昨今美容医療が一般人に受け入れられています。私としては「やっと!。」の感が強いのですが、歓迎してはいます。流行りの原因にはいくつかあります。第一に、広告宣伝がIT化したからで、特にSNSでは、実は医学的な内容は稚拙で用語もいい加減で、画像に対しては改竄も厭わない様ですが、場合によっては動画をも見せつけています。一般人が目にする機会が増えた結果、医学的に進歩しているかの様に見せ、如何にも好結果が得られる様に思わせています。また、儲けると資金をTVCMや電車内広告へ回してさらに認知度を上げるチェーン店も多く見られます。第二に、日本国は”失われた30年間”に、国際比較として経済力が平均値は低下しても、逆に格差が激しくなった結果となりました。特にアベノミクス以降は、ある程度の経済力を持つ人が、自由診療である美容医療に罹る機会が増えたからです。第三に医師が増えて国民の福祉が向上するはずが、上に書いた様に国家財政の低下が影響して、保険財源が逼迫しているから単価(そもそも保険診療は政府が決める一律価格です)が増えず、医療者としては、自費診療である美容医療分野へ積極的に進出する様になったからです。第四には、アベノミクスの逆の面で、金融財政が溢れたのに、有用な投資先が少ないから、稼げる美容医療機関が投資先として有効だと考えられるからでもあります。ちなみに日本では欧米と違い、医師が開業時に専門科目を選ぶ資格は、専門領域の研修歴にも専門医の取得にも関係なく自由です。
要するに、美容医療は流行り、金儲けしたい医師が、必要充分な美容医療の体系的な研修を受けないで美容医療に参入しています。ある者は大学医学部卒業後直ぐに(直美)S.系やT.系のチェーン店などに雇われます。またある者は、形成外科・美容外科以外の、他科で診療していたのが、ある日突然美容医療に転向します。ビジネス系チェーン店では最近、数年だけ(多くて6年)大学病院等の中小病院の形成外科で、腰掛け的に研修して経歴を作った輩を雇って、まとも医師に見せています。昨今は統計上、美容医療(美容外科、美容皮膚科)を標榜する医師が毎年倍加しています。実はこれらの方式は、私が医師になった37年前にも使われていました。いや実は60年前にも、父は胸部外科医から転向して美容整形を開業した同類です。要するに、自由診療の美容外科(当時は美容整形を標榜)に於いて、特に非形成外科のチェーン店では、金儲けするためには、美容医学的な学術的研修の有無を問わないで雇います。
今回何を言いたいのか?。医学的な研修が不足ですと、用語が間違っています。学術的教育に於いては、まず上級医が医学的専門陵域の用語を教えたり清書を与えて読ましたりして、新人医は一生懸命理解して覚えることが第一段階となります。そして第二段階としは勉強しないと、いざ患者さんを前にして診療(外科系では主に手術)しても、良好な(美容外科では形態的な、形成外科では機能的な)結果も得られません。つまり用語の混乱は、医療結果の不良に繋がります。直美を雇う非形成外科医のチェーン店や、韓国(現在韓国の一般人はハングルを使い漢字は姓名だけ)が顕著です。ちなみに韓国では、美容医療が流行っていますが、一般人の意識の差とSNSの多用がそうさせているだけです。実際には、医学的に稚拙な医師も多く居ます。そもそも歴史的に、30年前までの軍事政権下では、美容医療は禁止されていたのです。日本では高度成長期に美容整形が隆盛したので、先達の日本人医師や美容医療界に多い在日韓国人が、韓国に知識と技術を投入して流行したのです。
毎回書きますが、用語は結果に繋がります。”人中短縮術”という用語は間違いで、手術結果も間違います。詳しくは、上口唇短縮術のカテゴリーに書いてありますので、今回は割愛します。さて”貴族手術”、”猫手術”は鼻唇溝プロテーシスと鼻唇角プロテーシスの事です。残念ながら、韓国人医師や非形成外科医の中には、鼻唇溝を鼻翼基部、鼻唇角を鼻柱基部と呼ぶ医師も居ます。これも間違いです。基部は点です。点に入れて増大しても、形態を造れません。また鼻唇溝プロテーシスは韓国では、口腔内から挿入して、落っこちてきてダメな症例が多発しています。そもそも私と父が発明した際には鼻翼内側から挿入する方法です。その結果ちゃんと位置が定着しています。
鼻唇角とは呼んで字の如く角度です。ちなみに唇は、赤い部だけでなく鼻の下の皮膚も口唇です。アジアの一般人(日本人、韓国人、中国人)だけが間違っています。したがって鼻唇角は側面像から見た鼻柱と白唇が作る角度のことです。角度が鼻柱が下向きに喰い込んでいるか、鼻尖が上方にあるかに影響します。上向いているのは鼻尖が低いからですから、鼻尖を下方移動する為には移植が求められます。鼻尖から鼻柱が喰い込んでいて魔女鼻な場合、両側鼻柱基部間を増大,augmentationすることで治せます。結果鼻唇角も増えますから、鼻唇角増大術と呼びました。ところで、鼻唇溝増大も鼻唇角増大も、通常はシリコンプロテーシスを使います。異物ですが、前者は骨の上に置きますから動きませんので、有用です。後者は小さいので安全です。ただ試しに、自家組織を使ったこともあります。でもやはり、量が不足傾向ではありました。この二つの手術法は、今から50年前に父が考案しましたし、私も30年以上前から手術しています。
症例は41歳女性。実は本症例では増大ではなく下制術です。これまでに他院で隆鼻術を受けて、鼻尖にも軟骨移植をされたら、相対的に鼻柱から鼻唇角が喰い込んだのです。鼻柱に耳介軟骨移植をして下げようと目論んだが足りなかったし、拘縮して却って喰い込んだ模様です。
手術前の診察では「鼻唇角プロテーシスで確実に下げます。」と宣言しました。
画像な各方向別に経時的に観ましょう。
術前と術直後の正面像。微妙な差ですが、鼻柱の見え方は違います。
術後1週間です。角度によるのかも知れませんが鼻柱全体が見えます。鼻唇角も見えます。
下には両側斜位と両側面像の4方向。
鼻柱の見え具合と鼻唇角の見え具合に注目。
術直後ですが、鼻柱が見えます。鼻唇角も鈍角化しています。
術後1週間ですが、鼻尖から、鼻柱へのカーブが綺麗です。鼻唇角は理想的な95度です。
下には近接画像で、術中画像も提示します。
術前は鼻柱は見えません。鼻柱基部も見えません。下から診ると鼻柱が喰い込んでいます。鼻柱基部は鼻翼基部より上にあります。
いきなり術中画像です。鼻柱の右を切開して剥離してポケットを造りました。二爪鉤で前を引っ掛けて、剥離剪刀(先端鈍のハサミ)で後を抑えて、丸くポケットを見せています。ちなみに前回他院で入れた移植軟骨は、前方に白く見えますよね?。上右図はプロテーシスを鼻尖側から見ています。ポケットに入るサイズです。
プロテーシスを横から見たのが上左図、口側から見たのが上右図です。鼻柱から両側鼻柱基部間まで入ります。上下の最大幅は9㎜ですが、下げる量は4.5㎜です。
挿入後です鼻柱から鼻柱基部まで見られます。下から見ても喰い込んでいません。
術後1週間です。正面からは角度的に見られませんが。下面像で鼻柱基部が喰い込んでいません。なお鼻孔の非対称性は元々です。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
料金も提示します。鼻唇角プロテーシスは15万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。