしても眉間だけ幅が広くなっちゃっているね。」とダメ押しました。そして鼻根だけ高いから、相対的に鼻稜が低く、段差が触れるし、「鼻尖は?。」と訊くと、高くしていない状態。形態的な不自然感と不足が重なっています。

手術プランを提示しました。耳介軟骨(前回右から採取しているから今回は左)移植で鼻尖を高く下向きにする。45度斜め下方向に下げたい。10×15㎜採取して、3枚に分けて、いつもの様に私が「親亀の背中に子亀を乗せて、そのまた上に孫亀乗せて。」と謳えば患者さんは(コーディネーターが通訳し)すぐに解ってくれました。鼻稜にはI型シリコンプロテーシスが適応なのは学会,JSAPSの定式であることを説明しました。そして本題の鼻根ですが、プロテーシス挿入の際に同部の皮下(≒骨膜上)を剥離して可及的に掻き出そうと提案しました。ただし逆に、ヒアルロン酸はある程度残して、鼻根にまでプロテーシスを挿入しないで、段差を無くす方が、繋がりが出来て綺麗だし安全だと提案しました。

画像は各方向を経時的に診ましょう。分かり易い正面像から。

術前像の鼻根部に注目。三角形がボテッと大きいですね。ここに注入物が入っているのは触診で判りました。鼻尖は四角く、鼻尖の幅は鼻翼の幅の半分が理想ですが、38:22と大きいです。いきなり次はプロテーシス。厚さは3㎜で、長さは鼻根の注入物よりは下から、鼻尖の移植軟骨の上までに合わせました。挿入ポケットは骨膜下です。青い糸はポケット内から鼻根中心の皮膚に出して固定します。軟骨移植の説明は近接画像の欄で詳しく。

上左図は術直後です。注入物を可及的に掻き出し、I型プロテーシス挿入、両側鼻翼軟骨を縫合して土台を強固にした上に耳介軟骨3枚重ねで移植しました。上右図は、直ちにテープ固定しました。移植軟骨を囲んで、皮膚上から巻きます。目的は1,万が一ずれない様に2,軟骨周囲にも皮下(鼻翼軟骨上)にポケットができるので(小さければもちろんピッタリだと入らない)、周囲を圧迫して皮膚と鼻翼軟骨の癒着を促進させる。3,癒着させないと血腫を生じる。プロテーシスの入ったポケットの両側はシリコン膜で抑えてその上はテープを貼ります。牽引糸は二本を同じ孔から出して、小さなワタを挟んで結びます。なお、もう術後数十分後には鼻根部の腫脹が増加して太くなっています。掻き出すと侵襲が大きく、圧迫も難しい部位ですから、そこだけ腫れが多くなります。いつも書いて来ましたが、ダウンタイムは48時間は増加します。その後ゆっくり軽快していきます。

その通り上左図が1週間。翌日も診ましたが増加し、48時間まで続いたそうです。直後よりも1週間後ではピーク時に比べ半分程度でしょう。上右図の術後2週間では腫れの厚さは減りましたが、幅はまだあります。口元は一部カットしましたが、笑顔でいらっしゃいました。お喜びです。

上左図は術後4週間前ですが、牽引糸を抜糸するために来院されました。テープも一時的に剥がし、指導したので自分で夜間は貼ってもらいます。曲がっていません。上右図は術後3ヶ月です。実は私が大阪院に出張している間に来院されたので診ていませんが、完成像ではあります。

曲がっていません。

近接画像で鼻尖を診ましょう。

上左図の術前正面像では鼻尖が大きいに違いないです。鼻尖は下からの煽り画像がよく判ります。上右図の術前像では鼻尖と鼻翼の境目が不明瞭で低いです。

耳介軟骨はまず採取しました。耳介後溝を切開して耳甲介からくり抜きます。前と後から圧迫して糸で止めて(Bolsterです)、血腫予防しないと柔道(レスラーや相撲やラグビー)耳になります。この方法を知らない医師が手術した痕で3例診たことがありますが私でも治せません。上右図が加工した移植軟骨。3枚重ねです。一枚目は径8㎜のダイヤモンド型、2枚目は幅5㎜の剣型、3枚目は径3㎜の円形です。3枚を糸で通して組み立て固定しました。

上左図は術直後の下面像。何故か斜位で写ってしまいました。曲がって見えます。患者さんに😞。画像は縮小しました。鼻柱部の創ですが、細い7−0白ナイロンで7針も細かく縫合しましたし。真皮縫合も2針していますから、消えていきます。上中図は直ちにテープ固定後。テープで囲んだ丸い鼻尖が移植部です。高く小さくなりました。径8㎜ですから、皮膚が被って約12㎜の鼻尖幅になるでしょう。三段目の粒がツンっとさせています。上右図は正面像術前と比べて鼻尖の位置が2㎜ほど下方移動しています。移植軟骨を前方よりも30度下向きに入れたからです。

上には術後1週間での鼻柱部と耳介の抜糸後。鼻尖が綺麗です。下面の煽り画像では鼻尖が綺麗なのはもちろん、傷跡は抜糸したらW型(直線では凹む)の線も目立たなくなっていきます。

術後満12日で全抜糸しました。テープは軟骨が癒着する3週間は貼って欲しいです。適時外して貼り直しても良いです。シリコン膜も曲がらない様に3週間は続けたいものです。

術後4週間で綺麗な鼻尖です。術前と比べて鼻尖の位置が3㎜下方移動しました。下から観ても傷跡が目立たなくなって来ました。白い線になれば見えなくなります。

術後3ヶ月です。完成です。傷跡も目立ちません。

4方向は結果が見えます。

上四葉は術前。鼻根から眉間に懸けてが高く太い。アバター状態です。その直下から鼻稜が低く、ジャンプ台状態です。鼻尖は上方にあり低いです。

手術直後は側面像で高さを観ましょう。鼻根から眉間は注入物を掻き出して低くしました。鼻根店が最下点として、その下の鼻稜線は、鼻尖まで一直線に出来ました。僅かに鼻尖の方が前なのが、本当のアップノーズです。

術後直ちにテープ固定して血腫予防しますが、形は判ります。直線的な鼻綾線と本当のアップノーズが綺麗です。

術後1週間では腫脹が半量残り高く見えます。でも側面像では直線的な鼻綾を造り出したのがわかるでしょう。斜位像では、腫脹で鼻根が大きく観られます。

術後2週間です。側面像で鼻根の再下点が見えて来ました。斜位像では腫れていますが、鼻尖が美しく、患者さんはお喜びです。

次回術後1ヶ月では固定不要になりますでしょう。画像も見やすくなります。

テープも牽引糸もないと外鼻の自然な美しさがよく判ります。

術後3ヶ月で完成像を観ましょう。

当院は、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログに加筆しています。もちろん画像操作はありません。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。今回の手術はプロテーシス挿入術時に異物除去手技も兼ねますが、20万円+税。鼻尖軟骨移植3枚で40万円+消費税です。鼻尖縮小術は本来25万円ですが、軟骨移植の際の土台造りの為には15万円+税となります。ブログ提示の契約を頂いたら出演料として20%オフとなります。